引出式衣装ケースには様々な奥行があります。押入れ用の奥行70cm前後、クローゼット用の55cm前後、リビングや寝室の壁面に置く40cm前後、カラーボックスと同等の30cm前後という薄型もありますよね。
ニトリでも上記に挙げた奥行の引出式衣装ケースは一通り揃っています。しかしながら、奥行45cm前後というサイズはこれまで手薄となっていました。いや、より正確に言うと、このサイズだけがオリジナルで固められていなかったという事実があります。
しかし、このたび満を持してオリジナル商品が投入される運びとなりました。「組合せ可能な収納ケースNS」という商品です。
※この記事は2023年9月19日時点の情報に基づいています(2023年12月21日一部更新)
ニトリ・組合せ可能な収納ケースNS
このたびニトリから発売された「組合せ可能な収納ケースNS」はイマドキのシャープなラインの引出式衣装ケースです。現状3サイズが用意されており、異なるサイズでも積み重ねることができるということが特徴のひとつとなっています。
サイズラインナップ
サイズ(mm) | 税込価格 | 収納可能枚数の目安 | |||
---|---|---|---|---|---|
Yシャツ | トレーナー | バスタオル | |||
幅26cm | 260×447×241 | 1,790円 | 5枚 | 4枚 | 3枚 |
幅39cm | 390×447×241 | 2,490円 | 8枚 | 6枚 | 6枚 |
幅52cm | 520×447×241 | 3,190円 | 12枚 | 8枚 | 8枚 |
※高さ24cmタイプの場合
組合せ可能な収納ケースNSは、幅26cm、幅39cm、幅52cmの3サイズが用意されています。幅26cmを基準にすると、それぞれ幅1.5倍、幅2倍という計算です。
奥行は約45cmという1サイズ。高さも約24cmという1サイズです。実際のところ、引出式衣装ケースでもっとも使いやすい高さはこれくらいなので、敢えて絞り込んだというところでしょうか。高さを揃えることで、異なる幅サイズを組み合わせて積み重ねやすいように設計しているとも言えると思います。
伸和でもライクイットでもなくサンカ
組合せ可能な収納ケースNSを初めて見たとき、そのデザインとコンセプトから、私は伸和の「プラスト」(上写真)のニトリ版かと思いました。奥行約45cmという点も同じです。
もしくは、ライクイット(吉川国工業所)という可能性も考えたのですが、いずれも違いました。やはりと言うべきか、「マルチ収納」や「引出しNインボックス」と同じくサンカが作っているようです。もちろん日本製です。
引出しの開閉は比較的スムーズ
そんなわけで、引出しの開け心地はマルチ収納とほぼ同じです。ストレスなく比較的スムーズに開閉することができます。引出しを閉めるときに軽く沈んでロックするような構造も同じです。
天板は柔い
また、天板の柔さもマルチ収納とほぼ同じ感じで、上から手で押すと容易にグニャリと凹みます。そういうこともあってか、天板耐荷重は表示がありません。
積み重ねたら下段は天板の丈夫さなんて気にする必要はないということなのかもしれませんが、最上段にモノが置けないのはかなり不便だと思います。
引き手が上下にあるのは便利
もっとも、マルチ収納は天板がたわむと引出しが開閉しにくくなるのですが、組合せ可能な収納ケースNSは引出前板の上に天板が乗る構造ではないため、天板がたわんでも引出しの開閉には影響がありません。
また、組合せ可能な収納ケースNSは上下に引き手が設けられており、上下どちらから手を挿し入れても引き出しやすいのは便利だと思います。天板が柔いという弱点もカバーしつつ、非常に優れたデザインだと言えましょう。
キャスターの取り付けが可能
組合せ可能な収納ケースNSは当初、キャスターが取り付けられるという情報がなく、また底面に「Nインボックス共通キャスター」(上写真)の軸よりも大きな穴しか見当たらなかったので、別に専用キャスターが用意されるものと考えていました。しかしながら、Nインボックス共通キャスターを問題なく取り付けできるということです。
サンカが作っているなら、共通化して当然ですよね。
「組み合わせて使える収納ケース」どうなる?
以上の通り、組合せ可能な収納ケースNSは割りと良くできた商品だと思うのですが、一方で気になることがひとつあります。それは既存の「組み合わせて使える収納ケース」(上写真)の存在です。こちらも奥行約45cmで、コンセプトも商品名も似ているからです。
この商品は以前からニトリで扱っており、売れ筋商品のひとつです。ただ、これはライクイット(吉川国工業所)のプロパーとまったく同じものなんですね。よって、粗利がたんまりと欲しいニトリとしては、サンカとの新商品に入れ替えていくことを画策しているのではないかと邪推しているところです。
無印良品対抗という見方も?
もしくは、ライクイットの組み合わせて使える収納ケースと併売することは計画通りとして、無印良品の「ポリプロピレン収納ケース 引出式横ワイド」(上写真)に対抗する商品を用意しただけかもしれません。冒頭でも述べた通り、ニトリの品揃えには奥行45cmの引出式衣装ケースが少なく、また幅が50cmを超えるものも「引出しNフラッテ」くらいしかないからです。
もっとも、無印良品の引出式横ワイド大が税込2,290円、組合せ可能な収納ケースNSの幅52cmが同3,190円ですから、競合すればニトリのほうが割高です。サイズバリエーションでも無印良品には敵いません。よって、無印良品を意識した可能性は低いと言えるでしょう。
というわけで、ニトリが組合せ可能な収納ケースNSを発売した真意は測りかねますが、これでますますニトリとサンカの結びつきが強くなったことは間違いないでしょう。ニトリでクローゼットサイズ以上の引出しは天馬、それ以下はサンカでガッチリ固められ、サイズラインナップに穴がなくなりました。
天馬とサンカとの結びつきを深めて、ますますニトリのテンカというところでしょうか(笑)
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