最近は右を向いても左を向いても値上げばかり。ニトリやイケアもシレーッと値上げしまくっています。その点、無印良品は頑なに値上げに踏み切らず、よくこんな値段で収納グッズや家具を販売し続けてるなーと感心しておりました。
しかしながら、やっぱりやせ我慢だったんですね。来年(2023年)1月13日から順次、一部商品の値上げに踏み切ると発表しました。
※この記事は2022年12月27日時点の情報に基づいています
無印良品2023年値上げの概要
- 2023年春夏商品全体のうち約2割が値上げの対象。残り8割の商品の価格は据え置き。
- 値上げ対象品の価格改定率は平均約25%。
- 【第1弾】1月13日から:大型家具、プラスチック収納、布団カバー等の布製品、食品等
- 【第2弾】2月3日から:生活・雑貨の小物商品等
- 2月3日から中型・大型の商品の配送料についても価格改定
今回発表された値上げの概要は以上の通り。まず値上げが全商品というわけではなく、約2割に留まるということです。IDEE(イデー)の一部商品も値上げの対象となります。
値上げは一部の商品に留まるものの、対象商品の価格改定率は平均約25%にも上ります。これは結構イタいですね。
値上げは1月と2月の2回に分けて実施されます。ただ、プレスリリースを見る限りは1月に値上げされるものが多そうです。商品そのものだけでなく、中型・大型の商品の配送料についても値上げされます。
値上げ商品の一例
PPファイルボックス・スタンダードタイプ
具体的にどの商品がどれくらい値上げされるか見てみましょう。
まずは「ポリプロピレンファイルボックス・スタンダードタイプ・A4用」。先日、無印良品が発表した人気商品ランキングで総合1位に輝いた人気商品です。にもかかわらず値上げせざるを得ないとは、売れば売るほど赤字になりかねない状況だったということでしょうか。
それにしても約51%も値上げというのは痛い。数年前の価格に戻っただけとも言えますが(2020年は490円、2019年は690円)、競合するニトリの「A4ファイルケース Nオール レギュラー」は税込349円ですからそれと比べると約69%も高価となります。今後、ニトリも追随して値上げする可能性はあるものの、とりあえず今回のチキンレースはニトリの勝ちですね。
やわらかポリエチレンケース・小
続いて、「やわらかポリエチレンケース・小」は約20%値上げの税込590円になります。こちらも無印良品の人気ランキングで総合で上位、収納用品でも2位に輝いた人気商品です。
ニトリにも「ソフトNインボックス」という競合商品がありますが、小サイズに関しては直接競合しません。ただし、やわらかポリエチレンケースのラインナップがすべて20%ほど値上げとなると、ニトリを利することになるやもしれないですね。もっとも、ニトリよりもダイソーのほうが高笑いしているかもしれませんが。
PP収納ケース 引出式・横ワイド・大
「PP収納ケース 引出式・横ワイド・大」は約28%アップの税込2,290円に。2千円台となると、一気に割安感が薄れて見えますね。
ニトリには直接競合する商品はないものの、引出式・横ワイド・大を5つ買うと「フィッツプラスNT」とほとんど変わらない値段になります。言うまでもなくフィッツプラスのほうが丈夫で引出しの開閉もスムーズですから、状況によっては悩ましい場面も出てくるでしょう。
脚付マットレス・高密度ポケットコイル・シングル
「脚付マットレス・高密度ポケットコイル・シングル(スチールメッシュ・洗えるカバー)」は約18%アップの税込32,900円に。5千円も値上げと言うと大きく感じられますが、たびたび購入するものではないのでピンと来ない人も多いのではないでしょうか。
一方で、ニトリの「シングル脚付きマットレス (フィルNV)」なら税込24,900円。しかも、玄関届けなら配送無料です。これが無印良品だと2月3日以降は配送料が4,500円も必要になりますから(現在は3,500円)、合計でニトリの1.5倍にもなってしまいます。
同時発表の各種施策
ただ値上げを発表したかたちになっては消費者や投資家に不安を与えかねないと判断したのでしょう。今回の発表では同時にいくつかの施策を発表しています。
1.家具の月額定額サービス対象品を拡大
まずひとつめは、2023年2月3日から家具の月額定額サービスの対象商品を35アイテムから72アイテムへと順次拡大するとのこと。ただし、価格は販売商品に比例して値上げとなります。
返却された家具については、中古品として販売するほか、再活用するそうです。再活用の詳細については説明がありませんが、月額定額サービスで利用者に届けるということでしょうか(現在はすべて新品が届くかたち)。
2.プラスチック商品の環境負荷低減
プラスチック商品については、リユース・リサイクル・代替素材商品への100%移行を推進するそうです。紙を使った「硬質紙ファイルボックス」とリサイクルプラスチックを利用した「ポリプロピレンファイルボックス・ダークグレー」を2月中旬から販売予定。それらの価格は既存のバージンプラスチックを使ったファイルボックスと同じにするということです。
ニトリもリサイクル原材料を約20%使ったブラックのファイルケースを販売していますが、それと同じような取り組みをするというわけですね。
3.布製品の代替新商品の開発・販売開始
布団カバー・シーツ等の布製品については最廉価を維持するために、機能素材を用いた新商品「乾きやすい寝装ファブリック」シリーズを開発。1月12日から順次販売を始めるということです。
寝具はニトリが強いので、負けるわけにはいかないという意気込みが伝わってきます。
個人的には、今回の値上げは仕方ないと思います。むしろ今までの値下げ攻勢が異常でした。また、どこぞの販売店のようにこっそりとではなく堂々と値上げを発表したことも素晴らしいと思います。
一方のニトリはどうするのかが興味深いところです。またシレーッとファイルケースも追随して値上げするんでしょうかね。見ものです。
コメント
無印とかは百均で代用できるものばかりだか値上げすれば買わないだけだからどうぞどうぞって感じ
あうさま
本当に、百均からニトリ、amazonでの中華商品に至るまで、無印包囲網はスゴイですからね。
無印良品が値上げすれば他で類似品を買えば済む話ではあります。
そんな中、プレミアム価格帯でないところで無印良品のブランド力をどこまで通用させるか。
ここが無印良品の腕の見せどころでしょう。