常温で一晩寝かせたカレーのウェルシュ菌で食中毒!時短家事への警鐘?

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鍋に入ったカレー・イメージ

昨日、衝撃的なニュースがありました。

「一晩寝かせたカレー」食中毒ご注意 ウェルシュ菌増殖(朝日新聞DIGITAL)

都内の幼稚園で、前日に作ったカレーを一晩常温保存して翌日に提供したところ、園児と職員が「ウェルシュ菌」による食中毒になったという件です。

ちょうど前日に我が家はカレーを食べたところだったので他人事とは思えませんでした。もっとも、我が家はいつも作ってすぐに食べ切ってしまうのではありますが…。

※この記事は2017年4月12日時点の情報に基づいています

 

常温で一晩寝かせたカレーに繁殖しやすいウェルシュ菌

今回食中毒を引き起こしたウェルシュ菌というものはなかなか厄介な菌のようです。

ウェルシュ菌は人や動物の腸管内や土壌、下水などに存在。肉や魚、野菜などの食材にも付着し、体内に大量に取り込まれると、食中毒を引き起こす場合がある。

引用:朝日新聞DIGITAL

ウェルシュ菌は空気が嫌いな細菌のため、粘性の高い煮込み料理を寸胴鍋で作ると、鍋底の酸素濃度が低くなるためウェルシュ菌の好きな状態に!酸素の少ない”鍋底”近くでは増殖します。

引用:SARAYA

ウェルシュ菌の中には「芽胞(がほう)」という殻のような状態になるものがある。熱に強い芽胞は、100度で60分間熱しても死滅しないとされる。そのため、調理の際に煮沸してもウェルシュ菌が残り、その後増殖して食中毒を引き起こす可能性がある。

引用:朝日新聞DIGITAL

「カレーは一晩寝かせたほうが美味しい」とはよく言われることです。また、カレーのように味の濃いものは腐りにくいと言われています。さらに、菌が繁殖しても十分に加熱すれば滅菌できると考えている人は少なくないはずです。

ところが、ウェルシュ菌は酸素の届かない鍋の底のほうで繁殖し、いったん繁殖すると100度で60分加熱しても死滅しません。つまり、ウェルシュ菌が繁殖する前に手を打つ必要があるのです。

具体的には、底の浅い容器に小分けにして手早く冷まし、常温ではなく冷蔵または冷凍保存するのが適切ということです。

 

作り置きなどの家事時短テクは危険かも?

しかしながら、大量に作ったカレーなどを小分けにして冷蔵保存しようとすると、鍋のまま放置するのに比べて非常に手間が掛かります。小分けにするだけでも面倒なのに、それを冷まし、冷蔵または冷凍して、食べるときにはまた温めて、容器を洗う必要があります。

今回問題となったカレーに限らず、食中毒を引き起こす可能性がある菌は様々な状況で繁殖する可能性が考えられます。ノロウィルス、サルモネラ菌、腐敗菌などは冷凍しても少なからず生き残るそうです(参考:長崎県)。

ノロウイルスは85℃以上で1分間、サルモネラ菌などの食中毒菌の多くは75℃以上で1分間加熱することでほとんど死滅するそうですが(参考:ニチレイ)、作ってすぐに食べるよりも作り置きしたほうが時間の経過とともに食中毒のリスクは高まると考えられます。

そのように考えると、作り置きをしたり、食材を下ごしらえして冷蔵庫で保管するというのは、かえって手間が掛かるうえに、食中毒のリスクを高める可能性があると言えるでしょう。

 

基本的に私は作り置きも下ごしらえもしません。それは単純に「それって本当に家事の時短になる?」と懐疑的に思っていることがひとつ、もうひとつは面倒臭いからやらないだけなのですが(苦笑)、食中毒のリスクも考えるとやはりそういう時短テクはあまりやらないほうが良いのかもしれないと改めて思いました。

もっとも、食中毒のリスクを考え出すとキリがなくて、生野菜や刺身なんて食べられなくなってしまいます。少し前に話題になった「たまごかけおにぎらず」などは論外として、家庭料理では効率面と衛生面で自分が納得できる落としどころを探ったほうが良さそうですね。

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この記事を書いた人

日本で初めて一般家庭向け収納&インテリア・コーディネートサービスを始めて20年の収納&インテリアのプロ。TVチャンピオン収納ダメ主婦しつけ王優勝。
安全性を第一に、コスパを重視した収納グッズ&家具選びを心掛けています。詳しいプロフィールはこちら

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コメント

  1. MAO より:

    こんにちは。お久しぶりです。
    一日おいたカレーが美味しいというのはよく言われますが、さすがに常温で一晩放置は無理があるのではと思います。
    もっとも、我が家のように室内でも5度以下になる真冬なら大丈夫かもしれませんが(笑)

    「作り置き・下ごしらえ調理」が時短かどうかは、人それぞれの捉え方があるので何とも言えないと思います。
    個人的には、まとめてやっているだけで、総体的なかかる時間数は同じだと思っていますので、作り置き・下ごしらえ調理は本当の意味での時短ではなく、食材の無駄を減らし、使い切りの効果のほうが主なのではないかと思います。
    ビジネス的な言葉でいう「コスト削減」ではなく「ロス減少」でしょうか。
    とはいえ、フルタイムで仕事してそれなりの通勤時間かけて帰宅して、自分もお腹すいている・疲れている日常で、野菜の処理から始める調理は苦痛ですもの。日常をbestではなくてもBetterで回すための工夫の仕方の一つということだろうと思います。

    カレーの作り置きの方法の一つとして、挽肉・人参・玉ねぎ・キノコをみじん切りにして炒めて、市販のルーを記載の水量の1/3くらいでキーマカレーもどきを作って、冷凍するというやり方があります。そのままドライカレー風にしたり、ジャガイモなどのゴロゴロ野菜を煮て、そこに冷凍したキーマカレーもどきを入れて伸ばすと普通のカレーになります。
    本当は、作りっきり、食べっきりが一番良いのですけどね。
    なかなかそれが出来ないので……。

    • 収納マン より:

      MAOさま

      おひさしぶりです^^

      私はカレーのような味の濃いものなら一晩くらい常温でも大丈夫かと思ってたので今回の一件は驚きだったんですけど、MAOさんはご存知だったんですねー。

      ”「作り置き・下ごしらえ調理」は…総体的なかかる時間数は同じ”というご意見には納得です。
      やっぱりそうですよね。これって片づけと同じなんですよね。

      一気にまとめてやるのも、都度するのも、時間は変わらないわけで。
      ライフスタイルなどに応じて自分流を見つけて実践すれば良いわけですよね^^

      カレーを作り置きする方法としてキーマカレーにするというのはさすがですねー♪
      カレーって意外といろいろアレンジできるので、冷凍しておくと様々な料理に使えそうな点もナイスだと思います^^