洗面台にフタ!?NHK「おはよう日本」まちかど情報室で紹介された商品が考えさせられる

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6月1日にNHKのテレビ番組「おはよう日本」まちかど情報室で紹介されたベルメゾン(千趣会)の「折りたためる洗面台のフタ」という商品。忙しい朝の準備に役立つアイデア商品のひとつとして紹介されたもので、私はこの番組を見ていないのですが、ちょっと衝撃的なものでした。

※この記事は2015年6月3日時点の情報に基づいています(2023年8月26日一部更新)

 

まるで「まな板」!ベルメゾン・折りたためる洗面台のフタ

ベルメゾン・折りたためる洗面台のフタ

出典:ベルメゾン

ベルメゾンの折りたためる洗面台のフタは、確かに洗面台のフタなんですけど、まるでまな板のようにも見えます。想定されている使い方は主に2通りで、一時的なモノの置き場所の確保と子供のいたずら防止。入浴時にパジャマやタオルを一時的に置いたり、メイク道具を並べたり、洗濯物を取り出して置いたり、洗面台で洗濯物を浸け置きしながら別の作業をしたり、子供に触られないようにしたいという具合ですね。

幅は60cmと75cmの2タイプ、奥行は19.5cm・29.5cm・39.5cmの3タイプ。風呂蓋のような構造になったポリプロピレン製のもので、価格は税込1,177~2,149円。「ちょっと試してみようかな?」と気軽に買える値段だと思います。

2023/08/26追記:ベルメゾンの折りたためる洗面台のフタは販売を終了した模様です。現在は「キッチンシンク用目隠しフタ」iconという同様のコンセプトの商品が販売されています。

馬鹿馬鹿しい!けれども考えさせられる商品

この「折りたためる洗面台のフタ」という商品は、「なるほど!」っていうよりも「え!?」と驚きを持って受け止められる商品だと思うんです。たとえば我が家の場合、洗濯機から洗濯物を取り出すときにスペースに困っていないし、妻はリビングで化粧をするので洗面化粧台が手狭に感じることはありません。また、入浴時はドラム式の洗濯機の上にパジャマなどを置くため、一時置きの場所にも困っていないです。けれどももし、我が家で使っている洗濯機がドラム式でなかったり、妻が洗面化粧台で化粧をするんだったら、この商品に飛びついたかもしれません。

そもそも洗面脱衣所というスペースはちょっと特殊な場所なのです。通常、2畳程度の広さであることが一般的ですが、その狭いスペースに洗面化粧台と洗濯機があります。また、そこですることと言えば、手洗い(洗顔や歯磨きも含む)、洗濯、脱衣、家庭によっては化粧もします。それだけのことをしますので関連する収納すべきモノも意外と多く、石けん、洗顔料、シャンプー、整髪料、歯ブラシ、コンタクトレンズ用品、洗濯洗剤、洗濯バサミ、ハンガー、脱衣カゴ、さらに下着やタオル、化粧品などがあります。置くモノを厳選してそのスペースに合わせて暮らし方を考えることはできますが、一般的に2畳程度である洗面脱衣所が2畳半であればこんな商品がなくてももっと快適に暮らせるはずなのです。

日本の洗面脱衣所は狭すぎる!

2畳と2畳半の洗面脱衣所

上の図をご覧ください。左が一戸建てによくある間取りの2畳の洗面脱衣所、右が私が考えた2畳半の洗面脱衣所です。たった半畳広くなるだけで、かなり快適になると思いませんか?化粧品はチェストの上に置けば良いし、入浴時にはパジャマの一時置きに使えます。洗濯機から洗濯物を取り出すときはチェストの上に置いても良いでしょうし、チェストの上にハンガーパイプを設ければ室内干しだってできます。

上図では洗面脱衣所の出入り口の位置も変わっていますが、たった半畳の差なのです。このたった半畳でどれだけ暮らしが快適になるでしょうか?

