廊下にある押入れほどの奥行の物入れの収納方法のご相談が意外と多いです。私がお邪魔するクライアント宅でもっともご相談が多い場所かもしれません。一般的な押入れのように中段があるケースもあれば、中段がなく床から天井までがひとつの大きな空間であるケースもあります。
いずれの場合も、やはり押入れ同様に手前と奥に分けて収納することが基本です。
手前に長尺のモノ、奥はラックを置いて収納
ほかの場所と同様、スペースに合わせて収納することをまず第一に考えてはいけません。廊下の物入れに何を収めたいか、何を収めれば便利かをまず第一に考える必要があります。
廊下の物入れに収めたいモノと言えば、一般的には以下のようなモノが多いです。
- 掃除用具
- トイレットペーパーのストック
- 紐、ガムテープ、工具など
- 電球や電池のストック
- 使っていないキッチン用品
- 裁縫道具
- 思い出の品
- レジャー用品
以上のように小物から長尺のモノまであることが一般的です。そのような場合は、棚と引出しのコンビネーションが使いやすいと言えます。また、掃除機やフロアモップなどは使用頻度が高いため手前に収めるのが適切です。
そう考えると、物入れの奥側には背丈ほどのラックを置き、手前に掃除機を立て掛け、その横にキャスター付きのポリプロピレン製チェストを置くのがもっとも一般的なレイアウトとなります。
手前の壁面も有効利用しよう
手前側の掃除機の上などはスペースが無駄になってしまいますが、そこはあまり意識しないようにしましょう。手前まですべて活用しようと考えると長尺のモノを収めるのが難しくなりますし、結局は奥のモノには手が届きにくくなるからです。
その代わりに手前の空間で利用できるところは徹底的に利用するようにしましょう。上図の黄色い部分にフックなどを取り付けると、フロアモップなどを掛けることができます。反対側の面も同様に活用することができます。
長尺のモノがない場合は全面棚でもOK
掃除機やフロアモップなどの長尺のモノがない場合は、全面を棚にしてしまってもOKです。上図のように幅と奥行きが合うようなラックを置いても良いでしょう。ただし、サイズに無駄がないようにしようとすると組み立ててから物入れに設置することができません(間口のほうが狭いため)。組み立ててから設置しても問題ないサイズのラックにすると、無駄なスペースが生じてしまいます。
そういった問題を避けるためには、ダボレール(棚柱)を両側の壁に2本ずつ取り付けて、サイズが合うようにカットしたカラーボードなどの板材を組み合わせて可動棚を設けるという方法もあります。物入れの内壁が石膏ボードの場合は石膏ボード壁用取付パーツを使用します。ただしこのような棚を取り付ける場合は、ある程度DIYに自信がある方でないとオススメできません。
そのほか、つっぱり棚を設置する方法もありますが、あまりオススメはしません。複数取り付けると両側の壁が左右に広がってしまい、つっぱり棚が落下しやすくなるからです。
以上のように、押入れほどの奥行がある階段下収納や廊下の物入れの収納を改善するのはなかなか難易度が高いです。ただ、どんな方法を取るにしても一般的な押入れと同様に、手前と奥の2段構えで使うイメージが必要です。手前から奥まで一気に使おうとしてもあまり良い結果は生みません。
空間を無駄なく使うことを第一に考えると死蔵品を増やしてしまいがちなので、使いやすく収納することを心掛けましょう。
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