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アイリスオーヤマが組立式のチェストを続々発売!デメリットはある?

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少し前の話になりますが、天馬の「カバコ」の一部商品が日本製からインドネシア製に変わっていて驚きました。昨今は原料費、人件費、物流費などの高騰の影響で、値上げだけでなく製造工場や仕様が変更されることが多いと感じます。

かと思えば、ニトリやナフコやコーナンなどで販売されている引出式衣装ケースの多くは天馬が日本で作っています。あんなの、空気を運んでいるようなものですからね。どうやって価格を維持しているのかと考えると心が痛みます。

しかし、いよいよコストを吸収できないとなれば、引出式衣装ケースも組立式が当たり前という時代が来るのかもしれません。アイリスオーヤマの新商品を見てそう思いました。

※この記事は2023年10月17日時点の情報に基づいています

 

アイリスオーヤマ・ネスティングボックスチェスト

このたびアイリスオーヤマから発売された「ネスティングボックスチェスト」(NSBC-500)は一見すると普通のクローゼット用引出式衣装ケースです。しかし、”Nesting=入れ子”が示す通り、実は組立式となっているのです。

組み立て簡単


組立式と言っても、引出しの内箱は完成品です。外箱もパネルを組み立てていくわけではなく、天板と前枠をハメ込むだけですから簡単です。この構造なら工場で組み立てるか、自宅に届いてから組み立てるかの違いだけですから、強度面で問題が生じることもないでしょう。

価格は決して安くない

品番荷姿サイズ(mm)税込価格1ケあたり価格
NSBC-500組立式400×500×2354,280円1,427円
BC-L完成品390×500×2323,285円1,095円

※いずれも2023年10月17日現在のamazonの税込価格(以下同)

組立式なら工場で組み立てる手間がなく、物流コストも圧縮できて一石二鳥。消費者としても安く買えるのではないかと期待してしまいます。

しかしながら、サイズがほぼ同じアイリスオーヤマの「BCチェスト」(BC-L)と価格を比較してガッカリ。逆にネスティングボックスチェストのほうが約3割も値段が高いのです。まだ新商品だから定価に近い価格と考えられる一方で、逆に従来品のBCチェストのほうが値上がりしてしまうのではないかと心配になります。

ちなみに、いずれも日本製となっています。

 

アイリスオーヤマ・ウッドトップノックダウンチェスト

アイリスオーヤマ・ウッドトップノックダウンチェスト

組立式が導入されたのは1段タイプだけではありません。多段タイプの「ウッドトップノックダウンチェスト」(KDMG-564WT/565WT)という商品も同時に発売されています。

背面はこんな感じ?

組立式のチェストというのは決して珍しくありません。しかし、従来の「ウッドトップHGチェスト」のように側面がラダー状になっているならともかく、「ウッドトップMGチェスト」のように側面がフラットになっているのは不思議に感じられました。

そこで平面が確認できる写真を探したところ、先に「ノックダウンチェストKDMG-565」という商品が発売されていたことを知りました。基本的には天板と引出前板が違うだけで背面は同じような構造になっているものと考えられます。

これはちょっと組み立てが面倒臭そうだし、見た目もあまり格好良くありません。組み立てをミスると取り返しがつかないことになるリスクもあるうえに、強度面でも不安があります。

こちらも安くはない

品番荷姿サイズ(mm)税込価格
KDMG-564WT組立式560×425×81011,557円
MG-554 ホワイト完成品560×420×83511,811円

こちらも従来品の「MG-554」と比較してみましょう。しかし、こちらも新商品だからか、価格はほぼ同じです。

強いて言えばカラーバリエーションが違うので新しいウッドトップノックダウンチェストのほうを選ぶメリットもあるかもしれませんが、価格がほぼ同じなら個人的には完成品のほうを選びたいかなと思います。

ちなみに、MG-554は日本製ですが、KDMG-564WTの製造国は表示されていません。ただ、プラスチック天板のKDMG-565は中国製となっているので、同様の可能性が考えられます。

 

組立式チェストのメリット&デメリット

  • 物流コストが下がる
  • 環境負荷軽減に役立つ
  • 組み立てが面倒
  • 組立時の破損リスク

結局のところ、組立式のチェストを選ぶメリットは消費者側には少なそうです。物流コストが下がり、環境にやさしいから「ドヤ!」というメーカー側のメリットのほうが大きいと感じます。

一方でデメリットは、組み立てが面倒なうえに、組み立てミスで破損してしまう心配が考えられます。組立式のほうが安いとか、組み替えができるなど、メリットを打ち出してくれないと積極的に買う気にはなれないですねー。

 

というわけで、現状では組立式のチェストを選ぶメリットはほぼなく、逆にデメリットというか不安を残す印象です。普及するにはもう少し時間が掛かるでしょう。

しかしながら、物流の2024年問題は待ったなし。否応なしに組立式を選ばざるを得ない場面が増えていくかもしれません。ニトリなどで天馬の日本製&完成品の引出式衣装ケースが買える現在が懐かしく思える日も、そう遠くないのかもしれませんねー。

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コメント

  1. Ak より:

    円安なのにインドネシアの方に移転ですか‥
    そう遠くない将来、日本に家具難民が溢れる、みたいな現象が報道されたりするんでしょうか。
    高齢化&独居化と家具のセルフビルドが一層進んで、不器用だったり組み立てる体力が無くて買った家具を放置&返品が増える‥的な

    • 収納マン より:

      Akさま

      調べてみたところ、インドネシアの平均月収は2万円台ということです。
      これだけ見てもインドネシアで作るメリットは容易に想像できます。

      また、海外から船で運んでくると距離が長いのでコストが掛かりそうに思いますが、すごく大きなイカダで大量の荷物を少人数で運んでいるようなものなので、日本国内をトラックで運ぶのに比べると相対的に安いようです。
      (ただし、輸入した商品をまたトラックで輸送するので単純に比較することは難しい)

      > 高齢化&独居化と家具のセルフビルドが一層進んで、不器用だったり組み立てる体力が無くて買った家具を放置&返品が増える‥的な

      どうでしょうねー。
      今のところそういう話は聞きませんが、似たようなケースで言うと、組立式であると知らずにカタログ通販で買って返品…という話は昔からあります。
      老若男女に関わらず、情報弱者や無気力者が増えると、おっしゃるような悲観的な未来が訪れるのかもしれません。
      日本ではそうならないことを願いたいものですね。