2024年3月期連結決算で36期連続増収増益の記録が途切れて以降、経済誌などでニトリが取り上げられることは少なくなったように感じます。しかしながら、何だかんだで今期も国内売上はキープ。雑貨やファブリックを増やしたり、デコホームの出店を進めるなど、市場の変化に対応していています。また、電動リクライニングソファや家電に力を入れるなど、高価格帯の商品の拡充にも余念がありません。
一方で、相対的に減ったと感じるのが収納用品。従来は売場にNインボックスやファイルボックス、プラチェストなどがズラーッと並んでいるイメージでしたが、かなり縮小されています。諸々のコスト増加で儲からなくなってきているのは明らかなので、積極的に売りたくはないのでしょう。
とは言え、収納用品すべてを減らしているわけではありません。2020年秋に発売されて以降、人気が続いている「突っ張り壁面収納 Nポルダ」にまたラインナップが増えました。
※この記事は2024年11月7日時点の情報に基づいています
ニトリ・Nポルダ スリムタイプ
このたびNポルダのラインナップに新たに加わったのは「スリムタイプ」です。スリムと言っても幅のことではなく、奥行が従来品よりも薄くなっています。
奥行4サイズ展開に
Nポルダの発売時は奥行約30cmのみでしたが、奥行約40cmのディープが加わり、このたび奥行約20cmのスリムが登場したことで、棚タイプは奥行3サイズ展開となりました。パンチングボードも合わせれば合計4サイズ展開と言えます。
なお、棚板の奥行はディープが358mm、レギュラーが258mm。スリムは明示されていませんが、文庫本やコミック本が並べられているところを見ると120mm前後と思われます。ひょっとすると、従来からある「奥行ハーフ棚板」と同じもので奥行117mmなのかもしれません。
スリムの幅は3サイズ
スリムの幅はレギュラーと同様に幅80cm、60cm、40cmの3サイズです。ただし、現状ではコーナータイプはありません。また、別売棚板や追加サイドパーツなどのオプションパーツも案内がない状況です。今後に期待しましょう。
なお、カラーバリエーションは従来品と同様にホワイトとブラックの2色展開となっています。
スリムは推し活や本の収納に最適?
スリムの耐荷重は幅に関わらず全体で50kgとなっています。棚板が5枚セットされていますので、棚板1枚あたりは10kgと考えられます。
コミック本の厚みを20mm、重量を200gと仮定すると、幅80cmタイプには1段に40冊収まり、その重量は8kgとなります。つまり、耐荷重の問題はクリアです。
一方で、レギュラー用の奥行ハーフ棚板は1段あたりの耐荷重が5kgとなっています。もしスリム用の棚板が同じものだとするとスペック的には耐荷重オーバーです。
ただ、棚板の構造は同じはずです。本棚として使っても問題ないはずですし、心配な場合はコレクションなどのディスプレイ用と考えれば良いでしょう。最近は推し活収納が流行っているので、それには最適な奥行だと思います。
価格は割高?
幅 | 80cm | 60cm | 40cm | 20cm |
---|---|---|---|---|
ディープ | 14,990円 | – | – | 11,990円 |
レギュラー | 9,990円 | 9,990円 | 8,990円 | – |
スリム |
スリムはレギュラーよりも奥行が浅く、材料コストが安く済むはずですが、価格はレギュラーとまったく同じです。つまり、割高と言えます 。
一方で、ロットが少ないと思われるディープの幅80cmタイプがレギュラーの約1.5倍になっていることを考えると、現時点で需要が読みにくいスリムがレギュラーと同じ価格で収められたというのは、消費者にとってありがたいことなのかもしれません。
Nポルダは今年の夏に高さが低いミドルタイプとロータイプが加わっており、今回さらにスリムタイプが登場したことで、よりサイズバリエーションが充実しました。収納家具は収めたいモノの大きさに合ったものを選ぶことが重要であり、また生活動線を妨げない大きさであることが理想と言えるので、これだけ選択肢が増えたことは良いことだと思います。
しかも、最近は推し活がブームで、小物をディスプレイしたいというニーズが顕在化しています。このタイミングで薄型のスリムタイプを投入したというのはさすがニトリといったところでしょう。
今後、まだまだラインナップが増えていくのでしょうか。興味深いですねー。
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