前回はセリアで買った「石膏ボード壁用補助板」なるものを紹介しました。賃貸を含め住宅に多い石膏ボード壁にホッチキスで取り付け可能なスチール板で、マグネットや吸盤の収納グッズを取り付けできるというものです。
石膏ボード壁用補助板を購入したときに、同じ陳列棚の並びに「面ファスピタット!」という商品を見つけてしまいました。今回はこれをご紹介したいと思います。
面ファスピタット!@セリア
セリアで販売している「面ファスピタット!」は、一般的なビニル壁紙に面ファスナー(マジックテープ)で額などを取り付けるというアイテムです。これ単体で壁に額を取り付けるわけではなく、まず壁にPPテープ(養生テープ)を貼ってから使用するというものです。
大きさは5×10cmのものが雄雌で2組。額の4隅に貼り付けた場合の耐荷重は約500gとなっています。
製造元はグリーンオーナメント
メーカーは大阪府八尾市のグリーンオーナメントという、100均グッズを主に扱っている会社。ダイソー、セリア、ワッツなどを主要取引先とし、年商約36億円もあるというのですから立派なものです。
”ガラスを使用した壊れやすい物や重いもの、高価なものへのご使用はおやめください”などと注意書きが大きく書かれています。まあ、メーカーとしてはごもっともな言い分ですよね。
5×10cmの面ファスナーが2組
パッケージを開けてみると、5×10cmの面ファスナーが2組。雌雄ともに裏面は粘着テープになっています。
ここでふと疑問が。従来から100円ショップで粘着式の面ファスナーは売られていますが、それと一体どう違うんでしょう…?
さっそく使ってみた
しかし、使ってみれば疑問も解決するかもしれません。早速、面ファスピタットを使ってみたいと思います。
まずは面ファスナーをハサミでカットします。
養生テープを用意
いつも使っている寺岡の「Pカットテープ」を用意します。
養生テープを壁紙に貼る
額の幅に合わせた長さにカットしたPカットテープをビニル壁紙に貼ります。
額の裏面に面ファスピタットを貼る
カットした面ファスピタットを額の裏の4隅に貼ります。
面ファスピタットで額を壁に貼り付け完了
面ファスピタットの粘着面の剥離紙を剥がして、あらかじめ壁に貼ったPカットテープに押し付けます。これで設置完了です。
厚みがないのがgood
側面から見るとこんな感じです。一般的な石膏ボード用フックと紐を使うのと比べて、壁から8mm程度と少ないすき間で密着するのはメリットと言えるのかもしれません。
約10時間で落ちた
しかし、約10時間後に落下してしまいました。念のため下に毛布を敷いておいて正解でした。
ただ、これは私が耐荷重をオーバーしてしまったことが最大の原因です。耐荷重500gのところ、1000g強の額を掛けてしまっていました。ちゃんと耐荷重の許容範囲内の額を掛けていれば、こんなことにはなっていなかったかもしれません。
壁紙の表面が剥がれてしまった
改めて耐荷重の許容範囲内で収まる額でチャレンジしようかと思いましたが、いくつかの問題から断念しました。
まず、Pカットテープでは壁紙の表面が少し剥がれてしまいました。上写真を見ると白い点々が付いていますが、これがビニル壁紙の表面の一部ですね。
当初から予期していたことですが、Pカットテープは粘着力が強いうえに接着剤が変質しやすいので、ビニル壁紙に貼るには適さないと思います。
額の裏面を損傷してしまった
もうひとつの問題は、そもそも面ファスピタットは再利用できないことです。変に粘着力が強くて、剥がそうとしたら破れてしまうのですね。
しかも、剥がそうとしたら額の裏を損傷してしまいました。裏板のMDF合板も、額の木目調のプリント紙の一部も剥がれてしまいました。軽い額ほどダンボールやMDF合板が使われていることが多いことを考えると、これでは使い物になりません。
ただの粘着式マジックテープ
一通り検証を終えて分かったんですけど、面ファスピタットはただの粘着式マジックテープでした。せめてビニル壁紙に貼るテープが付属していれば価値があると思います。しかし、現状では切り口を変えて粘着式マジックテープを販売しているにすぎません。
もっとも、粘着式マジックテープは100円ショップで同じように売られていますから、別に損をしているわけではありません。
面ファスピタットを使うメリットがない
面ファスピタットは面ファスナーを使用するということで壁から簡単に剥がせるものだと思っていました。しかし、粘着テープも面ファスナーも変に強すぎて、Pカットテープのほうが先に壁から剥がれてしまうのです。これでは面ファスナーを使うメリットがなく、普通に両面テープで貼っても同じです。
面ファスピタットは耐荷重が最大約500gしか得られません。別途、養生テープを用意する必要があり、それを額の大きさに合わせて貼るのもちょっと面倒なうえに、養生テープでは壁紙を損傷するリスクもあります。さらに、面ファスナーの粘着面は額の裏面を痛めてしまいます。もっと言えば、そもそも面ファスナーであるメリットもなし。これなら、普通に石膏ボード用フックを使ったほうが良いです。
石膏ボード壁用補助板を買った勢いで、面白いと思って買った面ファスピタットでしたが、とんだ地雷商品を掴んでしまいました。裏面を傷めてしまった額は妻にバレないようにコッソリと元通り「かけまくり」で掛けておきましたよ(笑)
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