無印良品「組み合わせて使える木製収納」廃番⇒「オーク材薄型ラック」へ

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無印良品から「オーク材薄型ラック」という新しい収納家具が発売されました。私はてっきり、以前からある「組み合わせて使える木製収納」だと思っていたのですが、どうも「組み合わせて使える木製収納」は廃番、代わりに「オーク材薄型ラック」が新商品として投入されたようです。

当記事は2017年11月20日時点の情報に基づいています。リニューアルした「オーク材薄型ラック」も2020春夏カタログを最後にカタログから消えており、2022/09/15確認時点では一部パーツのみ処分販売されている状況です。

 

無印良品・組み合わせて使える木製収納

無印良品・組み合わせて使える木製収納・本体・ミドルタイプ・奥行21cm・タモ材/ナチュラル 幅80×奥行21×高さ175.5cm

出典:無印良品(以下同)

こちらが以前からある「組み合わせて使える木製収納」です。2010年11月に「木製薄型シェルフ」という商品名で登場し、2015年秋以降から現在の価格とラインナップに落ち着いています。

無印良品の2017カタログでは普通に掲載されていましたが、2017改訂版カタログではオーク材薄型ラックと差し替えられて消えてしまっています。また、在庫処分のためか現在は割引価格で販売されています。これらのことから「組み合わせて使える木製収納」は廃番とみなして間違いないでしょう。

「組み合わせて使える木製収納」は、ハイ、ミドル、ローの3タイプの高さと、扉などのオプションパーツを組み合わせて使えるというのが、この商品の大きな特徴となっていました。

 

無印良品・オーク材薄型ラック

無印良品・オーク材薄型ラック・ワイド大・奥行22cm 幅80×奥行22×高さ175.5cm

一方、こちらが新商品の「オーク材薄型ラック」です。前述の写真を見比べても違いがほとんどなく、私が新商品だと気付けなかったというのもお分かりいただけるのではないかと思います。

ただ、デザインは変わらないものの、コンセプトは大きく変わっています。高さは基本的に大と小の2サイズとなり、代わりに追加セットを積み重ねて使えるようになりました。また、扉は用意されなくなり、基本的にオープンシェルフとして使うものとなっています。

組み合わせて使える木製収納とオーク材薄型ラックの比較

組み合わせて~オーク材薄型ラック
80/40.5cm80/40cm
奥行40/21/14cm22/16cm
高さ212.5/175.5/83cm175.5/83cm
価格※34,000円29,900円
荷姿完成品組立品
材質タモ突板オーク突板
塗装ラッカーアクリル
産地ベトナムマレーシア
耐荷重15kg/棚板1枚10kg/棚板1枚
棚板厚2.1cm2.15cm
補強棚板スチール補強あり棚板スチール補強なし
棚ピッチ6cm3cm

※価格は幅80×奥行21または22×高さ175.5cmのものを比較した場合の通常税込価格

サイズは売れ筋に集約

上表は「組み合わせて使える木製収納」と「オーク材薄型ラック」を比較して一覧にしたものです。

幅展開については2タイプで従来から変わりありません。一方で奥行は3サイズから2サイズとなりました。これは現在、無印良品では奥行40cmの各種ユニットシェルフがメジャーとなっているため、住み分けを図ったものと見ることができるでしょう。

高さも3タイプから2タイプに集約されましたが、高さ37cmの追加セットを積み重ねることで最大212.5cmにすることができます。なので一応、従来のハイタイプと同じ高さにすることができるというわけですが、高さ37cmというのはA4ファイルよりも一回り大きくてちょっと使いにくいと感じます。

実質的には値上げ

価格は幅80×奥行21または22×高さ175.5cmのものを比較した場合、税込34,000円から同29,900円に値下がりしています。しかし、細かく見てみるとこれは実質的には値上げであることが分かります。

