持ち家でも石膏ボード壁にアンカーを打ってネジでウォールラックなどを取り付けるというのは抵抗があるものです。賃貸住宅ならなおさら難しいことでしょう。2cmくらいの穴を開ける必要があるので、パテで埋めて誤魔化すというわけにはいきません。
しかし、賃貸住宅の石膏ボード壁でも大きな穴を開けることなく、ネジで固定するタイプのウォールラックなどを固定できるという夢のようなDIYパーツがあったんですね!島忠ホームズで発見して、思わず買ってきてしまいました。
※価格および仕様はすべて2022/04/04現在
八幡ねじ・金具用石こうピン
商品名 | 金具用石こうピン |
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メーカー | 八幡ねじ |
JANコード | 4944825552664 |
入数 | 2 |
1つあたり耐荷重 | 9kg |
対応穴径 | φ4~10mm |
対応金具板厚 | 2~5mm |
材質 | ポリカーボネート、鉄(ニッケルめっき) |
製造国 | 中国 |
税込価格 | 415円@シマホ |
このたびシマホで購入したのは八幡ねじの「金具用石こうピン」というDIYパーツです。ネジの先端が手前側に突き出したパーツを付属の石膏ボード用ピン4本で固定して、そこにウォールラックなどをセットし、袋ナット状のパーツ(キャップ)で固定するというものです。
さしづめ、以前に紹介したダイソーで販売中の元林「ナットつき壁面シールフック」の石膏ボード版といったところでしょうか。
専用工具付き
パッケージには主にポリカーボネートでできた本体(2個)のほか、石膏ボード用ピンが10本(予備2本含む)、専用工具や取付位置の目安にするための補助シール2枚が付属しています。
袋ナットの厚みは約8mm
八幡ねじの金具用石こうピンは穴径4~10mm、板厚2~5mmの金具に対応しています。また、出っ張っているネジの径はM4です。
そのほかのサイズについては記載がありませんが、収納マンが実測したところ、壁に固定するベースの厚みが約2.4mm、袋ナット(キャップ)は約8mm、全体としては約12.8~15.8mmでした。袋ナットが割りと大きいので、取付可能なウォールラックは決して多くないと思われます。
補助シールって必要?
さて、実際に石膏ボード壁に取り付けてみましょう。まずは取り付けたい位置に補助シールを貼り、その上に本体の中心を合わせ、専用工具を使ってピンを半分ほど刺します。
補助シールはピンで仮止めしてから破って外すのですが、そもそも必要なのかという疑問があります。ウォールラックの2ヶ所のネジ穴の位置をマーキングしたいなら、大きな紙に穴の位置をチェックしてからマスキングテープなどで貼り付けたほうが正確でしょう。
また、専用工具も使いにくいです。ピンの頭がカチッとハマりそうでハマらず、頻繁にピンを落としてしまいます。
ピンを刺すときは力が必要なときも
金具用石こうピンを2ヶ所に取り付けた際、ひとつはすんなり刺さりましたが、もうひとつは硬くてなかなか刺さりませんでした。そんなときは専用工具では歯が立たないですから、金槌が必要になります。
ウォールラックが取り付けできた
ともあれ、とりあえず以前にセリアで購入した「インテリア・アイアンウォールラック」を金具用石こうピンで取り付けてみました。一般的な石膏ボード壁用フック(Jフック)でも取り付けできることを考えれば微妙ではありますが、悪くはない感じです。
壁からちょっと浮いてしまう
ただ、土台部分が約2.4mmあるので、この場合は上下とも穴を固定しないと、壁からちょっと浮いてしまいます。
耐荷重は一応9kg/個だが…
金具用石こうピンの耐荷重はひとつあたり9kg。今回のように2つ使えば耐荷重は18kgとなる計算ですが、2リットルのペットボトルを3本(=合計6kg)乗せただけでもすごく不安定です。これは耐荷重が怪しいというより、前述の通り4ヶ所留めしていないため手前に傾いてしまうからでしょう。
100均プラ箱でウォールシェルフ
100均のプラ箱に穴を開けて金具用石こうピンで壁に固定すればウォールシェルフに仕立てることもできます。
やはり手前に傾きやすい
ただ、この場合もベースの厚みによって壁から浮いてしまううえに、プラスチックは軟らかいので、ちょっと力が加わると手前に傾いてしまいます。せっかく耐荷重が9kgもあっても活かしにくいですねー。
ピンの痕はほとんど目立たない
ちなみに、ピンを抜いた痕はこんな感じ。さらに爪で押さえてやればほとんど目立ちませんが、かと言って完全に消えるわけではないのでご注意ください。
以上の通り、八幡ねじの金具用石こうピンは本来は木ネジで固定するしかないウォールラックなどを石膏ボード壁に取り付けられる画期的な商品ではあるけれども、一言で言うと使い勝手が微妙な商品だと感じました。
まず、台座の厚みが約2.4mmあるのでウォールラックなどが前に傾きやすい。その厚みを考慮して、下方にも同じ厚みのスペーサーをセットする必要があったのではないかと思います。もっとも、自分で薄い合板やフェルトでも用意して下駄を履かせれば良いだけかもしれませんが。
また、こんなに大きな袋ナット(キャップ)を使えるなら、一般的な石膏ボード壁用の鋲でも固定できることが多いように思います。しかもその場合は台座に厚みが生じませんし、価格も安く済みます。
個人的には、どうせ台座部分に厚みが生じるなら、雌ネジを壁側にしてくれれば良かったのになーと思います。当然、土台部分はさらに厚くなるでしょうけど、頭に出っ張りが生じない皿ネジが使えますから一般的なリモコンホルダーなども取付け可能になるはずです。八幡ねじでは従来から板付きナットを扱っているので、それを非貫通&石膏ボード対応にして、ついでに長さの異なる皿ネジをいくつかセットにしてくれればありがたいと思います。
アイディアは素晴らしいので、ぜひ更なるブラッシュアップを期待したい商品ですね!
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