インターネットリサーチをおこなっているマイボイスコムが、ホームセンターに関するインターネット調査を実施し、その結果を公表しました。第3回目となる今回の調査は2017年1月1日から5日の期間におこない、11,295件の回答をもとに集計しています。
今回の調査では、ホームセンターを月1回以上利用する人は全体の4割弱で2014年より減少、「月に1回」「2~3ヶ月に1回」する人が多く、利用頻度は東北などで高く、関東で低い傾向などが判明しています。これらの結果も興味深いところなのですが、私が注目したのはむしろ「直近1年間に利用したホームセンター」の項目です。
※当記事は2017年3月8日現在の情報に基づいています(2024年9月10日一部更新)
直近1年間に利用したホームセンター
直近1年間に利用したホームセンターの順位は上表の通りとなっています。これはホームセンター人気ランキングと言っても差し支えないと私は思います。単純に売上や店舗数で人気を推し測ることもできますし、そのほうが単純明快ではありますが、やはり人が多く集まってこそ人気があると言えると思うからです。
上表の通り、人気No.1と言えるのはコーナン。関西人には馴染み深いのである意味納得なのですが、全国規模で見た場合に1位となったことはちょっと意外です。ただ、首都圏や東北などにも積極的に進出していることや、低価格の日用品が充実したドラッグストア的要素を持っていることを考えると、直近1年間に利用したホームセンターとして挙げられやすかったのだと思われます。
そのコーナンに肉薄する第2位がカインズホーム。前回調査からの流れで言えば、次回に調査をおこなえば首位を奪う勢いです。カインズホームは価格も魅力的ですが、無印良品っぽいシンプルなデザインのオリジナル日用雑貨が多く品揃えされていることも人気の秘訣なのではないでしょうか。
カインズホームに次ぐ第3位はケーヨーD2。大型店を積極的に展開しているカインズホームに対し、ケーヨーD2は小型店が多いのでコンビニ的で買いやすいですよね。ただ、カインズホームにせよ、ケーヨーD2にせよ、島忠ホームズにせよ、ここ数年は関西進出が停滞してしまっているのが残念です。
ホームセンター各社の売上と店舗数
私が「直近1年間に利用したホームセンター」の順位を勝手に人気ランキングと解釈したのは、これがホームセンター各社の売上や店舗数に比例していないと感じたからということもあります。実際、ホームセンター各社の売上や店舗数を調べてみると、以下の表の通りとなりました(並び順は直近1年間に利用したホームセンターの順位)。
ホームセンター | 売上(億円) | 店舗数 |
---|---|---|
コーナン | 2,891 | 313 |
カインズ | 3,937 | 200 |
ケーヨー | 1,578 | 185 |
東急ハンズ | 948 | 73 |
コメリ | 3,243 | 1,178 |
島忠 | 1,500 | 58 |
LIXILビバ | 1,727 | 86 |
ナフコ | 2,299 | 364 |
DCMホーマック | 1,871 | 265 |
DCMカーマ | 1,291 | 164 |
DCMダイキ | 1,047 | 160 |
ジョイフル本田 | 1,587 | 15 |
アークランドサカモト | 1,013 | 54 |
ジュンテンドー | 439 | 150 |
サンデー | 423 | 101 |
DCMくろがねや | 159 | 22 |
DCMサンワ | 308 | 24 |
※2017年3月当方調査時点、売上および店舗数はホームセンター業態以外を含むものもあります
カインズと比べて売上で負けていても店舗数で勝っていたコーナンが、直近1年間に利用したホームセンターに該当しやすかったと言えるでしょう。ケーヨーD2もカインズに次ぐ店舗数のため、3位にランキングされたというのも納得できるところです。
東急ハンズは他のホームセンターと比べると異質で、都市部にあり、品揃えもまったく違います。売上、店舗数ともに大手とは言えないけれど、都市部に住む人から支持を集めたと言えるでしょう。
他方、ブランド別売上が2位、店舗数で1位のコメリが5位というのは、”ホームセンターの利用頻度は東北で高い”という調査結果も併せて考えると、農業従事者による利用が高かったと考えられます。調査対象者に農業従事者の含まれる割合が低かった、もしくはコメリは少数のヘビーユーザーに支えられていると言えるのではないでしょうか。
ちなみに、DCMホールディングス傘下の5ブランドの累計は上表で合算すると、売上は4,676億円、店舗数は635店となります。また、直近1年間に利用したホームセンターの合計は25.7%で1位となります。DCMグループは影の人気No.1ホームセンターと言えるでしょう(2017年1月にケーヨーはDCM傘下となったので、それも含めれば断トツでNo.1と言えます)。
なお、地域別で見ると、”北海道、東北は「ホーマック」、北陸は「コメリ」、中部は「カインズ」、近畿は「コーナン(ホームセンターコーナン)」、中国、九州は「ナフコ(ホームプラザナフコ)」、四国は「ダイキ」が人気です。関東は「カインズ」「ケーヨーデイツー(D2)」「島忠・HOME’S」が各3割弱”となったそうです。
結局のところ、売上や店舗数など関係なく、近くのホームセンターが利用しやすいということなのかなーと思いますが、それだけでも説明しきれないところもあるようです。
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