最近は本棚を必要とする人が減ったように思います。電子書籍がリアルな本の需要を奪っていることは間違いないですが、それよりも動画やネット記事、SNSの閲覧に時間の消費がシフトした影響のほうが大きいんじゃないでしょうか。
一方で、コミックスはコレクション的な要素があるのに加え、家族や友人とシェアしたいというニーズが強いようです。そのためか、コミックス用の薄型本棚の需要は底堅いと感じます。
ただ、薄型の本棚は地震などで倒れる心配があります。転倒防止具を使うというのもひとつの方法ですが、ベルメゾンの新商品はいかがでしょうか。
※この記事は2025年2月6日時点の情報に基づいています
ベルメゾン・座れる本棚
このたびベルメゾンから発売された「座れる本棚」はその名の通り、本棚の手前側がベンチ状になっていて、そこに腰を掛けて本を読むことができるというものです。本棚そのものは奥行27cmであるものの、下台は奥行が60cmで安定感があります。
ベンチの下にはキャスター付きのワゴンが収まっており、本以外のモノを収めるにも便利です。また、ワゴンを引き出してベンチ部分をローデスクとして使うこともできます。ちなみに、ベンチ部分は強化プリント紙で仕上げられているので、耐摩耗性にも優れています。
棚板は15mmピッチとなっているのに加え、棚板1枚あたりの耐荷重は20kgと上々。本好きも納得の仕様と言えるでしょう。幅60cmと90cmの2サイズ、ホワイトとナチュラルの2色がラインナップされています。日本製。
ディノス・ベンチブックシェルフ
面白い商品が発売されたと思っていたら、実はディノスのほうが先でした。「ベンチブックシェルフ」は少なくとも2015年には発売されていたようです。
こちらも本棚の手前側がベンチになっており、そこに座って本を読むことができます。奥行25cmの本棚に対し、下台の奥行は57cmです。
ベルメゾンと異なる点は主に3つあります。まず、ディノスのほうはワゴンではなく引出しです。フルスライドレールを装備しているのに加え、ローチェストの上に本棚をドッキングさせた構造となっており丈夫と言えます。
また、ベンチ部分の天板はメラミン化粧板仕上げ、前板にはカラーにより熱硬化性樹脂成形シートなどが使われているなど、ハイスペックな仕様となっています。
さらに、高さサイズオーダー対応の上置きが用意されています。転倒防止策が二重に講じられていると言えるでしょう。幅は39.5cm、78cm、116.5cmの3サイズ、カラーはホワイト、メイプルナチュラル、ダークブラウンの3色が用意されています。なお、こちらも完成品の日本製です。
総じてディノスのほうがハイスペックですが、ベルメゾンの幅90cmタイプが税込69,900円なのに対し、ディノスは幅78cmタイプで同66,900円。ワゴンや棚板ピッチなどニーズによってはベルメゾンのほうが良いという方はもちろんいらっしゃるでしょうけど、コストから見るとディノスのほうがパフォーマンスが良いと思います。
ニトリ・ベンチ付きラック
ニトリもネット限定ながら2024年12⽉中旬から「ベンチ付きラック」を販売しています。こちらはディノスのベンチブックシェルフにやや近い感じで、ベンチの下は引出しになっています。加えて、本棚の最下段にも引出しが付いています。
また、ベルメゾンもディノスもオープンタイプだけですが、ニトリはフラップ扉が付いたタイプも用意されています。前板は強化紙化粧ということで、おそらくベンチ部分の天板も同様でしょう。完成品ですが、製造国は不明です。以前ならニトリでも完成品の箱物は日本製が多かったですけど、最近はベトナム製が増えていますからねー。
それはさておき、ニトリも高さサイズオーダー対応の上置きが用意されています。幅は80.5cmと120.5cmの2サイズ。カラーはホワイトウォッシュとミドルブラウンの2色です。
幅80.5cmのオープンタイプで税込59,990円ということですから、ベルメゾンやディノスより安いです。特に引出しがたくさん欲しいという方にとっては魅力的と言えるのではないでしょうか。
ベルメゾン・デスクにもなるヌック本棚
ここまで紹介したベンチ付きの本棚はベンチに座れる部分の奥行がいずれも30cm程度です。腰を据えて本を読むことができるというほど奥行は深くありません。
その点、ベルメゾンの「デスクにもなるヌック本棚」なら胡坐をかけるほどのスペースがあります。最近はヌックを設けてそこに本棚を置くというのがトレンドになっていますが、こちらは本棚にヌックを付けたような感じですね。
ヌックの床下にはキャスター付きのワゴンが収まっており、ワゴンを引き出すことでロータイプのユニットデスクのように使うこともできます。狭いところが落ち着くという方にとっては悪くない選択肢かもしれません。
ベルメゾン・デスクにもなる収納ベンチ
ベンチ付きの本棚やヌック本棚には違和感を覚えるという場合は、ベルメゾンの「デスクにもなる収納ベンチ」と「自由に組み合わせができるユニットシェルフ」の組み合わせが良いかもしれません。奥行と高さが揃っているので並べて使用することができます。
シェルフは4段まで積み重ね可能。奥行が40cmあるので、薄型のコミックラックに比べて倒れる心配が少なく、ベンチ座面の奥行もゆったりです。
タイ製で組立式のため価格も比較的手頃(税込8,990~19,900円/ユニット)。圧迫感がなく、可搬性が高いのもメリットと言えるでしょう。
正直なところ、個人的には本はちゃんと椅子に座って読みたいので、こういった特殊な本棚にはあまり魅力を感じません。しかしながら、地震対策としてはメリットがあると思います。
また、それよりも近年トレンドとなっている推し活のほうがニーズに適うかもしれません。ベンチに座ってコレクションを眺めたり、奥行が深いベンチ部分に大きなコレクションを並べることもできるからです。
ニーズは人それぞれ。切り口次第で家具メーカーにはまだまだチャンスがあると思います。
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