冷蔵庫の中は細かい食品が多く、一方で奥行が深いため、収納ケースを使って引き出せるようにしたほうが使いやすい場合があります。”場合がある”というのは、冷蔵食品のストックの種類や量は流動的であるため、収納ケースがあることで逆に使い勝手を損ねる可能性があることを示しています。収納ケースがびっしりと並んだ様子は美しいですが、鍋をそのまま入れたいときに困りますよね。
ともあれ、冷蔵庫用の収納ケースは100円ショップをはじめ、様々なところで販売されています。カインズからも新たに発売されたのでご紹介しましょう。
※この記事は2024年8月29日時点の情報に基づいています
カインズ・冷蔵庫収納ケースSkitto
今回ご紹介するのはカインズの「冷蔵庫収納ケースSkitto(スキット)」です。おそらく先月(2024年7月)発売されたと思われます。
スキットと言えば、大ヒットした収納ケースのシリーズです。冷蔵庫用と言うからには何か大きな違いがあるのでしょうか。以下、詳しく見てまいりたいと思います。
従来品(整理収納小物ケース)との比較
ラインナップ
税込価格 | サイズ(mm) | サイズ(mm) | |
---|---|---|---|
従来品 | 冷蔵庫用 | ||
ハーフSS | 298円 | 70×142×77 | 70×140×77 |
ハーフS | 398円 | 140×142×77 | 140×140×77 |
ハーフSL | 70×282×77 | 70×280×77 | |
ハーフM | 498円 | 140×212×77 | 140×210×77 |
ハーフL | 598円 | 140×282×77 | 140×280×77 |
従来品の整理収納小物ケースSkittoはもともと高さ152mmタイプが標準でサイズバリエーションが多いのですが、今回は冷蔵庫収納ケースSkittoを基準として高さハーフだけを比較したいと思います。
従来品のハーフも冷蔵庫用も6サイズ展開です。価格も同じ。ただ、奥行は従来品のほうが2mm大きくなっています。
冷蔵庫用はジョイントパーツなし
どうして従来品のほうが2mm大きいかと言うと、ネームプレートにもなるジョイントパーツが付いているからです。逆に言うと、冷蔵庫用にはジョイントパーツがありません。
材質はいずれもABS樹脂
ほかに違うところと言えば色でしょう。従来品はホワイト、冷蔵庫用はクリアです。しかしながら、材質はいずれもABS樹脂でできており、性質に違いはありません。強いて言えば冷蔵庫用のほうが中身が見やすいという点でメリットがあると言えます。
従来品(smokeブラック)との比較
ラインナップ
税込価格 | サイズ(mm) | サイズ(mm) | |
---|---|---|---|
従来品 | 冷蔵庫用 | ||
ハーフS | 398円 | 140×142×77 | 140×140×77 |
ハーフM | 498円 | 140×212×77 | 140×210×77 |
ハーフL | 598円 | 140×282×77 | 140×280×77 |
色が違うと言えば、従来品には一部サイズにsmokeブラックが用意されています。smokeブラックは高さ152mmタイプもあるものの、ハーフは3サイズのみ。しかしながら、価格は冷蔵庫用と同じです。また、smokeブラックにもジョイントパーツが付いているため、やはり冷蔵庫用よりも奥行が2mm大きくなっています。
smokeブラックはMBS樹脂製
冷蔵庫用とsmokeブラックは色が違うだけ…ではなく、実は材質が異なります。従来品のホワイトと冷蔵庫用のクリアは前述の通りABS樹脂製なのですが、smokeブラックはMBS樹脂製なのです。
ABS樹脂は家庭用品でもメジャーですけど、MBS樹脂はレアですよね。調べてみたところ、”透明ABSに近い衝撃強度を持ち、特に耐寒強度が優れて”いるそうです(参照:大景化学)。
説明の通りであれば、smokeブラックは冷蔵庫内で使っても問題ないどころか、むしろ冷蔵庫用として最適と言えそうです。smokeブラックならジョイントパーツも付いているので、新商品の冷蔵庫用なんて別に必要なかったんじゃないかとすら思います。
ただ、冷蔵庫内の奥行は深くて、ハーフSLや同Lの奥行282mmでも短いくらいです。その点で言うと、幅1サイズ×奥行3サイズのsmokeブラックでは不十分で、冷蔵庫用を用意する必要があったのかもしれません。
パール金属「スキット」との比較
ラインナップ
品名 | 品番 | サイズ(mm) | 税込価格 | |
---|---|---|---|---|
冷蔵室 トレー |
深型 | HB-5561 | 205×325×100 | 600円 |
深型スリム | HB-5562 | 100×325×100 | 459円 | |
浅型 | HB-5563 | 205×325×55 | 459円 | |
浅型スリム | HB-5564 | 100×325×55 | 317円 | |
500ml缶用 | HB-5565 | 180×350×90 | 435円 | |
350ml缶用 | HB-5566 | 135×350×90 | 358円 | |
野菜室・ 冷凍室 トレー |
HB-5559 | 205×250×150 | 427円 | |
スリム | HB-5560 | 105×250×150 | 389円 |
※価格は楽天ビックの場合
冷蔵庫用のスキットということで、先輩であるパール金属「SKIT(スキット)」とも比較してみたいと思います。
SKITのラインナップには缶用や野菜室等用が用意されています。また、Skittoが幅70mmと140mmを基準にしているのに対し、SKITは100mmと205mmで一回り大きいです。SKITは総じてSkittoよりも奥行が深いものの、持ち手が大きいだけで内寸に関してはそこまで違いはないと思います。
それよりも大きな違いと言えるのは材質でしょう。SKITはポリスチレン製なのでABS樹脂より透明度が高い一方、落下等の衝撃で割れやすいと思います。
サイズが異なるので価格は比較しにくいのですが、SKITの浅型が459円、浅型スリムが317円、それよりも奥行以外は大きいSkittoのハーフLが598円、ハーフSLが398円なので、概ね同水準と言えるのではないでしょうか。なお、いずれも日本製です。
ちなみに、パール金属には「アレンジフリー」という商品がありますが、SKITの冷蔵室トレー深型&浅型とはラベルが違うだけと思われます。
カインズでもSKIT販売中
同じカテゴリーで”スキット”が競合しているので不思議に思って調べてみたところ、「スキット\Skitto」は2016年に、「スキット ケイ\Skitto K」は2017年にカインズが商標を登録している一方、パール金属は該当する商標が見当たりませんでした。
「こりゃあバトル勃発か…」と危惧しましたが、カインズでパール金属のSKITが販売されているんですね。お互いにまったく気にしていないようです。
というわけで、カインズの冷蔵庫収納ケースSkittoは従来のホワイト色のスキットにもあるハーフサイズで、価格も同じ。一方でネームプレート兼ジョイントパーツがありませんが、透明で中身が見やすいというメリットがあります。
また、smokeブラックのハーフサイズと比較するとサイズバリエーションが多いものの、同じくジョイントパーツが付いていません。また、MBS樹脂製のsmokeブラックのほうが冷蔵庫での使用に適していると考えることもできます。
個人的にはダイソーなど100均で十分じゃないかと思う一方、Skittoの幅70mmないし140mmというサイズバリエーションに魅力を感じる場面もあるかもしれません。価格がそれほど大きく変わるものでもないので、サイズの合うものを選んでいただければと思います。
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