収納は、自分や家族が使いやすいことを第一に考え、モノに合わせたサイズや仕様で、できるだけ空間の無駄が生じないように考えることが大切です。言い換えると、人→モノ→場所の順番に考える必要があるわけですね。
しかしながら、その逆をやってしまう人のなんと多いことか!「ここのすき間、何か置けそう」→「コレ入れたかったけど入らない」→「うわっ、めちゃ使いにくい!」…そうしてそこは収納スペースではなく死蔵スペースとなってしまうのです。
とは言え、そんな風になってしまうことを収納グッズ業界が助長している側面もあります。すき間用収納グッズと言えば一般的に、幅15cm、20cm、25cm…という具合に、5cm単位でラインナップされていることが多いですから。
もちろん、何を収めるかはご家庭によって違いますから、メーカーとしては「そこは自分で考えて」ということなんでしょうけど、ユーザーはどうしても設置場所の寸法ありきで考えてしまいがちなのです。
そのような風潮に疑問を呈して立ち上がったのがホームセンター業界売上No.1のDCMホールディングスです。カーマ、ダイキ、ホーマック、サンワ、くろがねやなどのブランドを束ねているグループですね。
そのDCMがすき間用収納グッズのサイズラインアップを従来通りの5cm刻みではなく、ペットボトルの大きさに合うように考えたオリジナルの「すき間ワゴン」を発売しました。
※この記事は2017年7月5日時点の情報に基づいています
DCMオリジナル・すき間ワゴン
先ほども申し上げました通り、すき間用収納グッズの多くは5cmないし10cm刻みのラインナップであることが多いです。でも、それだとどうしても設置スペースありきで考えてしまいがちです。それじゃダメなんです。
一方のDCMはストックのペットボトルの収納場所に困っている人が多いことに着目して、ユーザー目線で「じゃあ、ペットボトルに合ったサイズのワゴンを作ったらお客さんが喜んでくれるんじゃないか」と考えました。これは実に素晴らしい考えです。
そうしてDCMは2リットルのペットボトル1本分の幅(スリム)、同じく2本分の幅(ワイド)、そしてその中間サイズとして500ミリリットルのペットボトル2本分の幅(ミドル)の3サイズのすき間ワゴンを開発したのです。いや、これは収納のプロとしてはちょっと感動ものでございますよ。
ワイドで2リットルが最大6~8本収納可能?
2リットルのペットボトルのサイズは、だいたい底面が10cm角で高さが31cmくらいです。商品によっては底面が9×11cmくらいの場合もありますが、だいたい10cm角と思っておけば問題ないでしょう。
で、DCMのすき間ワゴンはもちろんそれに合わせた幅サイズとなっています。実物を見たわけではないので正確なところは分かりませんが、四隅の支柱部分などを考慮すると、スリムタイプなら2リットルのペットボトルが3~4本、ワイドタイプなら6~8本が収納できそうです。私の見立てでは、底面が9×11cmのペットボトルのほうがたくさん入るのではないかと思います。
500ミリリットルのペットボトルのサイズは、だいたい底面が直径7cmで高さが21cmくらいです。そうすると、ミドルタイプは500ミリリットルのペットボトルが10本収納できるんじゃないかと思います。
それだけではありません。前述したのは高さのある一番下の段の話で、その上の段は500ミリリットルのペットボトルに合わせたサイズになっています。そうすると、3段スリムタイプなら2リットルのペットボトルが3~4本に加えて500ミリリットルが5本、3段ミドルタイプは500ミリリットルが計20本、3段ワイドタイプは2リットルのペットボトルが6~8本に加えて500ミリリットルが10~15本も収納できるという計算になります。
耐荷重に疑問あり
容量\サイズ | 3段スリム | 3段ミドル | 3段ワイド |
---|---|---|---|
500 | 5本 | 20本 | 10~15本 |
2000 | 3~4本 | 6~8本 | |
総重量 | 8.5~10.5kg | 10kg | 17~23.5kg |
収納可能な本数を文章で説明しても分かりにくいので上の表にまとめてみました。ついでに、それらペットボトルの総重量も計算してみました。
総重量はあくまで最大限にペットボトルを収納した場合の話ではありますが、3段タイプなら天板の上にもモノが置けますし、4段タイプならもう1段分500ミリリットルのペットボトルを収納することができそうです。そうすると、総重量は軽く10kgを超えてしまいます。
一方で、DCMオリジナルのすき間ワゴンには耐荷重が記されていません。素材すら分かりません。ただ、写真から見るに、棚板はポリプロピレン、支柱はポリスチレンではないかと思われます。
同様の構造のキッチンワゴンは多くが耐荷重10kg程度です。サンコープラスチックのキッチンワゴン然り、オールポリプロピレンの無印良品のポリプロピレン組立式ワゴンは8kgまでとなっています。
DCMオリジナルのすき間ワゴンには何かしら頑丈にするための秘訣があるのでしょうか。ペットボトル収納を前面に打ち出しておきながら、「目一杯詰め込んだら壊れるんですけどね、ははは」ということでは笑えません。ちゃんと耐荷重のことまで考えているんでしょうか?
あと、収納可能なペットボトルの本数を計算してみて思ったんですけど、かさばる割りにたいして入らないんですね(苦笑)これだったら無印良品のPPストッカーキャスター付のほうが良いんじゃないかって思いましたよ。引出式だから奥のモノも取り出しやすいし、耐荷重も30kgあるし、価格もそれほど変わらないし。
ともあれ、日本一のホームセンターであるDCMがしっかりリサーチして総力を上げて開発した新商品です。きっと耐荷重の問題をクリアする秘訣があるはずですし、私が気付いていない素晴らしいポイントが他にもあるのでしょう。店頭で実物を見るのが楽しみですね。
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