ニトリの突っ張りワイヤーシェルフ「Nポルダ」が発売されてからもうすぐ3年が経ちます。当初より無印良品の「スチールユニットシェルフ」のライバルになるかもしれないと思っていましたが、テレビCMの効果もあり、ニトリの定番商品のひとつに育ちました。
ラインナップも次々と増え、無印良品にラインナップで劣るという当初の弱点も克服されつつあります。このたびまたNポルダの関連パーツが追加されたので、この機会に改めてNポルダの人気の秘訣を徹底的に分析してみたいと思います。
※この記事は2023年6月30日時点の情報に基づいています(2024年11月7日一部更新)
ニトリ・ワイヤーシェルフNポルダ
ニトリのNポルダは2020年秋に発売されました。Nポルダは無印良品のスチールユニットシェルフと同様に側面がスチール製のラダー状ワイヤーフレームで、そこに棚板を乗せる構造という点が似ていると言えます。
Nポルダがここまで人気になった理由は主に2つ考えられます。まずひとつは、無印良品と違って最初から天井突っ張りパーツが付いており、転倒防止策を講じることができること。そしてもうひとつはコスパの良さ。発売当時は天井突っ張りパーツが付いていて無印良品とほぼ同じ価格で、2023年1月に無印良品がスチールワイヤーシェルフなどを値上げしてからもニトリは価格を据え置いているため、相対的にさらにコスパが良いと感じられている可能性があります。
無印良品との違い
ニトリ | 無印良品 | |
---|---|---|
商品名 | Nポルダディープ | スチール棚セット・ワイド大 +つっぱりパーツ大 |
サイズ | W985×D425 ×H2200~2600m |
W860×D410 ×H2060~2280mm |
全体耐荷重 | 50kg | 100kg |
棚板1枚あたり耐荷重 | 10kg | 30kg |
棚板ピッチ | 110mm | 180mm |
棚板 | 5枚 | 5枚 |
税込価格 | 14,990円 | 24,480円 |
カラー | 2色 | 1色 |
※価格および仕様はすべて2024/11/07現在
Nポルダの発売当時は奥行約30cmサイズのみでしたが、現在は奥行約40cmの「Nポルダ ディープ」、さらに奥行20cm弱の「Nポルダ スリム」があります。無印良品は奥行約25cmと約40cmの2サイズ展開となっているため、奥行約40cmサイズで比較してみたいと思います。
Nポルダなら普通に天井まで突っ張れる
Nポルダは標準のセットで一般的な天井高2400mm前後に届く高さがあります。一方で、無印良品は標準のセットではつっぱりパーツ大を取り付けてもそこまで届きません。特大の帆立を含む組み合わせで天井高2400mmに届く高さにすると税込27,790円となり、Nポルダの2倍近く(約85%増)になってしまいます。
無印良品のほうが耐荷重は大きい
全体耐荷重については無印良品のほうがNポルダの2倍で、数字を見る限りは無印良品のほうが頑丈と言えます。棚板1枚あたりに関しても無印良品はNポルダの3倍です。ただし、このあたりはメーカーによって基準が異なるので一概に比較はできません。強いて言うと、Nポルダは棚板をラダーフレームに乗せるだけなのに対し、無印良品は棚板をネジで固定する構造のため頑丈と言えるところはあると思います。
一方で、Nポルダの棚板は無印良品と違ってネジで固定する必要がないため、棚板の高さ調整が容易と言うこともできます。
棚板ピッチはNポルダのほうが狭い
棚板ピッチはNポルダが110mm感覚なのに対し、無印良品は180mmピッチです。無印良品のほうがラダーの間隔が広くてスッキリ見える半面、Nポルダのほうが無駄なく収納できると言えるでしょう。ただし、無印良品には棚板ピッチを半分にできる「高さ調整金具」というパーツもあります。
価格はNポルダのほうが安い
価格はNポルダのほうが安いです。前述の通り、2400mmの天井まで届く高さにしようと思えばなおさら、Nポルダのほうが割安です。
Nポルダは2色展開
また、無印良品はステンレスユニットシェルフという選択肢もあるものの、スチールのほうはライトグレー1色のみ。対してNポルダはホワイトウォッシュとミドルブラウンの2色が用意されているため、インテリアに合わせて選びやすいと言えます。
Nポルダ ラインナップ
