プロが教える!ダイニングセット(食卓セット)の選び方【1】レイアウト編

当ブログは広告を掲載しています。詳細はこちら

ダイニングセット・イメージ

収納というと、モノをたくさん収めたり、出し入れしやすくすることが大事だと思われがちです。けれども私はそうは考えていません。それよりも生活動線や作業動線をスムーズにすることのほうがはるかに大事だと考えています。

通路が狭くなっているだけで、使ったモノを戻しに行くのが面倒臭くなり、それが積もり積もって片づかなくなることがあります。子供が自分で出し入れできない高さに絵本を詰め込むことで、子供が片づけてくれなかったり、本を読む習慣がつかなくなることもあります。だから収納はモノに目を向けてばかりいてはダメなのです。全体の大きな動線の中で、どのようにモノをレイアウトするかを考えることが大事なのです。

そのため、一見、収納に直接関係のないものに目を向けることも大切です。例えばダイニングセットやリビングセット。必要に応じてこれらを買い替えたりレイアウトを変えるだけで動線が大きく変わることもあります。

というわけで今回は、ダイニングセット(食卓セット)の選び方について紹介したいと思います。

※この記事は2015年9月19日時点の情報に基づいています(2023年9月13日一部更新)

 

売れ筋のダイニング5点セットのサイズは135~150cm幅

ダイニングセットを選ぶとき、多くの方はまずテーブルサイズを気にします。椅子が4脚にテーブルがセットされたものをダイニング5点セットと呼びますが、その場合、テーブルのサイズは120~165cm幅のものが一般的です。

ダイニング5点セットの場合、その中でも売れ筋は135~150cm幅です。一般的に一人あたりに必要な幅は60cmと言われますので、5点セットの場合は120cm幅あれば十分と言えます。ただその場合はコンパクトな椅子にする必要があります。ゆったりと寛げるようにすると椅子の幅は広くなり、肘付きの椅子を好まれる方もいます。座面の幅が大きくて肘付きの椅子の場合は最大165cm幅のテーブルが必要になります。

ちなみにダイニングセットにリビングセット(ソファー)を掛け合わせたリビングダイニングセットと呼ばれるものもあります。その場合はテーブル幅が165~200cmというのが一般的です。ソファーを置かずにリビングダイニングセットを置くというのはひとつの方法と言えますが、実際にこれを選ぶのはほとんどがシニア層です。

2023/09/13追記:近年はゆったりめの椅子を選ぶ方が増えたこともあり、ダイニングテーブルは150~165cm幅を選ぶケースも増えています。また、シニア層に限らず、リビングダイニングセットを選ばれることも増えました。

大は小を兼ねない!ダイニングセットは小さめが吉

ダイニングセットだけでなくリビングセットもそうですが、お客様が来たときのことを想定して大きめのものを選ぶ方がいます。ダイニングスペースに十分なスペースがあればそれでも良いのですが、そうでない場合に大きすぎるダイニングテーブルを置くと通路が狭くなって動線が悪くなります。実際、私がお邪魔するお宅ではそのパターンが非常に多いです。

お客様を大切にもてなすことももちろん大事ですが、それがために普段の生活に不便を感じるようでは本末転倒です。5人目、6人目の方が座る場所を確保する方法は他にも考えられますので、テーブルサイズという力技で対処するのはできるだけ避けるようにしましょう。

ちなみに、伸長式テーブルを使うというのはひとつの方法ではありますが、あまりオススメはしません。その理由はどうしても伸ばした状態で使ってしまいがちだから。また、そうなってしまうのは、伸長式のテーブルは重くて、伸長するときに指を挟んでしまいそうになるからです。継ぎ目があるということや壊れる可能性があるということ、価格が高くなるということもデメリットとして挙げられます。

 

ダイニングセットは幅よりも奥行のほうが場所を取る

ダイニング5点セットのレイアウト例

上図をご覧ください。ダイニングセットを選ぶ際はついついテーブルの幅を注視してしまうのですが、実際には奥行方向のほうがスペースが必要になります。椅子の大きさにもよりますが、一般的に椅子を引くのに必要なスペースは50cm程度が目安と言われています。ダイニングテーブルの幅が135cm、奥行が80cmの場合、椅子を引くスペースを考慮すると奥行方向は180cm必要になるのです。

よって、テーブルサイズだけ見ていると上図のようにではなく90度回転させた状態にダイニングセットをレイアウトさせることもできるように錯覚してしまいがちですが、現実には無理というか、非常に動線を悪くしてしまうのです。

 

サイズやデザインよりも重要!「脚」をチェックしよう

ダイニングセットをテーブルのサイズやデザイン、椅子の座り心地だけで選んでしまっていませんか?もちろんそれらは大切なことですが、生活動線を良くするためには脚形状にも注目してもらいたいのです。

テーブルの脚は主に2本と4本があります(1本脚もありますが)。

最近の流行りは圧倒的に4本脚です。見た目にシンプルであることがもっとも支持されている要因だと思います。また、4本脚の場合はテーブルの短辺に椅子を置いた場合も座ることができるというメリットもあります。ちなみに現在、4本脚が主流を占めているのは、車椅子に座った人の介助がしやすいということも挙げられるかもしれません。

