ドウシシャの「ルミナスラック」シリーズで伝説となっているスチールワイヤーシェルフがあります。2000年代に発売された、「ルミナスプラス」、「ルミナスプラスS40」、「ルミナスα(アルファ)」です。
これらは現在も販売されているルミナスラックと同様に、テーパーを用いて25mmピッチで棚板を固定できるという構造ながら、ポールは円柱ではなくH型というのが大きな違いです。見た目にスタイリッシュなだけでなく、棚板の高さ調節が容易だったり、幅方向に連結した際に棚板の位置を揃えられることなどがメリットと言えます。
そのため、販売を終了してからもしばらくは再販を熱望する声が絶えませんでした。私もクライアント宅で何台も設置してきたという後ろめたさもあり、なんとか復活してもらえないかと要望を出してきました。
すると、少し前にドウシシャの方から「ルミナスαではないが、それに近い商品の発売を検討しています」という趣旨の発言を得たのです。それが今回ご紹介する新商品だったのですね!
※この記事は2025年4月21日時点の情報に基づいています
ドウシシャ・ルミナスアンドコネクト
このたびドウシシャから発売されたのは「ルミナス & Connect(アンドコネクト)」というシリーズです。
パッと見た感じ、キラキラ輝く「ルミナス」ではありません。また、支柱はスチールですが、円柱でもH型でもなく角柱です。おまけに、棚板はワイヤーシェルフではなくフラットな木目調となっています。
これのいったいどこがルミナスαの後継なのか。私が勝手にこれを後継商品と勘違いしているだけなのかという疑問から始まりました。
棚柱のような構造
アンドコネクトは従来のルミナスラックとは異なり、テーパードスリーブで棚板を固定する構造ではありません。10cm間隔で支柱の裏側に穴が2つずつ開いており、そこに棚板から飛び出している爪を挿し込んで固定するようになっています。棚柱のような構造です。
しかも、IKEA(イケア)の「FJÄLKINGE(フィェルキンゲ)」(販売終了)のように手前の支柱の裏側と奥の支柱の手前側に穴が設けられているのではなく、前後とも裏側に穴が設けられている点が特殊です。いずれも裏側なので、正面から見たときに穴がいくつも開いているのが見えず、とても美しく仕上がっています。
幅方向に連結可能
アンドコネクトは幅方向に連結することも可能です。上写真の通り棚板の高さを揃えることもできます。これなら棚板の高さ調節も容易でしょう。
防水加工された棚板
フレームは「ルミナスノワール」や「ルミナスラテ」
でも採用されている粉体塗装仕上げ。ガードレールなどにも使われている、サビに強い塗装です。
棚板はPB+PP樹脂(防水加工紙貼り)と表示されています。粉砕した木材を固めたPB(パーティクルボード)を芯材に使い、表面にPP(ポリプロピレン)樹脂シートを貼ったものと解釈できます。一般的にポリ合板と呼ばれるものはPE(ポリエステル)樹脂シートを貼ったものですからそれとは異なります。
私もこういう表示の仕方は初めて目にするのですが、おそらくはオレフィン化粧板のことではないかと思います。システムキッチンや洗面化粧台、食器棚などでよく使われる表面材で、木質系でも耐水性が高いのが特徴です。
組み立て簡単
このように様々な点で従来のルミナスラックとは異なるアンドコネクトですが、ネジ釘不要で組み立てできるというルミナスラックらしさは踏襲されています。
棚板1枚あたり耐荷重60kg
棚板1枚あたりの耐荷重は60kg。ラック全体では120kgとなっています。この点もルミナスシリーズと名乗るのに十分と言えるでしょう。ちなみに、ニトリの「Nポルダ」は1枚あたり10kg、全体で50kgです。
奥行は38.5cm
棚板の奥行は38.5cmとなっています。昨今は奥行が浅いラックが好まれる傾向があります。しかしながら、せっかく棚板1枚あたりの耐荷重が60kgもあるのですから、重量物を乗せたいというニーズは強いでしょう。重量物は大きなものが多いので、奥行はあまり浅すぎないほうが使い勝手が良いはずです。よって、奥行38.5cmというのはルミナスシリーズらしいサイズ設計だと思います。
