家具屋がバタバタと潰れる一方で、無印良品とニトリは順調に売上を伸ばしています。しかし、2020年12月の月次では明暗を分けました。無印良品は前年開催しなかった無印良品週間を実施したことで昨対17%以上も売上を伸ばした一方、ニトリは5%近くも売上を落としています。
もっとも、売上が上がったり下がったりの無印良品に対し、ニトリは通年では32期連続で売上を伸ばしているわけですから、12月の単月だけを比較しても意味がありません。しかも、無印良品は現在オンラインショップのリニューアル作業に手こずっていて、そこからの売上が見込めない状態です。1月はむしろ無印良品のほうが苦戦を強いられるのではないでしょうか。
しかも、ニトリによる無印良品攻略が止まりません。これまでも無印良品の「スタッキングシェルフ」によく似た「コネクト」という商品がありましたが、そのコネクトに打倒無印良品感がムンムンのワイドサイズが投入されました!
※この記事は2020年1月16日時点の情報に基づいています(2023年9月3日一部更新)
ニトリ・コネクトWサイズ
ニトリのコネクトシリーズはこれまで、TVボード以外は基本的に幅約40cmタイプばかりで、無印良品のスタッキングシェルフのワイドサイズに相当する幅約80cmタイプはありませんでした。ところがここに来てニトリがWサイズを投入したため、より無印良品のスタッキングシェルフに酷似することとなったのです。
ラインナップと価格の比較
セット | サイズ | 無印良品 | ニトリ | |
---|---|---|---|---|
オーク | ウォールナット | |||
基本 | ワイド5段 | |||
ワイド4段 | – | – | ||
ワイド3段 | ||||
ワイド2段 | ||||
追加 | ワイド5段 | |||
ワイド4段 | – | – | ||
ワイド3段 | ||||
ワイド2段 | ||||
ワイド1段 | – | – |
※価格はすべて2020年1月16日現在→2023年9月3日現在
ニトリのコネクトは幅約40cmタイプも基本セットが2~5段まで4サイズ、追加セットが1~5段まで5サイズありました。Wタイプでも同様のサイズラインナップとなっているため、後発のニトリのほうがラインナップが豊富です。
税込価格については、無印良品のスタッキングシェルフは従来からオークとウォールナットで価格が異なります。ニトリのコネクトは材質にかかわらず同じ価格です。そして従来同様、おおむねコネクトの価格はスタッキングシェルフのオークとウォールナットの中間となっており、決してニトリのほうが無印良品より安いというわけではありません。
ちなみに、スタッキングシェルフが2019年8月に値下げされたのに合わせて、コネクトも値下げされて現在の価格に落ち着いています(※のちにいずれも値上げ)。このことからも分かる通り、コネクトはスタッキングシェルフに似ているというよりも、ニトリはめちゃぐちゃ意識していると言えます。ニトリがWサイズを投入したのもその一環と考えられるでしょう。
このように、ニトリのコネクトのラインナップが無印良品のスタッキングシェルフにますます酷似してきたわけですが、ニトリのほうが一概に安いわけではありません。むしろ、無印良品週間ならスタッキングシェルフのほうが安いです。
おまけに、無印良品にはスタッキングシェルフにシンデレラフィットするスタッキングチェストやポリプロピレン収納が豊富に揃っています。まだまだ関連商品では無印良品の圧勝です。
逆に、コネクトを選ぶメリットがあるとしたら、スタッキングシェルフよりも表面材がキレイということくらいでしょうか。決して小さな差ではないものの、その点を一般消費者にどこまで理解してもらえるかは微妙です。
というわけで、まだまだ無印良品のスタッキングシェルフは安泰な感じがしますが、ニトリも追撃の手を緩めることはないでしょう。どんな手を使って来るか楽しみですねー。
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