かつてフロントオープンタイプのスタッキングボックスの代名詞はカインズの「キャリコ」でした。その後、ホームセンター各社の店頭で天馬の「カバコ」と山善の「フロック」がシェアを争う時代となり、さらにニトリの台頭とともに「Nフラッテ」もメジャー入りを果たしました。
私としてはこれまでキャリコvsカバコ、もしくはカバコvsフロックという視点で見てきましたが、JEJから「ロッキンポッド」が登場したあたりから関心が薄れてしまい(当時すでにカバコがシェアを確立していた)、カバコvsNフラッテという比較はしておりませんでした。でも、世間はそうではなかったようで、改めて私のズレっぷりを痛感しているところです。
というわけで今回は改めて、天馬のカバコとニトリのNフラッテを比較してみたいと思います。
※この記事は2023年5月30日時点の情報に基づいています(2023年7月28日一部更新)
カバコ vs Nフラッテ 比較
天馬/プロフィックス・カバコ
天馬の「プロフィックス・カバコ」は現在、多くのホームセンターでシェアを握っているスタッキングボックスで、2015年頃に発売されました。当時、スタックストーの「ペリカン」、カインズの「キャリコ」、サンカの「squ+フロック」が先行していましたが、カバコは扉が天板下にスライドインする構造が画期的でした。
なお、カバコの関連商品として引出しタイプの「プロフィックス・カバゾコ」があります。
ニトリ・Nフラッテ
ニトリのフラッテの発売時期は定かでないものの、2017年には販売されていました。途中、引出しタイプの追加や仕様変更を経て現在の「Nフラッテ」となっています。
ニトリは全国津々浦々に店舗展開していますから、Nフラッテはもっとも認知度が高いスタッキングボックスと言えましょう。
カバコのフタは天板下にスライドイン
先ほども少し触れた通り、カバコの最大の特徴は全面のフタが天板下にスライドインする構造にあります。Nフラッテのように跳ね上げ式ではないため、開けっぱなしでもフタが邪魔にならず、フルオープンの状態でも使えます。また、ヒンジ部分が摩耗してフタを開けた状態をキープできないということになる心配がありません。
カバコはキャスター取り付け可能
Nフラッテはキャスターの取り付けができません。一方で、カバコは別売のキャスターを取り付けることができます。比較的軽いものなのでキャスターの必要性はさほど感じませんが、数段重ねる場合はキャスターがあったほうが移動が楽だと思います。
カバコのほうがサイバリが多い
Nフラッテは幅3サイズ、高さは1サイズのみです。一方で、カバコは幅・高さともに3サイズが用意されています(ワイドは高さ1サイズのみ)。
ぶっちゃけ、こういうのは高さがあったほうが開口部が広くて洋服などの出し入れがしやすいです。また、分別ゴミ箱として使う場合にも高さがあったほうが様々なモノを入れやすくて良いと思います。
Nフラッテのほうがカラバリが多い
サイズバリエーションで劣るNフラッテもカラーバリエーションでは優位です。現在はパステルカラーを中心に全6色が用意されています。対して、カバコは全4色です。
耐荷重はニトリのほうが上?
Nフラッテの耐荷重は10kgまで、積み重ね可能段数は4段までとなっています。対して、カバコは4kg、3段までです(通常タイプの場合)。
ただ、個人的にはカバコのほうが丈夫だと思います。耐荷重の基準は各社で異なりますから、この点は単純に比較することは難しいでしょう。ちなみに、カバコのワイドタイプは天板にアルミ補強板が入っています。
Nフラッテはフタ別で購入可能
Nフラッテは本体のみ、もしくはフタのみで購入することもできます。フタがないと積み重ねることはできませんが、最上段ならフタなしオープンの状態で使うのも便利でしょう。また、壊れても交換できるので品質を気にする必要もないのかもしれません。
カバコは日本製、Nフラッテは中国製
Nフラッテは中国製ながら、品質は決して悪くありません。よく見るとバリが出ていることもありますが、実際に使ううえで支障となることはほとんどないでしょう。
一方のカバコは日本製。やはり安心感が違います。
価格はNフラッテのほうが安い
カバコ | Nフラッテ | ||||
---|---|---|---|---|---|
サイズ(mm) | 税込価格 | サイズ(mm) | 税込価格 | ||
スリムS | 300×400×220 | 1,280円 | ハーフ | 260×390×235 | 899円 |
S | 450×400×220 | 1,480円 | レギュラー | 515×390×235 | 1,290円 |
スリムM | 300×420×310 | 1,580円 | |||
M | 450×420×310 | 1,880円 | |||
ワイドM | 600×420×310 | 2,580円 | |||
スリムL | 300×420×410 | 1,880円 | |||
L | 450×420×410 | 2,480円 |
※カバコの価格はテンマフィッツワールドでのクリア色の場合(以下同)
それぞれサイズが異なるので単純に価格を比較することはできないものの、総じてNフラッテのほうが安いと思います。逆に、中国製で品質や機能で劣るNフラッテのほうがカバコよりも高かったら誰も買わないですよね。
ともあれ、Nフラッテ・レギュラーの本体+フタセットで税込1,290円、サイズが近いカバコのSサイズで同1,480円です。それほど価格差はなく、個人的にはカバコ一択で良いと思います。カバコのほうが圧倒的にサイズバリエーションも多いことですし。
引出しは悩みどころか
カバゾコ | Nフラッテ引き出し | ||||
---|---|---|---|---|---|
サイズ(mm) | 税込価格 | サイズ(mm) | 税込価格 | ||
30 | 300×400×220 | 1,980円 | ハーフ | 255×395×235 | 999円 |
45 | 450×400×220 | 2,280円 | レギュラー | 510×395×235 | 1,490円 |
60 | 600×400×220 | 2,980円 | |||
30深型 | 300×400×310 | 2,480円 | |||
45深型 | 450×400×310 | 2,880円 | |||
60深型 | 600×400×310 | 3,780円 |
カバコには引出しタイプの「カバゾコ」、Nフラッテには「引き出しタイプ」があるので、それぞれを組み合わせて使うこともあるでしょう。そこで念のため、それぞれのサイズバリエーションと価格を一覧にしてみました。
価格はNフラッテ引き出しのほうがカバゾコの半分くらいで済みます。一方で、サイズバリエーションはカバコのほうが多いです。引出しのスムーズさも日本製のカバコのほうがスムーズだと個人的には思います。カバコは引出しの持ち手が上下に付いているので、手を掛けやすいというのもメリットです。
よって、ここはどちらを重視するか悩ましいところだと思います。
というわけで、ニトリのNフラッテのほうがカラーバリエーションが豊富で価格が安いというメリットはあるものの、総じて天馬のカバコのほうが商品力が高いと思います。特にサイズバリエーションが豊富で収めたいモノに合わせてチョイスできる点と、天板下にスライドイン可能なフタの構造が素晴らしいです。
やはり収納グッズは耐久性が高く、使いやすいものがベスト。これくらいの価格差ならカバコ以外を選ぶ理由はほとんどないと思います。もっとも、基本的にこういうスタッキングボックスは万人にとって使いやすいというものではないので、その点はあらかじめご注意ください。
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