トッパー仕様のマットレスって意味ない?コスパと高齢化を考えれば大いに意義あり

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新居に引越しするまで、わたくし収納マンはフランスベッド製の20万円強のダブルサイズマットレスを使っていました。現在はもちろん、当時でも珍しい両面低反発ウレタンという仕様です。

なぜ両面仕様にしたかと言うと、マットレスは上下だけでなく裏表を入れ替えることで長く使うことができるからです。上下裏表の向きを変えることで局所的に傷むことを防ぐことができます。少なくとも20年くらい前まではベッドメーカーの多くがマットレスの正しいメンテナンス方法としてそう言ってきたはずです。

しかし、現在ではどうでしょう。多くのマットレスは裏返して使える構造にはなっていません。にもかかわらず、価格が安くなっているというわけでもないと思います。上下の向きを変えられるだけで、使用可能な期間は短くなっているはずなのにもかかわらずです。

だいたい、ベッドメーカーって昔から言うことがいい加減なんですよ。低反発ウレタンが良いと言ったり、高反発が良いと言ったり。やれ高密度スプリングだ、ポケットコイルだ、プロのアスリートが使っているだの何だのって。ユーザーの好みや時代の変化に合わせているだけと言うこともできるでしょうけど、あれこれもっともらしい理屈で売ることに長けているだけという感じもします。

 

トッパーとは?

ニトリ「NスリーププレミアムP1-CR」on「ロデリック・シングル」

ところでここ数年、トッパー仕様のマットレスが販売されていることはご存知でしょうか。おそらくもっともメジャーなのはテレビCMでお馴染みのニトリ「Nスリープ・プレミアム」(上写真)でしょう。大まかな構造で言えばダブルデッキに近いとも言えますが、それよりはマットレスを2枚重ねにした構造と言ったほうが正しいかと思います。

これに近いものに、普通のマットレスの上に敷いて使うマットレストッパーというのもあります。エアウィーヴのマットレスパッドタイプなどもそのひとつです。ベッドパッドとは異なり十分な厚みがあるため、その下のマットレスの性能はほとんど影響しません。

トッパー仕様のマットレスって意味ない?

こういったトッパー仕様のマットレスやマットレストッパーについて販売店で話を聞くと、マットレストッパーは店で扱っているので肯定的ではあるものの、トッパー仕様のマットレスについては否定的に捉えていることが多いと感じます。理由はよく分かりませんが、「あまり意味がない」と言われることが多いのです。

でもそれは私はおかしいと思うんです。片方で睡眠の質を上げるマットレスを売っておきながら、片方でマットレスの性能をほとんど無効化してしまうマットレストッパーを売っているんですから。

寝心地が悪いマットレスを買ってしまった人にマットレストッパーを売っているだけと見ることもできます。しかし、長らくベッド売場を遠目で見ている私にはそうは思えません。ぶっちゃけ、利益率が高い商品が売れればそれで良いと考えているとしか思えないのです。

一方でトッパー仕様のマットレスについては、私も寝心地という点では意味がないと思います。しかし、以下の2点で大いに意味があるのではないでしょうか。

  • もっとも劣化しやすい表層部を分離&交換することで長く使える
  • 高齢になると重いマットレスの向きを変えるのは大変だが分割できればそれも容易

自慢するわけじゃあありませんが、私はニトリがNスリープを発売する以前からトッパー仕様のマットレスについて考えていました。しかし、ベッドメーカーが扱わないのを見て、何か難しい障害があるのかと思っていました。

でもたぶん、そうじゃないんですよね。従来のベッドメーカーにとってトッパーというのは不都合なんだと思います。スプリングなどの内部構造を追求することで少しでも高い価格帯のマットレスを買ってもらおうと考えていたベッドメーカーにとって、トッパー構造のマットレスはそれまでの考え方と矛盾するのです。おまけに、表層部だけ取り換えられてしまうと、単価が下がり、売上も減少してしまいます。

その証拠に、マットレスはどんどん厚みを増しています。20年くらい前は20cm前後が当たり前だったマットレスが、近年は30cm弱が当たり前になり、40cmくらいのものもあります。こんなにマットレスの厚みが増しているのは、ベッドメーカーが内部構造を重視するとともに単価アップを図っているからにほかなりません。ベッドメーカーに対する不信感が募るとともに、私はこのような結論に達しました。

 

繰り返しになりますが、トッパー仕様のマットレスは私も寝心地に関しては意味がないと思います。しかし、トッパー仕様のマットレスなら年老いても容易に向きを変えたり陰干しすることができます。おまけに、表層部だけを取り換えれば長く使うことができるので、コストを抑えることもできます。

「それならマットレスの上に布団を敷けば良いじゃないか」と言われるかもしれません。しかし、一般的なマットレスは上に布団を敷いて使うように設計されていませんから、湿気の逃げ場がなくなる可能性があります。なので、トッパー仕様のマットレスとマットレスの上に布団を敷くのとではちょっと違うのです。

そんなわけで、ベッドメーカーや販売員が言っていることが正しいのか、はたまた私の言い分が正しいのか、身をもって確認してみることにしました。次回、私を含めて家族4人が4種類のマットレスを比較した結果を検証してご報告したいと思います。

続編

ニトリvsナフコvsマナベvsゲン!家族4人でマットレスを比較してみた
ニトリの「Nスリープ プレミアムP1-CR」、ナフコ21スタイルの「グランリーヴェTS-400」、マナベインテリアハーツの「ノンコイルマットレス プライム」、タンスのゲンの「低反発ウレタン8cm厚」+「高反発ウレタン20cm厚」、以上4種類のマットレスを家族4人がそれぞれ1週間試して比較のうえランキングしてみました。最も人気だったのはナフコ。包み込まれるような柔らかさです。

