リビングに置く棚を扉付きにするかオープンラックにするかというご相談は多いです。もしご相談者が出したモノを戻すのが面倒臭いと感じるようであれば、私は扉なしのオープンラックをオススメするようにしています。モノを出したり戻したりするだけでも面倒なのに、いちいち扉を開け閉めしなければならないとなるともっと面倒だからです。また、モノの出し入れを面倒と感じる人はあまりモノを大事にしないため、扉で隠してしまうと、何をどこに置いたか分からなくなってしまい、収納ではなく死蔵しがちだからです。
ただ、そんな方でも、扉付きの収納家具のほうが良い場合もあります。普段あまり読まない本を収める本棚などの場合です。そもそも扉というのものは、モノを隠すだけでなく、ホコリ除けとしての機能があります。あまり出し入れしないモノを収めるのであれば、いちいち扉を開け閉めする面倒よりも、ホコリが入らず掃除がしやすいことを優先したほうが良いと言えます。
「隠す」という発想は極めて危険
「リビングに置く棚を扉付きにするかオープンラックにするか?」というご相談をいただいた場合、一般的には以上のように私は答えます。そのうえで相談者がどのような判断をされるかは自由です。私はできるだけ相談者が無駄なお金や時間を使わないようにアドバイスしますが、失敗しないと分からないこともあると考えるからです。
精神論を持ち出すと嫌がられるのは百も承知ですが、片づけはやっぱり「考え方」がとても大事です。また、「モノとの付き合い方」であったり「自分自身に対する理解」といった根本的なところから見直さなければ改善しません。ですからその人の今まで通りの考え方でやっても、同じ結果の繰り返しとなります。
その点で言うと、モノを見せたくないから「隠す」という発想は極めて危険です。冷静に考えれば分かることですが、人に見せたくないけれど大好きなモノなんてほとんど存在しません。不満のあるモノを、雑に扱っているから、人に見られたくないのです。モノを大切にしないから元に戻すのが面倒なわけで、そんなモノを扉で隠したところで一時しのぎにしかなりません。
満足するモノをオープンに見せることが理想
片づけが上手な人は、オープンラックをうまく使います。オープンラックに自分の好きなモノを並べ、あまり見せたくないモノは小箱に入れて収納します。もちろん扉付きの収納家具やクローゼットも使いますが、モノを隠したいがためにそうするのではなく、ホコリ除け程度にしか考えていません。
誤解がないように言うと、片づけが上手な人は面倒臭がりが多いです。扉の開け閉めが面倒だから扉を付けない、モノの管理が大変だから多くのモノを持たないのです。また、十分に世話のできないペットを飼わないように、好きになれないようなモノは買いません。
自分が満足するようなモノであれば、隠したいと思う人はいないでしょう。逆に、満足するモノであれば、ずっと見ていたいと思うものです。ですから、収納はオープンに見せることが理想なのです。
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