前回は奥行30cm程度の本棚に棚板を追加する方法を紹介しました。今回はそれよりも厄介な、奥行45cm程度のパントリーなどの造り付けの収納スペースに棚板を追加する方法についてお話ししたいと思います。
パントリーなどの造り付けの収納スペースに棚板を追加するにあたり、一般的には単純に本棚よりも奥行を大きくすれば済むわけではありません。奥行が大きくなればなるほど乗せるモノが多くなりがちで耐荷重が必要になります。また、幅も広くなることが多いため棚板がたわまないように配慮することも大切です。
以上を踏まえて、パントリーなどの奥行45cm程度の収納スペースに棚板を追加する方法を7つ紹介したいと思います。
※この記事は2024年12月9日時点の情報に基づいています
ライン棚受け
まず、左右両側に壁があり、壁面にネジ穴をあけても差し支えない場合は、「ライン棚受け」を使用するのが良いでしょう。金具が目立たずスッキリと収まります。耐荷重も30kgまで問題ありません。
壁面が中空の場合は「ボードアンカー」や「スピードミニ」を使って下地を作ってからネジで固定します。重いモノを乗せる場合は棚板がたわまないように概ね30mm以上の板を使用するのが良いでしょう。棚板の底面に補強桟を入れるのも方法のひとつです。
棚柱+棚受け
棚板の高さを調節できるようにしたい場合は、棚柱(ダボレール、ダボ柱)を使います。棚受けは先端にゴムが付いていて、棚板が滑りにくくなっているものなどもあります。
壁面(石膏ボード壁)に下地がない場合やネジ穴を開けたくない場合は、サヌキ「Coconi 棚柱取付け用ピン固定パーツ」などで棚柱を取り付けることもできます。ただし、正確に取り付け位置を決めるのはなかなか困難な作業です。
シールフックタイプの棚受け
左右の壁面がプリント合板の場合はシールフックタイプの棚受けを使うのも良いと思います。上写真で使っているのはTemu(ティームー)で買ったものですが、同様のものはamazonや100円ショップのセリア(元林「棚板受けシールフック2個入」JAN:4968583241158)でも購入できます。
この方法は手軽で耐荷重も期待できますが、プリント紙だと表面が剥がれてしまう可能性があるので注意が必要です。
押入れ用伸縮ラック
実のところ、私がこれまでご相談を受けたお宅では「押入れ用伸縮ラック」で対応することが多かったです。見た目はあまりスマートではありませんが、壁にネジ穴をあける必要がなく、コストも安く済むからです。状況が変わっても撤去が容易というメリットもあります。収納物は時間とともに変わりますからね。
ただし、一般的な押入れ用伸縮ラックは高さが2段階に調節できると言っても微調整程度です。たて横伸縮タイプもあるものの、およそパントリーなどで求められる高さではないと思います。
シンク下用伸縮ラック
押入れ用伸縮ラックよりも高さが低いほうが良い場合や高さを調節できたほうが良いとおっしゃる場合は、シンク下用伸縮ラックを使います。アイリスオーヤマの「USD-1V」なら帆立が薄くネジの出っ張りがないため無駄なスペースが生じません。
ただし、押入れ用伸縮ラックの耐荷重が10kg程度であるのに対し、シンク下用伸縮ラックは5kg程度です。あまり重いモノを乗せることはできないので注意が必要です。
突っ張り棚
日本の主要メーカーが扱っている突っ張り棚の奥行はせいぜい35cm程度ですが、amazonなどでは奥行42cmのものもあります。幅53~90cmタイプで耐荷重は20~35kgなので、その半分程度と考えても悪くはないでしょう。
スノコ状の板が付属しているため、フラットな棚板になります(一部除く)。
引出式収納ケース
最後はちょっと別のアプローチ。引出式の収納ケースを置くことでその天板上を棚板の代わりとする方法です。上写真は無印良品の「ポリプロピレン収納ケース・引出式 小」の上に「ポリプロピレンファイルボックススタンダード・幅25cmタイプ・1/2」を乗せています。
ホームセンターでカラーボードをカットしても棚板は安くないですからね。小物が多い場合は引出しのほうが使いやすいということもあると思います。そういったシチュエーションには合理的な解決策になるはずです。
というわけで、パントリーなど奥行45cm程度の収納スペースに棚板を追加する方法を7つ紹介しました。本棚に棚板を追加する方法と同じものもいくつかありますが、サイズが大きくなるのに加え、耐荷重にも配慮する必要があるので、対策が少々難しくなります。
もっとも手軽なのは押入れ用伸縮ラックやシンク下用伸縮ラックなど市販のコの字ラックを使う方法です。ポンと置いて幅を調整すればOKなので手間がなく、しかも低コストです。引出式収納ケースを使うのも同様に手間がありません。
ライン棚受け、棚柱、シールフックタイプの棚受けなどを使う方法は見た目がスマートですが、設置難易度はちょっと高めです。壁の構造などをよく理解したうえでトライしていただければと思います。
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