昭和の時代には、ビニール製のカバーが付いた組立式のワードローブがどこのご家庭にもありました。下写真のような商品で、ホームセンターで3千円前後で買えたものです。
意外に思われるかもしれませんが、この記事を書いた2016年当時はIKEA(イケア)やニトリでも同様の商品は売られていたんです。カタログ通販でも普通に販売されていました。しかし、2023年現在、探してみると全然見当たらなくて困ったほどです。
2016年以降、私と同様に感じる人が増えたんでしょうかねー。以下は2016年当時のままお送りします。
※この記事は2016年6月6日時点の情報に基づいています(2023年6月29日一部更新)
”全面にカバーが付いているタイプのワードローブ”と言われても、ピンと来ない人も多いのではないかと思います。ポリエステル製のカバーであれば、例えばIKEA(イケア)の「BREIM(ブレイム)」。
不織布っぽい感じだと、ニトリにもあります。
10年くらい前まではこの手の組立式ワードローブはカタログ通販各社でも売れ筋商品でした。しかし近年は人気がなくなってきており、今となってはほとんど見られなくなりましたね。
全面カバー付きのワードローブは中途半端
個人的にはこういった全面カバー付きの組立式ワードローブは嫌いではありません。価格は手頃ですし、幅が伸縮できるものが多くてスペースを効率良く使えるからです。
一方で、人気がなくなってきている理由もよく分かります。一言で言うとものすごく中途半端なのです。品質や耐久性を考えれば決して安いとは言えず、グラグラしやすいうえに、圧迫感が強くて見た目もスッキリしません。また、ホコリよけのつもりでカーテンを付けても開け閉めしにくく、完全に閉まらないばかりか、ついつい開けっ放しになりがち。さらに、ポリエステル製のファスナー式は壊れやすく、不織布だとホコリがまとわりつきやすいのでかえってホコリっぽくなってしまいます。
カバーなしのハンガーラックと箱物ワードローブの二極化
基本的に私は、ホコリの心配をすると絵に描いた餅になりがちだと考えています。頻繁に洋服を出し入れしていれば、洋服にホコリが積もる暇がありません。ホコリが積もる心配をするくらいなら不要な洋服は処分すべきだし、小まめに掃除をしたほうが良いと思います。また、着る機会が少なくてもキープしておきたい洋服は大切な衣装であることが多いので、それなりの箱物を用意すべきだと思います。着る機会が少ない洋服はクローゼットに収め、普段着はハンガーラックに掛けるというのも良いでしょう。
同様に考える人が多いようで、全面カバー付きの組立式ワードローブの人気はなくなり、カバーなしのハンガーラックか箱物のワードローブに二極化が進んでいると感じます。個人的にはこれは良い傾向だと思いますね。
カバーなしのハンガーラックなら、コスパ重視でキャスター付きのシングルパイプハンガーでも良いでしょう。
箱物の場合はそれなりのコストを掛ける必要がありますが、引出なしであればIKEAの「PAX(パックス)」でも良いんじゃないでしょうか。個人的には、150cm以上の幅で引き戸をチョイスすると、見た目がスッキリするだけでなく使い勝手も良いと思います。ただし、幅が大きくなればなるほど置く場所が限られるので、そこは注意する必要があります。
収納用品の選択肢が少なかった時代であれば、ホームセンターで全面ビニールカバーの組立式ワードローブ、カタログ通販で不織布製カーテン付きの伸縮式クローゼットのいずれかを選ばなければならなかったと思います。もしくは本格的な婚礼箪笥のようなものを買うかだったわけですね。
ですが、現在は収納用品もショップも選択肢が増えています。全面カバー付きの組立式ワードローブがホコリを避けるどころか逆にホコリを積もらせてしまうということも、賢い消費者ならもう分かっています。
ホコリ、湿気、ニオイなど、気にし出すとキリがありません。それを考え出すとどんどん難しいことを考えなくてはいけなくなってしまいます。そんなことをするよりもっとシンプルに、掃除がしやすく、出し入れがしやすくしたほうが良いでしょう。だから収納はシンプルに考え、シンプルな形を目指すのが良いのです。
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