広さは同じでも洗面脱衣所はもっと快適にできる

出入り口の位置を変えた2畳の洗面脱衣所
とは言え、たった半畳とは言ってもそれがなかなか捻出できないというのも日本の住宅事情でしょう。けれども広さが同じであっても洗面脱衣所は間取り次第で快適にすることは可能です。

上の図をご覧ください。同じ2畳であっても、洗面脱衣所の出入り口の位置が変わるだけで、チェストを置くスペースを確保することができます。2畳半に比べればちょっと窮屈ですが、それでも普通にドラム式洗濯機が置けますし、前述したのと同じように化粧品やパジャマを置いたり、室内干しをすることだって可能です。

結局、今の日本の住宅のほとんどは、生活の素人である建築のプロが、家という「資産」を売っているんです。どうやったら快適に暮らせるかなんて考えずに、それっぽいものを売れそうな値段で作って売っているのが現状なのです。快適に住むために考えて家を作って売っているのなんて、積水ハウスなどの一握りの「ハウスメーカー」だけで、ほとんどが資産を売る「不動産屋」や、ドヤ顔で技術を売る「工務店」なのです(もちろん零細であれ、会社名がどうであれ、快適に暮らせる家を作って売っているところは他にもあると思っていますが)。

 

話がちょっと変な方向に行ってしまったような感がありますが、こんな馬鹿馬鹿しいような商品が売れるのも、日本の住宅のソフトの部分がまだまだ貧弱であることの裏返しだと私は思います。

【現行モデル】キッチンシンク用目隠しフタ

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この記事を書いた人

日本で初めて一般家庭向け収納&インテリア・コーディネートサービスを始めて20年の収納&インテリアのプロ。TVチャンピオン収納ダメ主婦しつけ王優勝。
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コメント

  1. 日本三毛猫 より:

     収納マン様、こんばんは。

     「ヨーロッパの家がきれいに片付いているのは男性が散らかさないからだ」というのを誰かの本で読んだことがあります。おそらく建築関係の方も生活者としてきっちりしているという部分もあるのかもしれません。集合住宅で、地下に別各家庭ごとの収納スペースが設けられているのも、家を建てる人がちゃんとわかっているからなのでしょう。

     日本の男性はガキですね(収納マン様は別格)。お母さんがなんでもやるというのは、ある意味、母親による支配とも言えます。
     男性が生活者としてきちんとしていないと、住みやすい家、使いやすい家具、そして住みやすい社会は生まれません。女性だけでは限界があります。

    • 収納マン より:

      日本三毛猫さま

      こんにちは^^

      ヨーロッパの事情はちょっと分からないのですが、確かに「日本の男性はガキ」ですね(私も含めて・苦笑)まだまだ仕事に家庭を持ち込んではいけないという暗黙の了解があり、男性側に都合よく解釈されている風潮があって、これが男女格差の解消や女性の社会進出を阻んでいる可能性を感じます。

      また、バブル期以前に社会に出た40代以上の男性は家事は女性がするものという認識が強い一方で、バブル期より後の30代以下の男性はある程度、家事は男女平等に負担するものという意識が強いように個人的には思います。
      そのように言うと30代以下の男性はスマートで紳士的であると好意的に捉えられるかもしれませんが、覇気がなく内向きで多かれ少なかれ「草食男子」です。ないものねだりかもしれませんけど、ただ家族のためを思って仕事に全身全霊を懸けている先輩方をうらやましく思うことも時々あります。

      つまるところ一概に良い悪いを言うことはできないのですが、ただ日本の住宅業界は、会社の方針に従って集団心理で家という資産を売る傾向が強く、買うほうも資産的価値や価格を第一に考える傾向が強いように思います。

      中国では男性が家を持っていないと結婚できないと言われるそうです。相手が決まる前から家を買うなんて馬鹿馬鹿しいと思うんですが、日本でも同様に思っている人も案外多く、売り手にも買い手にもそれが「住むためのもの」であるという認識が薄いと常々感じています。

      非常に大きい業界なので簡単に変えることはできませんが、決して流れに逆らうことなく、でも少しでも快適に住むことのできる家を実現できればと考えています。

  2. miyo より:

    初めまして、こんにちわ^ ^
    最近モヤモヤと思ってることを、バシッと書いて下さってて、思わず書き込んでしまいます!

