株式会社アキュラホーム住生活研究所がリリースした「2016年住宅傾向調査」によると、アキュラホームが2015年に全国で手がけた住宅のうち100棟の住宅の間取りについて調べたところ、家事動線の短縮に加え、洗面室の面積拡大による収納の充実など、主婦の家事ラクに大きく貢献する傾向が見られたそうです。
こちらでも「収納間取り診断」でアキュラホームの賃貸戸建て住宅の間取りをチェックしましたね。
この間取りも大変良かったわけですが、いったいアキュラホームはどんな風に間取りを改善していっているのでしょうか。
※この記事は2016年8月31日時点の情報に基づいています
「キッチン⇔洗面室」の距離が約2割減に
主婦(夫)が頻繁に行き来すると言われる「キッチン⇔洗面室」。この距離を調べたところ、2015年は平均で3.63mとなり、前年と比べて0.84m短くなっていることが分かったそうです。
個人的には、料理をしながら洗濯なんていうシチュエーションってそんなにあるかなーとは思うのですが、キッチンと洗面脱衣所の距離が短くなること自体は合理的で良いと思います。むしろ、キッチン、洗面脱衣所、浴室、トイレを含む水回り設備は、一ヵ所に集中させたほうが配管が短くなりますので、コストを抑えるためにもこれらはコパクトにまとめるべきです。動線の面でもコストの面でも、わざわざ離すことにメリットはありません。
ただし、キッチンと洗面脱衣所がダイレクトに繋がっていても、食器棚を置くスペースに事欠くような間取りでは困ります。収納スペースをしっかりと担保したうえで、できるだけそれらの距離が短くなるように考えるべきです。
2ヶ所から出入りできる洗面脱衣所が増加中
2ヶ所から洗面室に出入りできる間取りプランが2015年は38%となり、4割弱まで増加しているそうです。まだこういう間取りは一般的ではないものの、個人的には良いと思います。
ただし、洗面脱衣所は出入口だけでなく浴室への入口に面していることが一般的ですので、洗面所そのものに2ヶ所の出入口を設けるとなると相当のスペースを必要とします。具体的に言うと普通は2畳以上は必要です。また、全体の間取りを考えるのはなかなか難しくなります。
洗面脱衣所に出入口を2ヶ所設ける場合、ひとつはキッチン、ひとつは玄関に通じているというのは便利ですね。料理をしながら洗濯、家に帰ったらまず手洗いということが、両立できるからです。また、キッチンから洗濯物をピックアップして物干しへ…というウォークスルー型のレイアウトも良いでしょう。
洗面室の大きさは拡大傾向
洗面室の平均面積が5.22平米に拡大し、6年間で2割(17.6%)近く大きくなっているそうです。
5.22平米と言うと約3.15畳です。一般的にほとんどの家の洗面脱衣所が2畳以下であることを考えると約1.5倍で非常に広いと言えます。前述の通りアキュラホームでは2ヶ所から出入りできる洗面脱衣所を間取りに取り入れることを推奨していますので、洗面脱衣所が広くなるのは当然の結果と言えます。
やはり、理想を言えば洗面脱衣所は広いに越したことはないですね。
オープンキッチンは減少傾向、デザインより機能性重視
一昔前はアイランド型などのオープンキッチンが流行りましたが、2009年の25%から2015年は17%に若干減少しているそうです。一方で、対面キッチンでも一部に壁を設けてダイニングから手元が見えにくいタイプが増えているとのことです。
対面キッチンが9割前後で推移している、つまりはほとんどが対面キッチンとなっており、主婦(夫)がキッチンに孤立することなくダイニング側を向いて家族とコミュニケーションを取りながら家事をしています。ただ、そういうメリットは多くの人の支持を集めている一方で、キッチンが丸見えになるというのはイヤだということだと思います。
よほどマメな人はともかくとして、やっぱり見た目のことだけを考えるのは良くないと思いますね。吹き抜けのある家とか、玄関開けたらいきなりリビングとか、そういう間取りも同様だと思います。家はやはり見せるものではなくて住む場所だということを第一に考えるべきだと私は思います。
今回紹介した傾向はあくまでアキュラホームが自社で施工した物件に関しての話であって、世間一般の傾向とは異なるものです。ただ、私はいずれの件についても強く同意するところです。
玄関ホールが広くて、廊下が長くて、応接間があるような家が良いという人もいるでしょう。それについてはもちろん否定しませんが、個人的にはできるだけコンパクトな動線で、来客のことよりも家族が暮らしやすいことを第一に考えた家が良いと思います。
コメント