一般的に収納では「ラベリング」をしたほうが良いと思われがちです。ラベリングとは、上写真のように容器の中身が分かりやすいように、ラベルに内容物を書き込んで貼り付けることですね。食品の容器のほか、引出しや箱、ファイル、書棚など、あらゆる場面で使われます。
しかし、私は家庭内においては基本的にラベリングする必要性は低いと考えています。
ラベリングのメリット&デメリット
メリット
なぜ私がラベリングについて否定的であるかを説明する前に、ラベリングのメリットについて考えてみたいと思います。
ラベリングのメリットは主に2つです。まず、誰が見ても内容物が分かるという、実用面のメリットが大きいと言えます。これは普段家事をしない旦那でも、子供の洋服をどこから出してどこに戻せば良いかが分かりやすいといったことが挙げられるでしょう。
次に、美しく見えるというメリットがあります。最近はむしろこの点のほうが重要視されていると言えるでしょう。「さとう」と書けば子供でも分かるところを「SUGAR」とラベリングしていることも多いからです。
デメリット
一方でラベリングにはデメリットもあります。まず、貼ることが面倒です。ただラベルシールにペンで書きこんで貼るだけなら手間は少ないですが、ラベルプリンターなどを使ってキレイに貼ろうと思えば手間もコストも掛かります。
次に、メンテナンスが面倒というデメリットがあります。内容物が変わればラベルを剥がし、新しいラベルを作って貼り直す必要が生じます。これは新規に貼るよりも面倒な作業です。
正しく収納すればラベリングは必要ない
そういった手間やコストをいとわず、見た目にこだわりたい場合はもちろんラベリングしたほうが良いに違いありません。しかし、まず片づけなければならないという状況の場合は、ラベリングすることで生じるメリットよりもデメリットのほうが大きくなってしまいます。
たくさんの人が働いている職場ならともかく、家族であれば「誰が見ても内容物が分かる」ということはあまり必要ではありません。また、いくらキレイにラベリングしても、そもそも片づいていなければ美しく見えないからです。
それよりも、正しく収納することにフォーカスしたほうが合理的と言えるでしょう。人別、モノ別にまとめて収納すれば、モノの管理が楽です。たとえば引出式衣装ケースに衣類を収納する場合は、上図のように感覚的にモノを配置すると、ラベリングしなくても把握しやすくなります。
誤解のないように申し上げますが、私はラベリングそのものを否定しているわけではありません。多くの人が働く職場では有効ですし、十分に片づいていればラベリングはインテリアの上級テクニックとして取り入れるべきだと思います。
一方で、片づいていない状況でラベリングありきで考えると、自分でハードルを上げて失敗するリスクが生じます。いくらキッチリとラベリングしてもモノが点在していれば、どこに何があるかを家族が把握するのは難しいです。それよりはまず正しく収納して、感覚的に分かりやすい配置を整えるほうが大切ではないでしょうか。
「ラベリングしていれば誰にでも分かる」というのは案外、その人の思い込みだったりします。ラベリングしていても伝わらないことは多々あります。
それよりも正しく収納して「ラベリングしない収納術」に努めたほうが、ユニバーサルデザイン(=言語や文化、老若男女、障害や能力の違いを問わずに利用することができる設計)だと言えるのではないでしょうか。
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