3段カラーボックスと言えば、知らない人はいないと言って良いほど超定番の収納グッズです。サブロク合板を効率良く切り出して作られた3段カラーボックスは、圧倒的にコストパフォーマンスが高く、それでいて十分な耐久性を持っています。
一方で、一般的に「メタルラック」と呼ばれるスチールワイヤーシェルフもまた、非常にコストパフォーマンスが高い収納グッズと言えます。メタルラック、ルミナスラック、ホームエレクターの御三家以外のバッタものでも、棚板1枚当たりの耐荷重は数十kgで、AV機器やキッチン家電などの重量物を乗せても大丈夫。おまけに組み立てが簡単で、価格も数千円からとサイズの割りにお手頃です。
そんな、高コストパフォーマンスのカラーボックスとスチールワイヤーシェルフですが、ニトリにはそれらを掛け合せたようなものがあったんですね。それが「スチールラックLT」というシリーズです。
※この記事は2017年1月31日時点の情報に基づいています(2021年5月一部更新)
ニトリ・スチールラックLT
ニトリのスチールラックLTはポール径が15mmのスチールワイヤーシェルフのシリーズです。メジャーなメタルラックやルミナスラックであればポール径25mmと19mが主流となっているところ、ニトリでは同じく22mm、19mmが主流となっており、さらに15mmのLTシリーズが追加された格好です。
とは言え、正直言って私もニトリのスチールワイヤーシェルフについては最近はほとんど注目していませんでした。ハッキリ言ってグダグダの様相を呈しており、ラインナップがメチャグチャになっているのです。
径mm | シリーズ | 特徴 |
---|---|---|
15 | LT | 15mm径の小型ラックシリーズ |
19 | KSS | 元祖小型ラックシリーズ |
19 | ルナ2 | ホワイト/ブラウンの小型ラック |
22 | HD | 22mm径のスタンダードシリーズ |
22 | ISS | 元祖22mm径スタンダード |
不明 | SH | 奥行250mmの書棚タイプ |
私の記憶に間違いなければ、従来、他社と同じポール径25mmだったところに、ニトリが最初に22mm径として投入したのがISSシリーズ。また、それ以前から他社同様にラインナップしていた19mm径がKSSシリーズです。
私はてっきり、ISSシリーズをそのまま継続していたのだと思っていたんですが、知らない間にポール径22mmのHDシリーズ、さらに15mm径のLTシリーズを投入していたようです。
ホワイト/ブラウンのルナ2シリーズはISSシリーズ以前からあったと記憶しています。SHシリーズは昔の25mmシリーズの残党ではないでしょうか。最近は店頭で見かけないように思います。
径mm | シリーズ | 特徴 |
---|---|---|
15 | LT | 15mm径の小型ラックシリーズ、2色展開 |
19 | STANDARD | 19mm径の中型ラックシリーズ、3色展開 |
22 | CUSTOM | 22mm径の大型ラックシリーズ |
不明 | SH | 奥行250mmの書棚タイプ |
不明 | KC | レンジ台やワゴンのシリーズ |
LTは3段カラーボックスよりコスパ良い?
それはさておきニトリのLTシリーズですが、幅は25cm、45cm、64cmの3サイズ、高さは67cm、80cm、98cm、117cmの4サイズ、奥行は30cmで共通となっており、全部で12のサイズバリエーションがあります。
カラーはホワイト、ダークグレイ、クロムの3色。また、追加用棚板、棚板シート、キャスターのほか、「カラボにぴったり 収納ボックス」を取り付けるためのレールなんてオプションパーツもあります。
外観上の特徴は、一般的なスチールワイヤーシェルフと異なり、棚板の側面がダブルワイヤー仕様となっており、見た目にスッキリしていることです(上写真)。無印良品のワイヤーシェルフを真似たのかと思いますが(苦笑)、見た目がスッキリするだけでなく、コストを抑える効果もあります。しかしながら、その犠牲として耐荷重は棚板1枚あたり20kgと、スチールワイヤーラックにしては貧弱な仕様になっています。
そうは言っても木製の3段カラーボックスに比べれば耐荷重は大きいわけで。また、前述の通りサイズバリエーションは豊富、オプションパーツもそれなりの数があります。おまけにネジ釘不要ですから組み立ても簡単。それでいて、価格は3段カラーボックス同等のサイズで2,000円ほどですから、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
しかし、LTシリーズは地雷商品
そんなわけで私は、「おー、さすがニトリ」と感心したんですが、展示品を改めてよく見てその考えを改めました。棚板がグニャグニャに変形してしまっているのです。
売場に置かれた展示品ですから、実際に20kg以上の負荷が掛かったとは思えません。また、お客さんが体重を乗せたなら「V」の字型に曲がりそうなものですが、展示品の中には「へ」の字型に曲がっているものもあるのです。これはつまり、製造時または輸送中に変形してしまったものと考えられます。
ルミナスラックの廉価版であるメタルワイヤーラックでも棚板が変形していることはよくあることなので、それ自体は別に驚きません。ただ、そうは言ってもやはり展示品がこれほどまでに全て変形しているとなると、さすがにニトリも問題だと感じたのでしょう。いつの間にか登場したLTシリーズですが、早くも値引き販売されていました。
個人的には、その程度のもんだと割り切ればこれはこれでアリかなと思うんですが、この棚板の構造はちょっと貧弱すぎましたね。
ポール径22mmシリーズの投入以来、迷走が続くニトリのスチールワイヤーラックですが、次はいったいどんな手を打ってくるんでしょうか。ちょっと楽しみにしておきたいと思います。
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