「効率が良くて使いやすいウォークインクローゼットの新常識~II型レイアウト&間口一間幅」のところでも少し触れましたが、今回はウォークインクローゼットの広さの適正値についてもう少し詳しく説明したいと思います。
女性=180cm、男性=90~120cmが基本
ウォークインクローゼットに限らず、クローゼットでもワードローブでも、洋服の量はパイプハンガーの幅にして女性で180cm分、男性で90~120cm分が適正値と言えます。女性でも男性でもオシャレが趣味のようになっている人の場合は倍程度のスペースが必要になる場合もありますが、一般的にはこれくらいの量を持つのが限界です。
逆に、普段はカジュアルな服しか着ない人や、普段着や作業着で出勤する人の場合はその半分程度のスペースでも足りますが、代わりにチェストが多めに必要になる傾向があります。また、子供のうちはそれほど多くのスペースは必要としませんが、いずれは大人同等かそれ以上に洋服を持つようになることを想定しておいたほうが良いでしょう。
4人家族のウォークインクローゼットの広さの適正値は3畳
前述の「女性で180cm分、男性で90~120cm分が適正値」ということを基準にし、また子供も将来的には大人同等の量の洋服を持つことを想定すると、夫婦と子供(男女それぞれ1名)の4人家族の場合は、180cm×2人+90cm×2人=540cmのパイプハンガーが必要になると言えます。そうするとこれは3畳のウォークインクローゼットが適正ということになるわけですね。
もちろん家族構成はそれぞれ違いますから、夫婦と女児2名の場合は3.5~4畳の広さのウォークインクローゼットが適正と言えますし、洋服がちょっと多いなと思うご家庭の場合は4畳程度の広さにしても良いと思います。ただしどのような広さであっても、以前にも説明した通り、間口は一間幅(180cm)でなければなりません。
「念のために」広くし過ぎないように注意
間口が一間幅であれば、普通の家で間取りを考えようとすると4畳よりも広くなることはまずないと思いますが、それでも「念のために」と思ってウォークインクローゼットを広めに取りたいと考える人もいると思います。しかしそれは一般的に言えばちょっとやりすぎです。
現状、マンションでも一戸建てでも家族の人数分の「女性で180cm分、男性で90~120cm分」のクローゼットを設けた間取りはほとんどありません。ですからウォークインクローゼットが3畳もあれば十分すぎると言っても良いくらいなのです。
一般的に収納スペースを広くしたらそれに合わせてモノが増えます。実際、片づけが苦手だからと言って収納スペースを増やしたお宅からの収納の相談はかなり多いです。収納スペースを増やせばそれに合わせてモノも増え、管理しきれない量になってしまうのです。
「過ぎたるは及ばざるが如し」というのはまさに至言。適正値を参考に、ウォークインクローゼットを広く取りすぎないようにしましょう。
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