その理由は、「組み合わせて使える木製収納」は完成品、「オーク材薄型ラック」は組立品だからです。前者に扉などを組み合わせる場合はもちろん組み立てが必要ですが、本体そのものは完成品です。「オーク材薄型ラック」は組立品のため、組立コストが掛からないだけでなくマレーシアからの輸送コストも大幅に抑えることができます。これらのコストを考えれば、単純に安くなったとは言えません。

ちなみに、「組み合わせて使える木製収納」の同サイズ(ミドルタイプ・奥行21cm)は2015年夏まで税込29,000円でした。その頃と比べると明らかな値上げと言えるわけですが、当時は急激な円安、原料や輸送コストの高騰がありましたから、2015年秋の値上げは致し方なかったと言えるでしょう。

材質はオークに統一の方向へ?

材質はタモ突板からオーク突板に変わりました。これらは木目が割りと似ていると言えますが、無印良品では各種ユニットシェルフなどでもオーク材を使うケースが増えているので、それらと木目を統一する方向で進んでいるのでしょう。

ちなみに、どさくさに紛れて棚板が突板からプリント紙に変わっています。無印良品が扱う天然木は総じて品質が悪いので、かえってプリント紙のほうが見た目が良いかもしれませんが、コスト的には当然プリント紙のほうが安いです。

塗装もラッカーからアクリルに表記が変わっています。しかし、これは実質的に同じものを指しているのではないかと思います。ラッカー塗装と言うと安物であることがバレてしまうので、アクリルラッカー塗装をアクリル塗装と称しているものと考えられます。

材質や塗装の表記が変わっているのは、産地がベトナムからマレーシアに変わったためか、逆に産地が変わったからそれらが変わったからかもしれません。

ちょっと心配な耐荷重性能

棚板1枚あたりの耐荷重は15kgから10kgに変わりました。これは完成品から組立品に変わったためと考えられます。組立品ではどうしても十分な強度を確保できないためです。

それでも幅80cmで中央に帆立などを設けることなく棚板1枚あたりの耐荷重を10kgとするのはちょっと心配ですね。従来は棚板にスチール製の補強がありましたが、オーク材薄型ラックからはそれがなくなっています。棚板の厚みが2.15cmあるので明らかに不十分とまでは言えないものの、スチール補強なしで同じ幅というのはちょっと冒険しすぎではないかと思います。

ちなみに「オーク材薄型ラック・ワイド大」は中央に固定棚が1枚で、カムロックで固定する方法を取っています。白井産業のスロフィー(現在はタナリオが後継モデル)が同様の構造で可動固定棚が外れてしまうことがあったので、ちょっと不安があります(組立式書棚で固定棚が外れるとほとんどの本が落下します)。

なお、棚板ピッチは6cmから3cmになり、本などのサイズに合わせて空間を無駄なく使えるようになったと思います。

 

今回の実質的なリニューアルは、無印良品で扱う収納家具のラインナップを俯瞰したうえでのことか、更なる値上げの必要性に迫られたことによるものかは分かりません。しかしながら、結果的に他の無印良品の収納家具との住み分けがより明確になったのは良かったと思います。

様々なモノを収納するなら各種ユニットシェルフやスタッキングシェルフ、本を中心に収納するならオーク材薄型ラックをチョイスすれば良いでしょう。

完成品ではなく組立式となりグレードダウンした点についても、更なる価格の上昇を抑えるためには良かったのではないでしょうか。これまでのケースを見ても、消費者が無印良品に品質を求めていないことは明らかですから、やはり品質よりも価格が大事です。

ちなみに、オーク材薄型ラックは従来品同様に石膏ボード壁に固定できるようになっていますが、これは地震対策としては気休めにもなりません。モノを収納した状態で前後方向に力が加われば簡単に抜けてしまいます。

どうしても薄型の書棚は倒れやすいので、オーク材薄型ラックを石膏ボード壁の前に置いて使用する場合は北川工業の「スーパータックフィット」などで壁に固定するのがオススメです。

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