先日、IKEA(イケア)がロシアからの撤退を決定しました。ロシアには26店舗もあったそうですから、損失は決して少なくなかったことでしょう。工場の売却なども含めると、ロシアだけでなく全世界に影響するはずです。日頃、IKEAのことは信用ならないと考える私も、この決断は素晴らしいと思いました。
それだけではありません。IKEAは常日頃から消費者はもちろん、従業員、環境に至るまで、様々な観点で正義を追求しています。その一環で、このたびIKEAのアイコン的な本棚「BILLY(ビリー)」がよりサステナブルになりました。
※この記事は2022年8月18日時点の情報に基づいています(2024年9月12日一部更新)
IKEAの新型「BILLY」
こちらが新しいビリーです。とは言え、IKEAでは新しい色が追加されるだけでも新商品として上がってくるので、リニューアルされたと気付かない人も多いと思います。IKEAはよりサステナブルになったと言いますが、一体どこがどう変わったのでしょうか。
突板をやめてプリント合板に
今回の変更点は主に2つあります。まず、これまでは表面材に天然木突板を使ったものがありましたが、すべて木目調のプリント合板(ペーパーフォイル)になりました。
組立家具で突板を使うのはIKEAくらいでしたから、個人的にはちょっと寂しい思いもあります。しかしながら、最近のプリント合板は私でも突板と見分けがつかないものもあるくらいなので、まったく問題ないと思います。
なお、以前の突板モデルは前縁も突板を使っていましたが、リニューアル後のプリント合板モデルの前縁はプラスチックです。さすがIKEA、とってもサステナブルですねー。
鉄釘をやめて樹脂製スナップに
もうひとつの変更点は背板の留め方です。これまでは鉄釘を計18本打つ必要がありました。下穴が開いていないので大変でしたよねー。
リニューアル後は下穴が設けられており、雌雄の樹脂製スナップで固定するかたちとなっています。これなら組み立ての手間が大幅に改善されることでしょう。しかも、豊富な石油資源を使うのでサステナブルです。
なお、今回のリニューアルは木目調の3色(税込10,990円)のみで、ホワイト色(同8,999円9,990円)に関してはこれまで通りの仕様です(いずれも80×28×202cmサイズの価格)。ですが、おそらく遠からず新しい仕様に切り替えていくことになるのではないでしょうか。価格もシレーッと実質値上げしてくると思います。
ともあれ、今回の変更はとても合理的だと思います。特に背板を釘で打って留めるというのはヨーロッパ家具では普通のこととは言え、多くの日本人にとってはあり得ないことだったので、組み立てが楽になると思います。
細くて抜けやすい釘から太いスナップに変わることで背板が外れる可能性も少しはマシになるかもしれませんね。「ゲルスビー」や「フィンビー」も同様にリニューアルされることを望みます。
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