昨今のDIYブームにおいて、平安伸銅工業の「ラブリコ」が及ぼした影響は計り知れないと思います。ラブリコの突っ張りパーツさえあれば賃貸住宅でも壁を傷めることなく安価な2×4材を使ってDIYを楽しむことができるため、DIY人口の裾野が大きく広がりました。そのことはamazonでのレビュー件数を見ても明らかでしょう。
一方で、ラブリコとて万能ではありません。日本の住宅は吊り天井が一般的なので、床と天井の間に突っ張ると天井を持ち上げてしまい、ひいてはせっかくラブリコを使って作った造作物が倒れてしまう危険性もあります。天井下地がある場所に突っ張る必要があるとは言え、なかなか都合良く設置したい場所に下地があるとは限りませんからね。
しかし、そんな問題を解消できる画期的なDIYパーツが発売されました。ようやく手に入れましたので、改めてご紹介したいと思います。
※この記事は2022年7月14日時点の情報に基づいています(2024年9月10日一部更新)
ニューヒカリ・WALL BASE
こちらがラブリコに取って代わるかもしれない画期的な新商品、清水のニューヒカリ「WALL BASE(ウォールベース)」でございます。天井と床の間に突っ張るのではなく、石膏ボード壁に2×4材を固定し、荷重を床で支えるという仕組みのDIYパーツです。突っ張り式と違って壁に小さな針穴をたくさん開けてしまうものの、個人的には賃貸住宅であっても許容範囲と言えるのではないかと思います。
なお、今回はLサイズ(SH-WB10-70)を1点のみ購入しましたが、2×4材や2×6材の狭いほうの面に最適な大きさのSサイズ(SH-WB10-35)もあります。
床保護テープ付きで安心
ウォールベースのパッケージには、石膏ボード壁側に取り付けるベースプレート、2×4材に取り付ける取付金具のほか、それらを固定するためのピン、木ネジ、ピン押し工具まで入っています。また、2×4材を立てたときに床を保護するクッションタイプのテープまで付いていて至れり尽くせりです。
もちろん、取付方法が詳しく書かれた取扱説明書も付属しています。
2×4材に金具を取り付ける
今回はウォールベースと2×4材を1本使って、ロードバイクのディスプレイハンガーを作りたいと思います。
まずは2×4材に金具を取り付け。電動ドリルで下穴を開けてから、インパクトドライバーで木ネジを打っていきます。
余談ですが、2×4材なんてどこで買っても300円くらいだろうと思って近所のコーナンに行ったら、6尺(1820mm)で税込767円もしてビックリしました。あとで調べたら、イマドキはどこのホームセンターでもそれくらいするのですね。ちょっとウッドショックです。
ベースプレートを金具にセット
2×4材に金具を取り付けたら、そこにベースプレートをセットし、両サイドの赤い部品を押してロックします。そして、中央の保護スポンジを外すと仮止めピンが露出するので、これを壁に押し当てて仮止めするわけですね。
床保護テープを忘れずに
同時に、2×4材が床に接する面に床保護テープを貼っておきます。忘れてあとで貼り付けると、高さが微妙に変わってしまいますからね。
壁に仮止めしてロック解除
そこまで準備ができたら、2×4材を立てて壁に押し当てます。水平器を使うか、部屋の端からの距離を確認するなりして、垂直を確認するようにしましょう。
仮止めピンが壁にプスッと刺さった感触が確認できたら、両サイドのロックを解除し、2×4材を少し持ち上げて外します。
ピンを計24本ひたすら刺す
石膏ボード壁に仮止めしたベースプレートをピンで固定します。その数24本。なかなかの修行です。特に老眼初級の私には穴が見えなくてツライです(苦笑)
ちなみに、こういうピンを刺すときはハンマーで叩かないとダメなことも少なくありませんが、今回は全部スムーズに刺せて良かったです。
再び2×4材をセットしてロック
24本のピンを刺し終えたら、あとは再び2×4材を引っ掛けて、ロックすれば完成です。付けたり外したりが楽なのはありがたいですねー。
また、ここまで難しい作業は何一つありませんでした。2×4材を加工する道具と技術さえあればまったく問題ないと思います。
ディスプレイハンガーのベースが完成
こうして無事にロードバイク用のディスプレイハンガーのベースが完成しました。2×4材をただ壁に立てかけてあるように見える佇まいですが、それなりに強い力で引っ張ってみてもビクともしません。耐荷重20kgというのは確かにそれくらいあると思います。
ただし、下のほうを横方向に蹴っ飛ばすと、テコの原理でウォールベースが抜け落ちる可能性はあります。小さなお子さんがいるご家庭の場合は、このように2×4材を1本だけ立てる場合も上下2ヶ所にウォールベースを使ったほうが良いかもしれませんね。
8mmほど壁から浮く
なお、ウォールベースを使って2×4材を石膏ボード壁に取り付けると、金具などの厚みで8mmほど壁から浮くかたちになります。ただ、我が家の場合は巾木の厚みが6mmほどあるので、むしろちょうど良い感じです。
バイクハンガーを取り付ける
ウォールベースがシッカリしていることを確認できたので、いったん2×4材を外したうえでミノウラの「バイクハンガー4R」を取り付けます。ネジ3本でOKなので簡単です。
ウォールベース×バイクハンガーが完成!
ついでにヘルメット用にフックを追加して、ウォールベースを使ったロードバイク用ディスプレイハンガーが完成しました!
最初はちょっと恐る恐るでしたけど、10kgオーバーのロードバイクを掛けてもビクともしません。まったく倒れる気がしないですよ。もう1台追加してもたぶん大丈夫だと思います。
検証を終えたらすぐに撤去するつもりでしたが、あまりに見事なものでもうしばらく眺めていたいと思います(笑)
というわけで、実際にニューヒカリのウォールベースを使ってみた感想としては、「感動した!」の一言に尽きます。ウォールベースを使えばバイクハンガーはもちろん、テレビを壁掛けすることもできると思います。棚や長押を作ったりもできますし、向かい合わせにしてパイプハンガーを渡すというのもアリでしょう。ラブリコの突っ張りパーツ以外と併用することで、様々なことが実現できると思います。
それでいて、天井いっぱいまで2×4材を立てる必要がないので圧迫感がありません。天地突っ張り式のように、縦揺れの地震で天井が持ち上がって2×4材が倒れてくるなんてこともないはずです。勾配天井や吹き抜けだってOK。壁から外したときにピンの痕が少し残るものの、ラブリコ以上にできることの幅が広がるのではないでしょうか。
ニューヒカリのウォールベース、超絶オススメです!
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