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この記事を書いた人

日本で初めて一般家庭向け収納&インテリア・コーディネートサービスを始めて20年の収納&インテリアのプロ。TVチャンピオン収納ダメ主婦しつけ王優勝。
安全性を第一に、コスパを重視した収納グッズ&家具選びを心掛けています。詳しいプロフィールはこちら

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コメント

  1. ぽんぽこ より:

    トッパー仕様、高齢化とコスパで意義ありに賛成です。
    義母が大塚家具で買ったフランスベッド、しっかりとスプリングのきいたマットですが、向きを変えるのが、一仕事、、四十肩をやらかしてから、こういう重労働は大変だなーと思っています。
    トッパー仕様のマットを利用したら、移動しやすいから手入れも楽だし、コスパもいいですよね、、

    収納マンさんは、家具に詳しいので、こういう分析大変参考になります。

    収納マンさんは、椎間板ヘルニアになったことがあると以前書かれていたと思いますが(間違っていたらすみません)そういう人は、マットレスどういうのがおすすめとかあるのでしょうか、身内で椎間板ヘルニアを発症した人がいて、探しているのですが、、(現在は、シモンズのポケットコイルタイプを使用)シングルより、セミダブルくらい広さがあって、寝返りうてるほうがいいとか、コイル式とか、ウレタンとか、ネットで検索したり、家具屋さん巡りしても、情報が多すぎて、、。。

    • 収納マン より:

      ぽんぽこさま

      トッパー仕様のマットレスにご賛同くださいましてありがとうございます^^

      そうそう、おっしゃる通り私は椎間板ヘルニアをやっています^^;
      身近にもヘルニアの人は数人いますが、布団が良いと言う人もいますし、それぞれかなという印象です。

      あと、最近分かってきたことは、主に2つあります。
      まずひとつは、女性は軟らかめ(ポケットコイルや化繊、羽根)、男性は硬め(ボンネルコイルやウレタン)を好む傾向が強いということ。
      もうひとつは、寝返りを打つ人は高反発ウレタンやポケットコイル、寝返りを打たない人は低反発ウレタンや敷き布団を好むことが多いということです。
      ただし、これが当てはまらない人もいるのであくまで参考程度にしか言えません。

      私自身は男性で寝返りをまったく打たない(ツタンカーメンのように寝息も立てずに寝ています・笑)ので、低反発ウレタンがもっともしっくりきます。
      ただ、4種類のマットレスを比較したページでも書いた通り、マナベのマットレスはイマイチしっくり来ませんでした。
      店頭で試したときはこれが一番しっくり来たんですけどねー。

      なので、これはもう、トッパーどころか三層構造で色々組み合わせを試してみるくらいの覚悟でも良いかもしれません^^;

      • ぽんぽこ より:

        ・収納マンさん、詳細なご説明をありがとうございます。とても参考になります。
        ベッドメーカーにとっては、不都合な真実を指摘されてしまう困る分析かもしれません。
        こういうメーカー側の思惑、書いてる記事は、ネット上で見かけません。

        私も、マットレス売り場見学していて、収納マンさんが指摘なさってるように、
        「片方で睡眠の質を上げるマットレスを売っておきながら、片方でマットレスの性能をほとんど無効化してしまうマットレストッパーを売っている矛盾」不思議な気がしたので、なるほどなー、、と。

        マットレスも、厚みが増してますねー、私も、久しぶりに、ベッド売り場見学して驚きました。
        性能のとお値段が比例してて、最高級は、何十万、日用品で消耗品のマットレス、そこそこの性能でコスパが良い方がいいなーと思いました。表層部劣化しますよね。

        ・女性、男性の好みの違い、寝返りを打つ人、打たない人の傾向なるほどですね、
        私は、低反発ウレタンも試したことがあるのですが、好みでないというか、湿気の逃げ場がないような気がしました。
        ・寝返りを全く打たず、ツタンカーメンのように、眠る、そういえば、うちの主人も、低反発ウレタンで、そんな感じで寝ています。昔購入したコイル式マットレスが劣化してきているので、その上に、暫定措置で低反発ウレタンマット載せているのですが、本人快適なようです。(ただ、いびきが大変大きく、ツタンカーメンというより、仕留められた猪)

        収納マンさんのご家族、まさに老若男女の組み合わせですから、とても、参考になる体験記事でした。ありがとうございます。

        • 収納マン より:

          ぽんぽこさま

          ベッド売場もじっくり見て回るとなかなか面白いですよねー。
          私はこの20年ほどしか知らないのですが、それでも随分と変わりました。
          日本ベッド、ドリームベッド、東京ベッド、アイシン精機、トヨタベッドなどのブランドが消え、サータ(ドリームベッド)、シーリー、シモンズがシェアを伸ばしました。
          マットレスは厚みを増し、高反発マットレスが幅を利かすようになり、いわゆる「ウォッシャブル3点セット」をセットで売るフランスベッドの商法もなくなったように思います。

          ともあれ、ウレタンはやっぱりどれだけ丁寧に扱っても10年は持ちません。
          それならあまり高価なマットレスを買うよりは、5年程度で買い替えたほうが体に良いと思います。

          一方で、店頭で試して良いと感じても家に届いてしばらく使ってみると「これじゃない」感じがすることもありますから、気軽に買い替えられるほうが良いに違いありません。
          そうすると、自ずとトッパー構造みたいになっちゃうんですよね。

          これが一昔前だとトッパー構造を前提としていないマットレスばかりで通気性の問題がありましたが、今はその心配がありません。
          以前と比べて選択肢は格段に増えました。
          あちこち足を運んで、いろいろ試していただければと思います^^

          ※いただいたコメントが重複していたようなので勝手ながら片方を削除させていただきました。