ニトリの突っ張り式ワイヤーシェルフ「Nポルダ」は2020年の発売以来、好調に売れている模様です。無印良品のスチールユニットシェルフと違って最初から突っ張りパーツが付属しており、それでいて価格は安く、おまけに棚板の高さ調節も容易で、さらに無印良品よりも店舗数が多くてネットでも買いやすいとなれば、売れて当然とさえ言えると思います。
ホームセンター大手の一角を成すカインズとしてもニトリにばかり客を奪われるわけにはいきません。さりとて、また無印良品から訴えられるような商品を出すわけにもいかないわけです。
そんな思惑があったかどうかは分かりませんが、カインズが満を持して、どこからも訴えられない、そしてNポルダに勝てそうな突っ張り式スチールシェルフを発売しました。
※この記事は2022年9月20日時点の情報に基づいています(2024年9月11日一部更新)
カインズ・アイランドシェルフ
このたびカインズから発売されたのは「アイランドシェルフ」という突っ張り式のスチールシェルフです。
なぜアイランドと命名したのか由来は明らかにされていませんが、おそらく背面にクロスブレースだったり側面にラダー状のものがなく、部屋の真ん中に島のようにポツンと突っ張ってもOKという意味だろうと思います。それによって側面からも背面からも手を伸ばしてモノを手に取ることができるだけでなく、見た目がスッキリするというメリットも得られるわけです。
凸凹が少なく見た目スッキリ
特に感心したのが突っ張りパーツです。一般的にこういうのは天井に接する部分がデカくて、バネやネジが丸見えだったりすることが多いと思います。しかし、アイランドシェルフは接点がコンパクトで、凸凹が少なくとてもスッキリした印象に仕上がっているのです。
とは言え、さすがにこれでは天井に接する面積が少なすぎて十分に突っ張れないのではないかと思いました。しかし、そこはさすがのカインズです。接点にTGシートという粘着ゲルシートを天井との間に挟むことで、天井に密着するようにしているのです。
実際のところ、それで十分に密着できるのか、はたまた天井壁紙を損傷するリスクがないのか現時点では不明ですが、面白い試みだと思います。
奥行36cmで使いやすい
アイランドシェルフはサイズ設計もよくできています。高さは201~266cmに対応しており、また突っ張りパーツは4本それぞれが独立しているので、吹き抜けなどを除くほとんどの室内はもちろん、梁などがあるところにも設置可能と思われます。
また、棚板の奥行は36cmとなっており、無印良品のスチールユニットシェルフの40cmより浅く、ニトリのNポルダの標準タイプの25cmよりも深い、ファイルボックスなどを収めるにもちょうど良いサイズです。
ちなみに、上写真はこちらもおそらく新商品の「整理収納ケース Kumihaco 21×32cm」を2つ収めている状態。奥行36cmならA4ベースの収納用品の多くがマッチしそうですね。
工具不要!ただし横揺れの不安あり
アイランドシェルフは工具不要で組み立てできるようになっています。棚板もサイドフレームに横桟(棚受け金具)をセットして、棚板を乗せるだけでOKです。
でもこの構造は横揺れが生じかねないのでちょっと不安があります。いくら天井に突っ張りパーツが密着していてもスチールというのはしなりますからね。
アイランドシェルフには棚板の幅が43cmと85cmの2サイズがありますが、セット品が43cm(フレーム含む47cm)のみとなっているのも、横揺れの不安があるからではないかと思います。使い勝手の良い幅85cm単体で設置することは想定されておらず、必ず幅47cmのセットと組み合わせる必要があるというのはちょっとネガティブな要素です。
幅47cmのセットで19,800円
ついでにもう一つネガティブな要素を挙げると、アイランドシェルフはニトリや無印良品に比べると高価です。幅47cmのセットひとつで税込19,800円。追加の棚板が43cmで1枚あたり同1,780円、85cmで3,980円となります。
突っ張りパーツにアルミを使っていたり、デザインにこだわっているなど、コストが掛かっていることは分かるんですけどね。半間サイズで言うとアイランドシェルフはニトリや無印良品のザッと4倍くらいになってしまうのですから、頭では分かっていてもちょっと負担が大きすぎると感じます。
オプションパーツもあるよ
Nポルダやスチールユニットシェルフはオプションパーツが豊富というところも魅力のひとつですが、アイランドシェルフにもいくつか用意されています。連結用のサイドフレームや棚板はもちろん、磁石でくっつくサイドパネル、ロールスクリーンなどがあります。
また、マグネット式の小物入れの「キュピタ」シリーズや、アイランドシェルフにピッタリな大きさの「ダンボールボックス」なども活用することが可能です。
以上の通り、カインズのアイランドシェルフは見た目がスッキリしているだけでなく、どこに置いても手にモノが届きやすく、使い勝手の良いサイズ設計となっていることが魅力です。また、オプションパーツも少なからず用意されており、カインズの力の入れようが伝わってきます。
一方で、横揺れが発生しないかが不安ですが、これはできるだけ早く実物を見て確認をしたいと思います。確認次第、こちらに追記する予定です。
あと、ニトリや無印良品に比べて価格が高いのがネック。ただ、これも実物を見たら納得できる部分もあるのかもしれません。棚板幅85cmのセット品があったほうが売れやすいと思うのですが、横揺れの可能性だけでなく、価格が高すぎて売れないという可能性もあるのでしょう。
ともあれ、実物を見るのが楽しみです。
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