室内干しや洋服掛けとして便利な突っ張り棒。部屋の端から端までドーンと突っ張って、たくさん洗濯物や洋服を掛けたいとおっしゃる方は決して少なくありません。
しかし、最大280cmまで伸びる突っ張り棒の耐荷重は強力タイプでも10kg前後です。乾いたシャツを何枚か掛けたり、間仕切り用に軽いカーテンを掛けるくらいなら良いですが、濡れた洗濯物を掛けるには適しません。なので、6畳間の長辺側に3m以上の突っ張り棒を見つけて取り付けたとしても、少なくとも室内干しとして使うことは現実的とは言えないのです。
それでも、3m以上の突っ張り棒が欲しいという人は少なくないようです。果たして、3m以上の突っ張り棒は存在するのでしょうか。もったいぶりつつ、順番に説明したいと思います。
※この記事は2023年6月27日時点の情報に基づいています(2024年9月5日一部更新)
3m以上の突っ張り棒は洗濯用品売場にはない!
ホームセンターで突っ張り棒を探すときにまず向かうのは洗濯用品売場です。突っ張り棒や突っ張り棚がひとつの棚にまとめられています。
しかし、ニトリを含めてホームセンターでは最大280cmまでというのが一般的です。突っ張り棒シェア最大手の平安伸銅工業の突っ張り棒も280cmが最大です。
積水樹脂、新輝合成(トンボ)、アイリスオーヤマも同様に、強力タイプの突っ張り棒は最大280cmまでしかありません。
3mの突っ張り棒ならカーテン売場にある!
ホームセンターの洗濯用品売場で見つけられないとき、次に目指すのはカーテン売場です。ここには強力タイプの突っ張り棒はないものの、カフェカーテンなどを吊るすためのバネ式の細い突っ張り棒があります。
それでもなかなか3mもの突っ張り棒というのはほとんど扱われていませんが、たとえばDCMなら最大3mのものがあります。
こちらはDCMオリジナルとなっていますが、フルネスの「強力つっぱりポール LLサイズ」の色違いかもしれません。
3m以上の突っ張り棒はDIY売場にある!
ホームセンターの洗濯用品売場とカーテン売場を探しても目当ての突っ張り棒が見つからなかったら、あきらめてしまう人がほとんどでしょう。しかし、実はDIY売場で3m以上の突っ張り棒が売られていることがあるのです!
こちらがそれ。光(輸入元:アイテック)の「突っ張りスタンドKTSD-390」はなんと最大3.9mまで伸ばすことができるのです!
どうしてDIY売場に突っ張り棒があるかと言うと、これは養生シートを天井に押さえつけたり、建具の枠を下から支えたりするために使われるからです。ほかにもトラックの荷台の荷崩れ防止などにも使われます。
ちなみに、垂直静止荷重は50kgまでとなっています。”垂直”となっているのは主に天地方向で突っ張る用途のためです。水平方向に突っ張った場合は何とも言えません。
撮影機材にもある!
家庭用ではなく業務用に目を向けてみると、ほかにも3m超えの突っ張り棒はあります。たとえばManfrotto(マンフロット)の「オートポール 032B」。こちらはテレビの撮影のときに室内で定点カメラを設置する用途などで使用するものです。
TVチャンピオンの撮影のときにも使ってましたが、今更ながらコレだったのか―と思いました。念のため、こちらはホームセンターでは扱っていません。
amazonなどには4m超えも
あと、amazonや楽天市場などを見ると、最大4.2mの突っ張り棒もあります。一般的なスチールではなく炭素鋼製のパイプを採用することで強度を高めているようです。
つっぱり棒支えポールで補強という方法も
個人的には3m以上もの突っ張り棒を使って洋服はおろか、カーテンを掛けるというのはかなり厳しいと思うのですが、どうしてもという場合は平安伸銅工業の「押入れささえポール 大」で補強してもらうとベターでしょう。これで荷重を床に逃がしてやることができます。
天井突っ張り式の物干しを使うという手も
あくまで洗濯物を干したいということなら、無理して壁から壁に突っ張るのではなく、天井と床を突っ張ってそこに物干し竿を掛けるほうが現実的だと思います。たとえば天馬の「ポーリッシュ 突っ張り式物干し室内用ロング PS-35 組立式」(上写真)なら、天井高3mまで設置可能で、耐荷重は20kgとなっています。
穴あけOKならpid4Mもアリ
壁にネジ穴を開けることが可能な場合は、森田アルミ工業の「室内物干しワイヤーpid 4M」(上写真)を使うのも良いと思います。これなら最大4mまで洗濯ロープを張ることができて、使わないときはワイヤーを収納可能です。ただし、耐荷重は10kgで、重いモノを掛けるとたわみます。
壁ではなく天井の穴あけがOKなら川口技研の「ホスクリーン」を使うのも良いでしょう。ただし、pid 4Mもホスクリーンも下地のあるところに取り付ける必要があります。ホームセンターで取り付けを依頼できることも多いので相談してみてください。
そのほか、ホームセンターで買えるもので言うと、アイワ金属の「KINOBO」を使えばラミン丸棒を繋いで好みの長さの突っ張り棒を作ることができます。ただし、メーカー推奨の水平方向の突っ張りは2m弱までとなっているので、それ以上は完全に自己責任となります。
ちなみに、某メーカーの方にうかがったところ、突っ張り棒の接地面が円形のものやフラットではないものは良くないそうです。そう言われてみれば確かに、日本のメーカーの強力タイプの突っ張り棒の接地面は四角くて平らなものがほとんどです。その点で言うと、見た目は武骨ですが、光の突っ張りスタンドがもっとも安心して使えるんじゃないかと思います。
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