別売棚板や延長用パーツもあり
別売の棚板や支柱を延長するパーツも用意されています。この点もオプションパーツが豊富なルミナスシリーズらしいところですね。
もっとも、個人的にはコの字バーやハンガーパイプも欲しいところ。キャスターの装着はルミナスα同様に構造上、難しいかもしれませんが。
カラー2色展開
今さらですが、アンドコネクトはホワイト×ナチュラルとブラック×ブラウンの2色展開となっています。従来のルミナスシリーズのように、ホワイトならラテ、ブラックならノワールという風に、ラインナップが別になってしまうことがないのは分かりやすくて良いと思います。
ラインナップ
品番 | 商品名 | サイズ(mm) | 税込価格 |
---|---|---|---|
CN-80175 | 幅80cm 5段 | 770×385×1720 | 15,800円 |
CN-80134 | 幅80cm 4段 | 770×385×1320 | 12,800円 |
CN-40175 | 幅40cm 5段 | 405×385×1720 | 12,800円 |
CN-40134 | 幅40cm 4段 | 405×385×1320 | 9,800円 |
CN-W8040 | 幅80cm 木棚 | 750×385×55 | 3,980円 |
CN-W4040 | 幅40cm 木棚 | 385×385×55 | 2,980円 |
CN-PA70 | 70cm 延長用支柱 | 19×19×705 | 1,980円 |
CN-PA40 | 40cm 延長用支柱 | 19×19×405 | 1,480円 |
アンドコネクトのラインナップは現在のところ上表の通りとなっています。幅は80cmと40cmの2サイズ。高さは5段と4段の2サイズで、延長用支柱で高さを拡張したり、棚板を増やすことができます。
まずはこのラインナップで軌道に乗せて、どんどんアイテム数を増やしていってもらいたいところです。
ルミナスαよりも売れる可能性大!
以上の通り新商品のアンドコネクトをご紹介したわけですが、果たして売れるでしょうか。個人的にはその可能性が極めて高いと考えています。
その理由はルミナスαが支持された点と支持されなかった点を考えると分かります。
- スタイリッシュなデザイン
- 棚板の高さ調節が容易
- 価格が高い
- ワイヤーシェルフ主体のラインナップ
ルミナスαは棚板にコーナーリングがなく、支柱が正面から真っ直ぐに見えて、とてもスタイリッシュでした。また、棚板は支柱の上から追加したり外したりする必要がなく、高さ調節も容易でした。アンドコネクトはこれらのメリットを引き継いでいます。
一方で、ルミナスαは1セットあたりの価格がレギュラーシリーズと比べて高価でした。その割りに外観は既存のワイヤーシェルフとあまり変わらず、ラインナップも旧態依然としたものでした。その点、アンドコネクトは従来のルミナスラックとは明らかに別物で、1セットあたりの価格も1万円台と手頃です。
このように、アンドコネクトはルミナスαの良いところを引き継ぎつつ、良くなかった点は改善されているため、売れる可能性が高いと私は考えています。
というわけで、このたび発売されたルミナスアンドコネクトは従来のルミナスラックともルミナスαなどとも異なるものの、シンプルなデザインながらホームユースとしては耐荷重も十分で、フラットな棚板で使いやすいだけでなく、連結や拡張も自在、組み立て簡単、水回りもOK、おまけに手頃な価格と、売れない理由を考えることが難しいくらいです。従来のルミナスシリーズを上回るヒット商品になる可能性すらあるんじゃないかと思います。
私もたぶんコレ買いますよ!ただ、我が家での置き場所を想定すると、コの字バーがないと困るので、それが発売されてからになると思います。構造的に難しくはないはずなので、早くコの字バーが発売されることを期待しています。
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