反対に、椅子を完全に引かないと座れないので、奥行方向に十分なスペースが必要となります。また、4本脚の場合は主に低価格帯のもののテーブルの四方に「幕板」というパーツが付いていることが多く、脚を組むと幕板に当たって窮屈さを感じることがあります(上商品写真にもテーブルの下に幕板が付いていますね)。

今では少数派となってしまいましたが、10年ほど前は2本脚テーブルと4本脚テーブルが人気を二分していました。2本脚のメリットは、椅子をちょっと引くだけで座りやすいこと。特に重い回転チェアの場合は椅子を引くのが難しいので、回転チェアや幅の広い椅子には2本脚テーブルがセットされていることが多いです。スペースに十分なゆとりがなく、お客様が来られる頻度が少ない場合は、2本脚テーブルがオススメです。また、家族に車椅子の方がいる場合は2本脚のほうが狭いスペースでも動きやすい場合もあります。

反対にデメリットはテーブルの短辺側に座りにくいということです。ただし幅150cm以上のテーブルであれば内寄りに脚が付いているものもあり、その場合は短辺側に座ることも可能です。

 

ダイニングセットはデザインや座り心地で選んじゃダメ!

ダイニングチェアはデザインや座り心地だけで選んだら失敗します。一般的にダイニングチェアは背もたれが高いほうが高級感が増してオシャレに見えますが、一般家庭に持ち込むと圧迫感が強すぎて部屋が狭く見えます。また、背もたれが高かったり、座面が広いほうが座り心地が良いのですが、食事をするときってほとんど背もたれにはもたれませんし、座面が大きくなると椅子だけでなくテーブルまで大きくなってしまって広い設置スペースが必要になります。ソファーもあるようなら、寛ぐ場所が2つにもなってしまい、限られた家の中のスペースの使い方のバランスを崩してしまいかねません。

ダイニングセットには食事をするのに必要最小限の要求をするのが良いと私は考えます。家族が座って食事をする。椅子が軽く引ける。立ったり座ったりしやすい。それで十分です。

リビングセットがあれば、そこで寛ぐようにして、お客様もそちらに通すようにしたほうが、ダブル・リビングセット状態を回避できます。ダブル・リビングセット状態を回避すれば、ダイニングセットはコンパクトにすることができ、生活動線をスムーズにすることができます

ダイニングセットをコンパクトにするメリットは他にもあります。椅子がコンパクトだとテーブルもコンパクトで済みます。コンパクトな椅子だと圧迫感もありません5脚目、6脚目の椅子を置くのにもあまり無理を生じません。コンパクトだと軽いので掃除もしやすいです。旦那が食後にいつまでもダイニングにいることがなくなって後片づけがしやすくなります(笑)

 

このカリモク家具のダイニングセットなんかは良いですねー。テーブル幅が150cmもあり、椅子の幅も50cmもあって、あまりコンパクトとは言えないですけど、椅子の背もたれが低くて圧迫感が少なく、重心が低いので倒す心配もありません。使わない椅子はスタッキング(積み重ね)ができてコンパクトに収納可能。座面が布バネなので軽くて座り心地も良いです。テーブルに幕板もありませんから足元もゆったり。テーブルの幅がゆったり目で椅子の座面も丸みのある形状なので、椅子を引くスペースもそれほど必要ありません。

ダイニングセットって、パッと見た目はどれも同じように見えます。けれども細部をよく見れば、かなりいろんなところに違いがあるのです。家具店の広い場所で見るとどうしても錯覚してしまうことが多くなりますが、自宅のダイニングスペースを意識して最適なものを選ぶようにしましょう

関連記事

軽い!安い!コンパクト!ニトリのダイニングチェア「ライト3K」
ニトリの「ライト3K」は軽い!安い!コンパクト!という3拍子が揃ったダイニングチェアです。単品購入可能で1万円を切る価格。木目がキレイなアルダー材を使っており、「アルナス」のダイニングテーブルにセット可能。
椅子に座って食事ができる「ダイニングこたつ」の選び方とオススメ5選
椅子に座って食事ができる「ダイニングこたつ」の選び方と特徴的な商品5点を紹介します。椅子は暖気が逃げない構造になっているかをまずチェック。テーブルの脚は4本脚のほか、2本脚や1本脚もあります。カーペットを敷いたほうが暖かく、その場合は椅子の脚形状にも気を付けたいところです。
コスパ最強!20万円前後で買える「国産ダイニングセット」5選
冨士ファニチア、飛騨産業、カリモク家具、浜本工芸、秋田木工の20万円前後で買える国産ダイニングセットを5つ紹介します。国産家具は価格が高いと思われがちですが、材質や品質、デザインを見れば、むしろコスパは良いです。ナフコ21スタイル、東京インテリア家具、島忠ホームズ、IDC大塚家具など、お近くの家具店を回ってみてください。
冨士ファニチアのダイニングセット「Koti(コティ)」が届きました
冨士ファニチアのダイニングセット「Koti(コティ)」が届きました。大阪府堺市の藤光家具で購入。天板はウォールナット無垢、アームチェアは布張りです。末広がりの脚形状は美しいだけでなく、座り降りの際にテーブルの脚にぶつけることがなく大変合理的です。

コメント