不動産業を営むクラスコが、入居者が用途に合わせて自由に棚を組み替えられる賃貸住宅「SHELFREE(シェルフリー)」をリリース。石川県金沢市の2軒のワンルームマンションで既に導入済みとのことです。
※この記事は2016年12月6日時点の情報に基づいています
家具付きじゃなくて棚付きは微妙!?
家具・家電付きのワンルームマンションが十分に周知されている中で、棚が付いているだけの物件なんて微妙…なんて思っていないでしょうか。私はむしろこの棚付きワンルームマンションのほうが魅力的に思います。
以前にもチラッと話しましたが、私は以前にルミナスラック付きの部屋を提案したことがあります。ルミナスラックなら住人のニーズに合わせて自由に組み替えできますし、クローゼットを設ける必要もなくてコスト削減に繋がるからです。一時は本気で賃貸物件のオーナーに提案して回ろうかと思ったほどですが、労力の割りに得られる対価が少ないと判断して見送ったという経緯があります。
クラスコが提案するシェルフリーは頑丈なルミナスラックとは対極にあるヤワなパイン材の棚です。しかし、パイン材なら安価で導入がしやすいですし、汚れても交換がしやすいと言えます。また、部屋の大きさに合わせて棚板をカットすることも容易です。そういうメリットがあるからこそ、パイン材を使っているのでしょう。
既にシェルフリーが導入されている物件のスペックも見てみましたが、家賃は決して高いとは思えません。それなのに棚付きというのは、オーナーにとっても入居者にとってもメリットと言えるでしょう。
40万通りの組み合わせが可能な自在棚
居室にはメインフレームが備え付けられており、無垢のパイン材を使用した「スタンダードパネル」11枚と、スタンダードパネルにハンガーパイプが付いていて洋服などを掛けることができる「ハンガーパネル」3枚、スタンダードパネルよりも奥行きが広くてデスク天板として使える「デスクパネル」1枚が付属します。これらを組み合わせると、なんと40万通り以上のバリエーションを実現することができるのです。普通の「家具付き」ではこんな芸当はできません。
ワンルームマンションに住む独身者なんて、ほとんどは学校や仕事が終わったら、帰ってメシ食って風呂入って寝るだけでしょう。休みの日は出掛けることも多く、家で寛ぐなんてことは少ないかもしれません。それでもライフスタイルは様々で、デスクが欲しい人もいれば、洋服が多い人もいますし、ゲームや映画を楽しむために大画面のテレビを置きたい人だっているはずです。つまり、大雑把に言えばライフスタイルは単調でも、そこで必要なモノは住む人によってまったく違うわけです。
それなのに、通り一遍の家具付きの物件で満足することなどできるでしょうか。できないわけです。むしろ備え付けの家具が邪魔になる可能性すらあります。でも40万通り以上の組み替えができれば、自分が収納したいモノに合わせてシェルフリーの棚をアレンジできるわけですね。
壁に固定された棚なら、地震が起こっても安心です。部屋の大きさに合わせて家具を選ぶ必要もなく、引越しの際に家具を運ぶ必要もなければ、今まで使っていた家具が新居に合わないなんてことも起こりません。クローゼットの前には家具が置けないなんてこともありません。メリットだらけです。
賃貸物件オーナーにとっても初期投資を抑えることができます。クローゼットの扉を設けるよりもシェルフリーのほうが安く上がるでしょう。しかも特徴のある物件としてアピールすることができます。
どうも時代がようやく私に追いついて来たようです(笑)住まい手のことを本気で考えれば、シェルフリーのような物件はもっと既にあっておかしくないはずなのですが、これから徐々にこういう物件が増えていくのでしょうか。
コメント