棚板がたわむ心配が少ない丈夫な本棚を選ぶ際の一つの目安として、棚板の構造に着目するのは良い方法と言えます。一般的に本棚に限らず棚系の収納家具に多いのはフラッシュ合板という中空構造の合板です。
フラッシュ合板は中空構造のため家具を軽くすることができるので、製造コストを抑え、輸送コストも抑えることができる上に、落としても危険が少ないというメリットがありますが、棚板として用いた場合の強度は万全とは言えません。
また、近年はパーティクルボードに代えてLVL(単板積層材)を使った合板を棚板に用いた本棚もあります。パーティクルボードは廃材などを粉砕して固めたものですが、LVLは単板(木材をスライスしたもの)を同じ繊維方向で何層も貼り合せたもので、パーティクルボードよりもコストは掛かりますが丈夫です。
※当記事は2015年5月13日時点の情報に基づいています
木+鉄=ハイブリッドも頑丈!
LVLよりも頑丈ということは一概には言えませんが、別の方法として、木質系材料だけではなく、丈夫な鉄を併用したハイブリッド書棚という選択肢もあります。
上写真のオークスの段違いコミックストッカーは定番のハイブリッド書棚と言えます。幅1190mmもあるにもかかわらず、棚板1段あたりの耐荷重は約28kgもあり、とても頑丈です。
ちなみにオークスには同様のCDストッカーもあり、大量のCDやコミックなどを収納する定番のハイブリッド収納棚メーカーと言えます。
無印良品の「組み合わせて使える木製収納」も
ほか、ちょっと意外なところでは、ハイブリッド書棚として、無印良品の「組み合わせて使える木製収納」が挙げられます。
あまり積極的にアピールしていないので気づきにくいところですが、無印良品の「組み合わせて使える木製収納」も実は棚板の中に補強材としてスチール板が仕込まれており、頑丈に作られています。
ちなみにこちらの棚板1枚当たりの耐荷重は15kgとなっています。15kgと言うと少し物足りない感じがするかもしれませんが、幅800mmの棚で帆立板を用いずに15kgと堂々と言えれば立派なものだと思います。
メーカーによって基準が異なることもあり、また棚板の構造だけでなく棚板の厚みや幅によっても実際の耐荷重は異なるため、単純に何が頑丈であるということは言うことはできません。また、棚板の芯材にLVLを採用していてもスチール板を仕込んでいても耐荷重はせいぜい30kg程度です。
それ以上に頑丈な本棚を求めるとなるとやはりスチールワイヤーシェルフやスチール本棚などを選ぶよりほかありませんが、インテリア性を大事にしつつそれなりに頑丈なものを選ぶとすれば、ハイブリッド書棚は良い選択肢と言えるのではないでしょうか。
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