以上の通り、シェルフ単体を比較するとNポルダのほうが優位と言えるのですが、一方でNポルダは無印良品に比べてサイズバリエーションやオプションパーツが少ないことが弱点でした。しかしながら、それも過去の話となりつつあります。まだまだ無印良品には及ばないと言えるところもあるものの、Nポルダ独自のパーツが増えており、決して劣勢とは言えなくなってきています。
以下、Nポルダの現在のラインナップ一覧です。なお、2連セット、3連セット、関連商品との組み合わせセットは数が多いので省略しています。
奥行約30cmタイプ
セット単品
ワードローブは幅80cmと同じ幅です。ちなみに、幅全体は96.5cm、棚板の幅は81cmです。奥行約40cmのディープとは微妙に幅が違うからややこしいです。
追加セット
追加セットには幅80cm用がないので、幅80cmを連結する場合は2連セットや3連セットを買うのが良さそうです。もちろん、追加サイドパーツと追加棚板を購入するという方法もあります。
追加サイドパーツ
上段追加ユニット
天井高が210cmよりも高いときにもう1段棚板を追加できる「上段追加ユニット」が新登場。ラダーフレーム1枚につき1つ必要です。もちろん棚板も追加で必要。ブラック色もあります。
壁寄せTVユニット
追加棚板
幅40cm用 | 幅60cm用 | 幅80cm用 |
追加棚板 奥行ハーフ 幅80cm用 | 幅80cm用グレー | |
L型コーナー用追加棚板 拡張タイプ80cm幅用 |
L型コーナー用追加棚板60cm幅用 | L型コーナー用追加棚板80cm幅用 |
スチール棚板
無印良品ライクなスチール製の棚板が新登場。現状は幅80cm用のみですが、ブラックのほか、ホワイトもあります。価格は木製棚板の2倍近くになります。
パンチングボード
こぼれ止め
引出し
ネット
奥行約40cmタイプ
セット単品
幅23cmのすき間収納タイプが発売されたのは驚きました。キッチンや洗面脱衣所に置くのに良いかもしれません。ディープはもっと幅を増やして欲しいですね。この点が無印良品と比べると不利に感じます。
追加セット
追加ユニット
上段追加ユニット
追加棚板
スチール棚板
追加バスケット
追加ボックス
こぼれ止め
引出し
奥行約30cm&約40cm共通アイテム
別売クロスバー
ディープに取り付け可能なのは幅80cm用のみです。幅40cm用と60cm用は奥行約30cmサイズのみ対応となります。
ストッパー
その他
新登場の「マグネットがつけられるプレート」はスチールユニットシェルフのサイドパネルのような商品です。これはマグネットボードとして、本の倒れ止めとして、目隠しとして、様々な目的で使えそうです。
突っ張りパンチングボード等
Nポルダシリーズにはパンチングボード関連のアイテムも充実しているのですが、互換性が分かりにくいのが難点です。そもそも奥行約30cm用と約40cm用共通で使えないようなものは、かえって混乱を招くだけのような気がします。
奥行約20cmタイプ
セット単品
2024年11月に奥行約20cmのスリムタイプが追加されました。奥行約30cmタイプおよびディープと共通で使えるパーツもあるはずですが、今のところ案内がありません。別売棚板も用意されていない状況です。今後に期待しましょう。
今回は2連セットや3連セットなどは省略しましたが、これらも含めるとラインナップは相当多いです。しかしながら、逆に多すぎて全体像が掴みにくくなっているきらいがあると感じます。ニトリネットのNポルダのページを見ても、奥行約30cmと約40cmがごちゃ混ぜになってるのでややこしい限りです。
ともあれ、こうやって整理してみると、意外とラインナップが少ないと感じる人もいるのではないでしょうか。特に奥行約40cmのディープのサイズバリエーションが物足りないです。ここが充実しない限りは無印良品と互角に戦えそうにありません。
しかし、ニトリも同様の考えはあると思います。ただ、Nポルダは奥行約30cmで無印良品の奥行約40cmよりも薄くて圧迫感が少ない点も支持されていると考えられます。だから思ったように奥行約40cmの需要が伸びず、サイズラインナップを増やすのを様子見しているのでしょう。
今後、Nポルダはどのように進化していくのでしょうか。とても楽しみですね。
コメント