我が家ではIKEA(イケア)の「ロースコグ・ワゴン」もどきを使っています。
ぶっちゃけ私はそれまでワゴンの必要性について懐疑的でした。クライアント宅で役に立っていることよりも邪魔になっていることのほうが圧倒的に多かったからです。
でも、これが使ってみると意外に便利。収納物がサッと手に取れるうえ、何が入っているか分かりやすく、移動が容易で補助テーブルとしても使えるからでです。
我が家で使っている「もどき」ですら便利なのですから、本家のロースコグワゴンが売れているのも納得です。ちなみに、2012年4月の発売以来、日本国内だけでも累計260万台以上(2024年10月末時点)も販売されたということです(出典:IKEA)。
そのロースコグワゴンが2025年1月1日からリニューアルされることになりました。どこがどう変わったのか、チェックしてみたいと思います。
※この記事は2024年12月30日時点の情報に基づいています
IKEA・【新】ロースコグワゴン
こちらが新しくなったRÅSKOG(ロースコグ)ワゴン(ラージ)です。パッと見た感じだと、旧モデルとの違いに気付く人は少ないと思います。
以下に主な変更点をまとめたうえで、詳しく見て参りましょう。
- キャスターにロック機能を追加
- フットベースの接続部がなくなり単一部品に
- 梱包サイズが約50%コンパクトに
- 新色グレーブルーを含む5色展開に
- ロースフルトをロースコグ(スモール)に改名
- ロースコグ(スモール)の高さは61cmに
- 天板ホーグスマはノルオーヴァに改名
キャスターにロック機能を追加
まず、4つあるキャスターのうち2つがロック機能付き(ストッパー付き)に変更されています。これまでは体をぶつけると、意図せず移動してしまうことがあったと思いますが、ストッパーを掛けることでより安全に使えることになります。
ちなみに、プレスリリースでは触れられていませんが、キャスターの根元はシングルナットに変更されており(ナット2つ→1つ)、組み立てがより簡単に改良されています。ただし、シングルナットになったことでアジャスターとしての機能は失われたと考えられます。
フットベースの接続部がなくなり単一部品に
組み立てが簡単になったと言えば、フットベースもそうです。旧仕様ではL字型の部品を2つ繋ぐ必要がありましたが(上図)、1本のパイプを曲げた単一部品に変更されています。
これはおそらく、1台の機械で複雑な曲げ可能ができるようになった技術の進歩が背景にあると考えられます。
梱包サイズが約50%コンパクトに
旧仕様 | 新仕様 | |
---|---|---|
幅 | 31cm | 34cm |
高さ | 29cm | 15cm |
長さ | 43cm | 46cm |
体積 | 38,657cm3 | 23,460cm3 |
重さ | 7.22kg | 6.83kg |
今回のリニューアルを機に梱包サイズも改良され、約50%コンパクトになったということです。実際にパッケージの体積を計算したところ、約40%ダウンというのが正確なところですが、持ち帰りが楽になるとともに、輸送に伴う二酸化炭素排出量を削減できるのは間違いないでしょう。
少し軽くなっているのは梱包材の量が減っていることが影響していると考えられます。
新色グレーブルーを含む5色展開に
旧仕様はイエロー、グレーグリーン、ターコイズ、ブラック、ホワイトの5色展開でした(2024年12月現在)。新仕様では新色グレーブルーに加え、ホワイト、ブラック、グレーグリーン、ベージュイエローの全5色となっています。ターコイズに代えてグレーブルーが投入されるとともに、イエローがベージュイエローに変更されたかたちです。
ロースフルトをロースコグ(スモール)に改名
これまでロースコグワゴンよりも小型のサイズとして「RÅSHULT(ロースフルト)」という姉妹商品がありました。ロースフルトは2017年9月から販売が開始され、約7年間で国内で累計94万台以上が販売されるヒット商品になったものの、知名度がロースコグに劣るという悩みがあったのでしょうか。このたび「ロースコグ(スモール)」に改められました。
カラーはラージと同じ5色展開。キャスターのうち2つはロック機能付き、フットベースが単一部品に変更というのも同様です。梱包サイズも体積比で約23%圧縮されました。
ちなみに、今回の改名と同時に、「LOSHULT(ロスフルト)」というパイン材のワゴンが発売されています。ややこしいですね(苦笑)
ロースコグ(スモール)の高さは61cmに
ロースフルトはイケアジャパンの要望により、日本の住環境に合わせて開発された商品です。テーブル下に収まるように設計されたはずですが、ツメが甘かったのでしょうか。高さが65cmあったため、日本で一般的な高さ68cmのテーブルの下に収まらないという問題を当初から抱えていました。
そこで今回のリニューアルに際して、高さを61cmに変更。これで多くのテーブルやデスクの天板下に収まるサイズとなりました。同時に、バスケットの高さを低くすることで(9cm→7cm)、収納物の出し入れがしやすいように配慮しています。
天板ホーグスマはノルオーヴァに改名
今回のリニューアルを機に、ロースコグワゴンの天板として使える「HÖGSMA(ホーグスマ)」が「NORRÅVA(ノルオーヴァ)」に改名されています。
より正確に言うと、サイズが微妙に変わるとともに、塗装がオイルからウレタンおよびラッカーに変更されています。また、ホーグスマは「まな板」という扱いでしたが、ノルオーヴァはあくまで「ふた」です。よりワゴンの天板として扱いやすい塗装方法に変更したと言えましょう。
なお、従来品と同様に、ノルオーヴァはラージ用とスモール用の2サイズが用意されています。
価格はアップ
旧仕様 | 新仕様 | 値上率 | |
---|---|---|---|
ラージ | 3,999円 | 4,299円 | 7.5% |
スモール (旧・ロースフルト) |
2,999円 | 2,999円 | – |
以上がIKEAのプレスリリースに書かれている主な変更点ですが、実はほかにも変化が見られます。それは価格です。
ロースコグワゴンのラージサイズは税込3,999円から同4,299円に約7.5%アップしています。ただ、キャスターがストッパー付きに変更されているなど改良されていることなどを踏まえると、改悪とは言えないでしょう。
スモールサイズについては価格が据え置きとなった一方、小さくなったということを考慮すればステルス値上げだと言うこともできるかもしれません。しかし、デカけりゃ良いというものではないですよね。よりコンパクトになりテーブルやデスクの下に収めやすくなったメリットは決して小さくないと思います。
なお、別売の天板(ノルオーヴァ)は従来のホーグスマと同じく、ラージ用が税込1,100円、スモール用は同1,000円です。
というわけで、リニューアルされたIKEAのロースコグワゴンの主な変更点を紹介しました。
個人的には円安や諸々のコスト増を考えれば、可処分所得が一向に増えない日本人のためにイケアジャパンはかなり頑張ったと思います。ネガティブに捉えるべき点は見当たりません。これからも好調なセールスが期待されることでしょう。
一方で、日本にはニトリという天敵がいます。ニトリの「トロリ」および「トロリ・コンパクト」はロースコグとほぼ同じ価格で、バスケットの高さが容易に変えられるとともに、オプションパーツもいくつか用意されています。ぶっちゃけ、ニトリ相手だと厳しいかなーというのも正直なところです。
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