ウォークインクローゼットが自分で作れる!?白井産業「ポルターレ・クローク」

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洋服は寝室や子供部屋などに分散させず、衣裳部屋やウォークインクローゼットで1ヵ所にまとめて収納するのが理想です。洋服は1ヵ所にまとめて収納したほうが量を把握しやすく、増えすぎる心配がありません。また、あちこちを探し回る必要がなく、洗濯済みの衣類を各部屋に配達する必要もないからです。

とは言え、ウォークインクローゼットはまだあまり一般的とは言えないうえに、ウォークインクローゼットという名前は付いていてもほとんどが「なんちゃって」である現状、家の中のどこかの部屋を衣裳部屋にするというのが現実的な選択肢となります。

部屋を衣裳部屋にする場合、どんな収納家具を使えば良いかと言うと、いくつかの選択肢が考えられます。

どの方法も決して悪くないのですが、どれも一長一短なんですよね。IKEAのPAXワードローブは組み合わせが選べるとは言え、日本の狭い住宅では大きすぎると感じます。ルミナスラックはサイズバリエーションが豊富な一方、メタル感がイメージと違うという人もいるでしょう。じゃあ木質系ということで無印良品のパイン材ユニットシェルフはどうかと言うと、サイズバリエーションがないうえに品質的にもイマイチです。

もっとシンプルに、いかにもウォークインクローゼットみたいな感じにできるものがないものか…ということで登場したのが、白井産業の「ポルターレ・クローク」です。

※この記事は2017年3月16日時点の情報に基づいています(2023年8月31日一部更新)

 

白井産業「ポルターレ・クローク」

前述のような選択肢では「これじゃない」と感じた方も、組立家具メーカー大手の白井産業が放った新商品「ポルターレ・クローク」ならビビビッと来るのではないでしょうか。

ポルターレ・クロークは幅60cmと80cmの基本ユニットに加え、幅20~80cmまで1cm単位でサイズオーダーできる連結ハンガーパイプを組み合わせることで、お部屋にピッタリ合う洋服の収納スペースを作り上げることができます。

2023/08/31追記:現在はサイズオーダーできる連結ハンガーパイプは販売していないようです。

ただ正直言って私は最初、「国産のくせにホルムアルデヒド放散量F☆☆グレードの白井産業でしょ?」と思いました。しかし、この商品に関してはどういうことか、F☆☆☆☆グレード(最高ランク)のものを使っているのです。既に発売されているポルターレの壁面収納などはF☆☆☆☆ではないようなので、構造がシンプルなポルターレ・クロークはあまりコストを重視する必要がなかったということなんでしょうか。

大洋のCRシリーズに比べると設計が甘い

実はポルターレ・クロークのような商品は決して目新しいものではありません。以前に大洋がCRシリーズという同じようなコンセプトの商品を扱っていました。

残念ながらCRシリーズは僅か数年で廃番になってしまったようですが、CRシリーズが売れなかった原因は、ポルターレ・クロークのようにワードローブとワードローブの間にパイプハンガーを連結させるのではなく、棚と棚の間にパイプハンガーを連結させる構造だったからだと私は考えています。棚と棚の間にパイプハンガーを連結させる方法では、洋服掛けはメインではなくなってしまうんですよね。

その点で言うと、ポルターレ・クロークは売れる可能性があると言えますが、いくつかの問題点があります。

  • 奥行が短くて洋服を掛けにくい
  • 転倒の危険性がある
  • 強度面に不安がある

CRシリーズが奥行445mmであったのに対し、ポルターレ・クロークは394mmしかありません。一般的に洋服の肩幅は450mm程度を想定しないといけませんから、ポルターレ・クロークは寸足らずと言えます。実際、冒頭の商品写真をよく見ると、右から2番目のハンガーラックに掛けた洋服が斜めを向いているのが分かります。

奥行が浅いことは転倒の危険性も高めます。奥行445mmのCRシリーズに比べると、奥行394mmのポルターレ・クロークが倒れやすいのは間違いありません。それだけでなく、CRシリーズは高さ1800mmでしたが、ポルターレ・クロークは高さ2000mmですから余計に倒れやすいです。

寸法図を見ると、ポルターレ・クロークのハンガーパイプは真ん中よりも手前側に取り付けられており、手前に倒れるリスクが高くなっています。さらに、CRシリーズの場合は棚と棚にハンガーパイプを設ける構造でしたから棚にモノを置けば安定しましたが、ポルターレ・クロークは洋服掛けだけで構成可能なのでどうしても重心が高くなりがちです。

ポルターレ・クロークは強度面でも不安があります。ポルターレ・クロークは天板と背板の下部だけで両側板を繋ぎ留めているので、この構造だと洋服の重みで両側板が左右に開いてしまうのではないかと思います。

 

つまるところ、大洋のCRシリーズは安全性をマトモに考えたために消費者の理想とする形を実現できず売れなかった。他方で、白井産業のポルターレ・クロークは形だけ実現させたものの、安全性を疎かにしていると感じます。ポルターレ・クロークはもっと天板や側板を厚くし、台輪を付け、背板を補強する必要があると思います。また、ハンガーパイプの取り付け方も改めたほうが良いでしょう。

そう考えると、白井産業にポルターレ・クロークを作り直してもらうというよりは、大洋にCRシリーズの改良版を作ってもらいたいものですねー。

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