サーバーの更新は予定通り完了しました。ご協力ありがとうございました。

合理的なシューズクローク(シューズクローゼット)の間取りや広さについて考えてみた

当ブログは広告を掲載しています。詳細はこちら

ウォークインクローゼットに関しては10軒見たら1~2軒くらいはちゃんとしたものを見ることができるのですが、シューズクローク(シューズクローゼット)については「これは良い!」と思えるものに出会えた試しがありません。それは、ウォークインクローゼットの場合は、ちゃんとしたものを作れば基本的に良いこと尽くめで、特に問題なく間取りに組むことができるのに対し、シューズクローゼットは間取りに組み込むことが非常に難しいからだと思います。

今回はまず理想的なシューズクロークの広さを検討したうえで、間取りについて考えてみたいと思います。

※この記事は2015年3月30日時点の情報に基づいています(2023年8月3日一部更新)

 

シューズクロークの間口は1500mmが基本

シューズクローゼットの間口は1500mmが基本

シューズクロークをウォークイン構造を前提に考えると、通路幅600mmの左右にともにオープンラックの物置と下足置きを設けた構造とすることがもっとも合理的だと考えられます。また、物置の奥行は450mmあればほとんどのモノに対応可能と言え、靴も奥行300mmあれば問題なく収めることが可能でしょう。その場合、物置+通路+下足で合計1350mmとなり、壁厚を150mmとすれば、間口は概ね1500mmとして考えれば良いものと考えられます。

キリ良く間口を1800mmとする場合、通路は600mm以上にすることにメリットはありませんし、靴も奥行300mm以上必要ありませんから、物置の奥行を750mmとすることになります。ただこれは押入れの奥行に近い寸法ですので、置くモノによっては逆に使い勝手が悪くなりそうです。奥行750mmで使いやすくなるモノとしては、キャンプ用品やサーフボード、A型ベビーカー、三輪車、束ねたダンボール紙くらいだと思います。

間口を1500mmとした場合、上図で言う縦方向の長さはどれくらいが適切かと言うと、男女2名ずつの4人家族の下駄箱のサイズを基本として、1200~1500mm程度は欲しいところだと思います。

シューズクロークを用いない一般的な玄関

シューズクローゼットを用いない一般的な玄関

上図はシューズクロークを用いない一般的なサイズの玄関です。右手に4人家族で使用するのにちょうど良い1200mm幅の下駄箱。左手の赤線は無視してください。この一般的なサイズの玄関を基準にシューズクロークの間取りを考えていきたいと思います。

 

理想的なシューズクロークを間取りに取り入れた場合

理想的なシューズクローゼットを間取りに取り入れた場合

上図は、冒頭で紹介した理想的な寸法のシューズクロークを玄関横に配置した間取りです。一般的なサイズとは言え決して狭くない玄関に対して、シューズクロークが異常に大きく見えることがお分かりいただけるでしょうか?もちろん、シューズクロークの配置の仕方にはいろいろなパターンが考えられるので、もっとうまくやることも可能ですが、これだけ見ても一般的にシューズクロークを設けることが非常に難しいことが容易に想像できると思います。

2019/06/28追記:最近は上図のような構造のシューズクローゼットを備えたモデルハウスが増えています。ただ、シューズクローゼットも広いですが玄関もすごく広いです。旅館の玄関みたいになります。現実的なことを考えると、ちょっと難しいと考えるお宅が多いのではないでしょうか。

 

間口1800mmのシューズクロークを間取りに取り入れた場合

間口1800mmのシューズクローゼットを間取りに取り入れた場合

今度は間口(短辺)1800mmで、下足置きを1200mmから1500mmに拡大した、一回り大きなシューズクロークを配置した場合です。これくらい広いとシューズクロークが広々使えますが、ますます玄関が小さく見えますね。

ちなみに先ほどの場合もそうですが、ウォークスルー構造にしなければもっとレイアウトの自由度は高まるはずです。しかし、ウォークスルー構造にしないと玄関にサンダルを用意してシューズクロークで履き替えるという面倒が生じてしまいます。日常生活を犠牲にして収納を確保するなんて愚の骨頂ですね。しかし実際にはそういうシューズクロークが多いのが現状です。

 

シューズクロークではなく玄関にクローゼットを設けた場合

シューズクローゼットではなく玄関にクローゼットを設けた場合

シューズクロークではかなりの面積が必要になってしまうので、下駄箱と合わせて普通のクローゼットのようなものを置いた場合を考えてみましょう。シューズクロークをやめると、移動以外に使えない通路がなくなるため、非常にコンパクトになります。ただ、玄関入って両側にクローゼットと下駄箱のドアがあるという状態は非常に圧迫感があってインテリア的には最悪と言えます。

上図のような間取りはたまに一戸建てで見ることができます。階段下のスペースにクローゼットを設けていたりするのですね。便利ではありますがやはり見た目に微妙なのと、階段下のためちょっと使いにくい構造と言うことができます。

また、マンションなどで下駄箱の横にクローゼットが配置されているケースもあります。クローゼットと下駄箱を一面に配置するほうがインテリア的には得策と言えるでしょう。ただ、そうした場合はクローゼットが床の上となり、もともと置きたかった土の付いたようなモノを置くには適しません。また、玄関を上がったところのスペースを相当広く取る必要があります。

 

以上、合理的なシューズクローク(シューズクローゼット)の間取りや広さについて考えてみました。前回も述べたように、シューズクロークは土間の復権とも言える非常に良いものだと思いますが、実際に間取りに取り入れるとなると非常に難しいことを改めて認識することになりました。ただ、基本的には広さの問題なので、いかにしてそのスペースを捻出するかがポイントになりそうです。

また、一戸建ての場合は無理にシューズクロークを設けるのではなく、ガレージに物置を配置するほうが積み込みや積み下ろしのことを考えても合理的と言えるかもしれません

関連記事

土間収納に設けたパーフェクトな「ゴミ分別ステーション」をご覧あれ!
収納マンの新居の土間収納に設けたゴミ分別ステーションを紹介します。メインフレームはIKEAのイーヴァルで、ペットボトル、プラスチック、可燃ゴミはアスベルの「エバン密閉プッシュペール45L」に、缶びん、不燃ゴミ、牛乳パックはニトリの「Nインボックス」に分別しています。
納戸は広ければ良いってもんじゃない!「収納の多い家」に騙されないで
納戸は広ければ良いというものではありません。単純に広さを追い求めるのではなく、モノをストレスなくスムーズに出し入れできるように家具の配置や出入り口の位置を検討する必要があります。「収納の多い家」という売り文句に惑わされないようにシッカリと見極めましょう。
効率が良くて使いやすいウォークインクローゼットの新常識~II型レイアウト&間口一間幅
効率が良くて使いやすいウォークインクローゼットの新常識。わたくし収納マンとしてはII型レイアウト&間口一間幅がもっとも理想的ではないかという結論に達しました。デッドスペースが生じず、洋服をストレスなく出し入れできるはずです。
室内干しできる「ドライルーム」の間取りレイアウトについて考えてみた
ドライルームとは室内干し専用の部屋のことです。しかしながら一般的に狭いことが多い日本の住宅ではなかなか専用の部屋を設けることは困難です。そこで、家事動線やスペースなどを考慮したうえでドライルーム間取りレイアウトについて考えてみました。

コメント