    いずれはマイホームを…と思って、建売りをあちこち内見してるのですが、どこもかしこも間取りが家事動線を考慮してなくて、売れ残るのも無理ないなと感じています。
    個人的に脱衣&洗面スペースの狭さは大きなマイナスポイントなので、物件の間取りを眺めて溜息ついてます。
    量産型住宅だって、少し考えれば住みやすい設計にできたろうにと残念です。
    キレイなシステムキッチンととりあえずのウォークインクローゼットだけじゃ、買い手の気持ちは動かない気がするんですけどね;^_^A

    • 収納マン より:

      miyoさま

      はじめまして^^

      miyoさんはマイホーム選びに奔走されているんですね。それはとても楽しそうです♪でもやっぱり、ガッカリなことも多いのですね。

      > 量産型住宅だって、少し考えれば住みやすい設計にできたろうにと残念

      これは本当にそう思います。むしろ量産型住宅だからこそ、最初にちゃんと基本的な動線を押さえておけば、快適な住まいを量産できるのに…って思うんですけど。

      このあたりは私にとってすごく重要な課題です。地元の「不動産屋」に総当たりしたらまったく相手にしてもらえませんでした(苦笑)ハウスメーカーや工務店にも提案したいと考えているんですが、そこまで手が回っていないのが現状です。

      十分な予算があって素敵な注文住宅を手に入れられればそれが一番なんでしょうけど、そうでなくとも快適に住むことのできる家が手に入るようにすることは私にとっての夢のひとつです。

  3. 日本三毛猫 より:

     注文住宅の場合、施主がよーーく勉強していないとダメだと思います。大工さんの方は動線がわかってませんから。どんなに腕のいい大工さんでも家事をやっているわけではないので、「動線???\だと思います。
     うちは親が台所の水回りについて文句を言っております。「(大工さんが)勝手に選んだ」と。無駄に流しが広いのです。調理スペースが不足気味。でもこれは、親が悪いと思います。「こういうふうにしたい。ああいうのはだめ。こういうのにしてくれ、こういうのはあるか?」ってきかないから先方だって、途方にくれたと思いますよ。
     自分で考えてもよくわからない場合は、アドバイザーを捜す必要があると思います。
     って、どんな人に頼めばいいのかしら。台所を直したいのですが(収納、掃除等)、自信がなくって。。。ガス台一つ選ぶのにもガラストップは割れる心配がある、テフロンは汚くなる。。。。どれがいいのでしょうか?

    • 収納マン より:

      日本三毛猫さま

      そうですね、消費者もあらかじめ勉強して自分にとって何が必要かを理解しておく必要がありますね。でも一義的にはまず大工というか、施工会社の人間(主に建築士やコーディネーター)が生活者としての知恵を持っておくべきだと思います。

      リフォーム会社を選ぶ際は、価格、提案力、信頼性、取扱メーカー、得意分野などいくつもの指標がありますが、いまは比較サイトなどで気軽に相見積もりもできますよね。実際に何社にも来てもらって相見積もりをしてもらうというのは私でも抵抗があります^^;
      ちなみに価格優先でやるためには自分でしっかりと勉強して細部まで注文を出しておく必要があります。安い、仕事がうまい、センスが良い…と3拍子揃った業者はまず存在しません。提案力や仕事の丁寧さがある業者は、実績が少なかったり、小規模で宣伝広告をあまり打てなかったりするものです。

      ガスコンロはガラストップで割れる心配というのはまずないんじゃないでしょうか?いろんなお宅、それこそあまりメンテナンスできていないお宅でも、ガラストップが割れているケースは一度も見たことがありません。我が家もガラストップですが、お手入れが楽で、見た目にも高級感があって良いですよ^^