私は普段、ステンレスの包丁を使っています。切れ味が悪いと感じたらヘンケルスのシャープナーなどで砥ぐので、よく切れます。刃と柄が一体化しているため、汚れが取れにくかったり、サビるということもありません。
しかし、ふと思ったのです。セラミックのシャープナーで砥ぐということは、セラミックの包丁ならもっと切れるに違いない。そう言えば、セラミックの包丁なんてもう何年も使ってないなーということで、試してみることにしました。
京セラ・ココチカル
今回ご紹介するのは京セラのセラミック包丁「ココチカル 三徳 14cm」です。こちらはホワイトですが、ブラックもあります。また、12.5cmのスライスナイフから18cmの牛刀まで5つのラインナップが用意されています。
ココチカルの包丁は2021年の発売で、京セラが17年ぶりに刷新した新しいファインセラミックスを使用しています。刃をより硬くすることで摩耗に強く、従来品の2倍以上も切れ味が長続きするということです。
ココチカルはとても軽い
ココチカルは軽さもセールスポイントとなっており、確かに手に持ってみると軽いと感じます。刃渡りの長さが異なるものの、我が家のステンレス包丁が132gのところ、ココチカルは81g。4割近くも軽いです。
柄の部分はマットな質感で、滑りにくくて持ちやすいと思います。デザインも素敵ですよね。
確かによく切れる、が…
実際に調理の際に試してみたところ、ココチカルはとてもよく切れました。それと同時に、かなり以前にセラミック包丁を使ったときの感覚を思い出しました。
最初は不思議な感覚です。鉄じゃないのに切れるという意外さがあります。しかし、慣れてくると、よく切れることよりも違和感のほうが強くなってきます。刃の腹側の摩擦係数が高いように感じたり、刃の腹が濡れていると野菜を切ったときにくっつきやすいのです。
肉のほうが切れ味が良い
1週間以上ココチカルを試しましたが、総じて野菜はよく切れるけれども違和感のほうが強かったです。一方で、肉を切る場合は野菜を切るときのように摩擦を感じず、刃の腹にくっついてくる感じもありませんでした。
ただ、これもよく研いだステンレス包丁に勝るかと言われたら微妙なところです。
やわらかいパンが切りやすい
ココチカルを使った他の方のレビューを読むと、やわらかいパンでも切りやすいということが書かれていました。そこで、デニッシュパンを切ってみたところ、確かに切りやすいです。いつもは波刃のパン切り包丁を使うのですが、それと違ってパンくずも出ません。
これはスゴイと思いつつ、念のためステンレス包丁でも試したところ、同様にキレイに切れました(苦笑)ココチカルは確かによく切れますけど、結局、何と比べるかで感想が大きく変わってくるような気がします。
切れ味が長続きすることに期待
以上の通り、少なくとも私の印象としてはココチカルがステンレス包丁よりもよく切れるということはありませんでした。ただ、従来比2倍以上も切れ味が続くという点については、長く使ってみないことには判断できません。ここに期待して、今後またこちらに追記したいと思います。
なお、ココチカルは万が一刃が欠けたりした場合に1回限り無料で修理してくれるサービスが付いています。さらに、税込1,000円/回で研ぎ直ししてくれるそうです。包丁を研ぐのが苦手な方にとってはうれしいサービスと言えるでしょう。
ちなみに、ココチカルは普通の砥石では砥げません。「電動ダイヤモンドシャープナーDS-38」などを使う必要があります。
というわけで、京セラのココチカルはとてもよく切れることは間違いないものの、ステンレス包丁よりも切れるという実感は残念ながら得られませんでした。よく切れるかどうかよりも、切れ味が長続きするということに期待したいと思います。
一方で、普段は果物ナイフを好んで使っている妻はココチカルが気に入ったようです。軽いし、刃渡りが短くて、扱いやすいからでしょう。結局は使う人次第なのかなと思います。
2024/04/16追記
ココチカルで焼肉のたれの容器の口の部分を外そうとしたところ、「ぱきっ」と刃が欠けてしまいました。力が加わったことは否めないものの、正直こんなに簡単に欠けるとは想定外でした。
早速、無料修理サービスを依頼しようと思ったのですが、利用するためには「調理中」で「3mm以内の欠け」が条件であることが判明。今回は厳密には調理中とは言えず、さらに5mmの欠けのため、断念せざるを得ませんでした。
まだ1ヶ月しか使っていないのに…残念無念です。
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