以前にテレビ番組で「ニトリの商品で売れているのは次の3つのうちどれでしょう?」というクイズがあり、そのひとつに洗面台下収納シリーズの「リスト」が挙げられていました。他の商品はどんなものがあったかは忘れてしまいましたが、クイズの答えとしてはリストが3商品の中で売上No.1ということでした。
正直言って、リストはそんなに売れているとは思えません。それは売場で目立たない位置に置かれているからです。
しかし、リストは良い商品です。これまであまり注目されていなかった洗面台下で使いやすいラインナップが用意されているからです。
そのリストがこのたび「クラネ」にリニューアルされました。一体どこが変わったのでしょう?新旧商品を比較してみました。
※この記事は2019年12月26日時点の情報に基づいています(2023年12月22日一部更新)
ニトリの洗面台下整理ボックス新旧比較
持ち手の形状が変化
【旧】リスト
【新】クラネ
リストとクラネを比較すると、まず持ち手の形状が変わったことに気づくはずです。指が1本通せる程度のリストに対し、クラネは指2~3本を通せるくらいの大きさになりました。持ち手が大きくなったことで、これまでより引き出しやすくなったと思います。
ワイド廃止→ハーフ導入
【旧】リスト
商品名 | サイズ(mm) | 税込価格 |
---|---|---|
整理ボックス・ハイタイプ | 130×320×240 | 610円 |
整理ボックス・ロータイプ | 130×320×120 | 407円 |
整理ボックス・ワイドタイプ | 260×320×120 | 610円 |
伸縮フリーラックS | 290~450×320×310 | 1,314円 |
伸縮フリーラックM | 460~750×320×310 | 1,518円 |
【新】クラネ
商品名 | サイズ(mm) | 税込価格 |
---|---|---|
整理ボックス・ハイタイプ | 130×321×241 | |
整理ボックス・ロータイプ | 130×321×122 | |
整理ボックス・ハーフタイプ | 130×160×122 |
※税込価格は2023年12月22日更新
ラインナップにも変化があります。ワイドタイプがなくなり、代わりにロータイプの奥行を半分にしたハーフタイプが導入されました。
ただ、これは個人的には「どうなんだろう?」と思います。リストのワイドタイプは無印良品の「PPファイルボックス・幅25cmタイプ・1/2」とほぼ同じサイズで、洗面台下で使いやすい大きさだったはずです。また、新しいハーフタイプはロータイプの上に重ねることが可能と説明されていますが、中身を収めると重みでロータイプの口が広がって落ちてしまいます。
もっとも、ハーフ2個を前後に並べた上にロー1個を積み重ねることは可能です。また、ワイドタイプは100均のPP製バスケットと比べると割高に感じられるという問題もあったのかもしれません。
ちなみに、ハイタイプとロータイプのサイズはほぼ変わっていません。また、伸縮フリーラックはS、Mともに、「リスト」のまま継続です。価格等、スペックも変わっていません。
国産化で価格がアップ
ワイドに代えてハーフが登場したのは価格の問題もあったのかもしれません。ハイタイプは555円から636円に約15%アップ、ロータイプは370円から454円に約23%アップしていますから、ワイドタイプを継続すると636円になっていたはずです。そこでハーフタイプを投入することで、全体の価格帯を下げようとした可能性が考えられます。
ではなぜ価格がアップしたかと言うと、中国製から日本製に切り替えたからでしょう。さらになぜ日本製に切り替えたかと言うと、私はスチロール樹脂からポリプロピレンに切り替えたかったからだと思います。
スチロール樹脂は落とすと割れることがあります。また、ある程度重さのあるモノを収めて引き出すときに、前板がパキッと割れることがあります。その点、ポリプロピレンなら柔軟性があるので割れにくいです。持ち手を大きくできたのもポリプロピレンに変えたことによるメリットと考えられます。
もっとも、「ウチやったらもっと安くできまっせ」という日本のメーカーが現れたとか、ロットが思うように伸びず仕方なく日本で小ロット生産することにしただけ、という可能性も否定できません(苦笑)
ニトリのリストがクラネになって国産化されたことは良いことだと思います。ただ、中国製と比べて品質が良くなったという実感はありません。むしろ、ロータイプの上にハーフタイプを積み重ねると落ちてしまい、「国産なのにダメじゃん」という残念な気持ちにさせられます。
おまけに、ワイドタイプがなくなったのが痛いです。それだったら、無印良品のPPファイルボックスで揃えたほうが良いという人も出てくるでしょう。もしくは、見た目よりも価格重視で100円ショップで買うことを考えると思います。
総じて、今回のクラネへのリニューアルは中途半端と言わざるを得ません。同名のアパレルブランドと同じように好調に売上を伸ばす可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。
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