カインズ「キャリコ」をはじめとするスタッキングボックスのブームは一時期に比べれば落ち着いて、最近はむしろ定番化した印象があります。とは言え、メーカーとしてはシェアを奪いたい、販売店としては同業他社と差別化を図りたいというニーズがあるようで、新商品も続々と投入されています。
サンカとしても、天馬「カバコ」に奪われたシェアを取り戻したいと考えているのでしょうか。従来の「フロック」よりも開口部が大きな「ビッグエル」という商品を投入しました。
※この記事は2019年9月10日時点の情報に基づいています(2023年6月8日一部更新)
サンカ・ビッグエル
サンカの新商品「ビッグエル」は従来の「フロック」同様に2つ折れ式のフラップ扉が付いたスタッキングボックスです。しかし、ビッグエルの開口部はフロック深型よりもかなり広くなっています。フロック深型の開口部高さが175mmなのに対し、ビッグエルは222mmと、約27%も広くなっているのです。
ちなみに、天馬のカバコMの開口部高さは私の実測で205mmです。
奥行340mmのショート仕様
しかし、開口部は広ければ広いほうが良いという話ではありません。洋服の出し入れのことを考えれば開口部が広いに越したことはないものの、全体的な強度を確保するのが難しくなるからです。
そこでビッグエルは従来のフロックよりも奥行を短くすることで強度を確保しているようです。フロックの奥行が460mmのところ、ビッグエルはたったの340mm。実に約35%もショートです。
ちなみに、ビッグエルの奥行内寸は225mm。ちょっと小さすぎないかと思う方もいらっしゃるでしょうけど、こういうのは奥行が深いほうが使いにくいと感じる場合もあるので、これはこれで良いんじゃないかと思います。
コメリ「イニシオ」との比較
私はフロックよりもむしろコメリの「イニシオ」に似ていると思いました。イニシオもサンカが作っていますからね。扉のデザイン、側面の形状、いずれをとってもビッグエルとイニシオは似ています。
ビッグエルはスライドイン扉じゃない
しかしながら、違いもいくつかあります。まず、イニシオは扉が2つ折りになるだけでなく、天板下にスライドインすることができます。一方でビッグエルは2つ折り機能のみ。
ビッグエルは側面の持ち手がショボい
ビッグエルもイニシオも側面に持ち手が付いているので持ち運びが便利です。しかし、イニシオは上写真の通り立派な持ち手がある一方、ビッグエルはくり抜き穴のみ。ビッグエルのほうがショボい感じです。
イニシオのほうが圧倒的にラインアップが豊富
ビッグエルは現在のところ1サイズのみ。カラバリもホワイトとブラックのみです。一方のイニシオは3サイズ×5色展開。圧倒的にラインナップが豊富です。
イニシオは奥行405mm
なお、イニシオはフロックとビッグエルの中間の奥行405mmとなっています。これに関してはどれが良いというわけではなく、収めたいモノの大きさや収め方に合ったサイズを選んでもらうと良いでしょう。
ちなみに2019/09/10現在、ビッグエルは10個で税込9,800円ですから1個あたり980円。一方で、もっとも近いサイズのイニシオ・レギュラーが同998円ですから、価格的にはほとんど変わりません。ただし、イニシオ・レギュラーのほうが奥行が大きく、扉がスライドインする、持ち手も丈夫そうということを考えると、イニシオのほうがコスパが良いように思います。
他方で、奥行が短くて圧迫感が少ないビッグエルのほうが良いと言う人もいるでしょう。ブラックが選べるというのもビッグエルをチョイスする理由のひとつになり得るかもしれません。つまり、一概にビッグエルのほうがショボいというわけではないのです。消費者としては選択肢は多ければ多いほどありがたいですよね。
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