音楽に始まり、雑誌、洋服と、最近は月額制サービスがいろんなジャンルに広がっています。モノを所有するのではなく、共有したり一時的に利用権を得られれば良いと考える人が増えているからでしょう。モノを持つのは何かと面倒ですからね。
家具でも最近はレンタルなどが次々と始まっています。しかし、家具は流通コストがかさむうえにメンテナンスも大変で、およそレンタルに向かないと思います。それでも次々と参入してくるところがあるのは、家具がよほどボロイ商売だと勘違いされているからでしょう。
ともあれ、また手を変え口上を変え参入してきたサービスがあります。カマルクジャパンが運営する「subsclife(サブスクライフ)」という家具のサブスクリプション型サービスです。
※2022/08/11一部更新
subsclife(サブスクライフ)
もともとカマルクジャパンは半年ほど前から家具のサブスクリプション型販売サービスのベータ版を開始していました。「家具+IoT+サブスクリプション=FURNITURE 2.0」ということで、テーブルにスピーカーを組み合わせたものなどを月額制でレンタルしていたんですね。
この時点ではちょっと色々盛り込みすぎてブッ飛んでしまっている印象でした。そういう反省もあってか、今回は割りと普通の家具をレンタルするかたちにリニューアルしたようです。
ACMEなどブランド家具をレンタル
ただ、普通に家具をレンタルしたのでは他社サービスと比べて見劣りします。そこで、サブスクライフでは、「ACME Furniture(アクメファニチャー)」や「journal standard Furniture(ジャーナルスタンダードファニチャー)」などの若者に人気のブランド家具を約150種揃えました。
月額500円、3ヶ月から利用可能!?
ブランド家具を揃えただけではありません。なんと月額税別500円から、期間は3ヶ月から利用可能と言うのです!
ところがこれにはカラクリがありまして、たとえば希望小売価格16,200円のアクメのスツールを借りる場合、24ヶ月の利用であれば月額500円ですが、3ヶ月だと月額4,300円にもなってしまうのです。24ヶ月×月額500円=12,000円、3ヶ月×月額4,300円=12,900円ですから、期間が長くても短くてもトータルの負担金額はほぼ変わりません。なんという、けったいなサービスでしょう。
なお、最初に宣言した契約期間の途中で解約した場合、当初の契約で支払う予定だった合計金額の残金相当が違約金として発生します。また、レンタル期間が満了すると返送するか買取するかを選べるようですが、返送料や買取金額は不明です。
サブスクリプションだとかFURNITURE 2.0とかたいそうなことを言いながら、なんだかディノスのフレクトみたいに実質的には単なる分割払いのようにしか見えないサービスです。そもそも「サブクリプション型販売」って、レンタルじゃなくて割賦販売と言っているようなものですものね。
しかし、逆に分割払いだと割り切ってしまえばアリなのかもしれません。若者はお金がないですし、アクメなどは若者がターゲットですし。いいカモです。
サービスを提供する側としては投資を回収するには最大2年間も待つ必要があるわけですけど、不動産に比べれば回収期間は短いですし、所有することで税金が掛かることもないし、短期の投資資金を集めてくれば良いだけなので、案外、ビジネスとしては成り立つのかもしれませんね。
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