無印良品の「壁に付けられる家具」の登場以来、石膏ボード壁用のウォールラックが様々なメーカーから続々と登場しています。
そんな中、新たに登場した商品のネーミングが実に紛らわしいのです。オスマックという大阪のメーカーが作っている「壁に付けられるすのこ」と「すのこに掛けられる家具」という商品です。
※この記事は2016年10月14日時点の情報に基づいています(2023年8月6日一部更新)
オスマック・壁に付けられるすのこ
こちらの「壁に付けられるすのこ」が、まずベースとなる商品です。
すのこに掛けられる家具
こちらの「すのこに掛けられる家具」は先に取り付けたスノコに引っ掛けて使うようになっています。その他、棚板やフックも用意されており、カラーはこちらのダークブラウンに加えて、ホワイトが用意されています。
商品名はバッタ臭いが実力は本物
大阪のメーカーというだけで胡散臭さ満載ではありますが(苦笑)、オスマックの「壁に付けられるすのこ」と「すのこに掛けられる家具」の実力はバッタものではありません。
そもそもオスマックは桐すのこベッドを主力とするメーカーで、スノコを扱わせたらプロ中のプロ。ほかにも桐材を使った収納用品などを多数扱っています。ですから「壁に付けられるすのこ」を作れるだけのノウハウは十分にあったわけです。
桐スノコだから微調整が簡単、しかも軽い
「じゃあなんでスノコ?桐?」という話です。無印良品の「壁に付けられる家具」は必要なものを直接壁に取り付けるのに対し、これの場合はまずスノコを取り付ける必要があります。面倒臭い、割高、見た目にウルサイなどのデメリットを生じかねないのですが、ベースにスノコを使うことで、各パーツの取り付け位置を微調整するのが簡単というメリットが生まれます。
さらに、無印良品のは主材がMDF合板で結構重いため、壁の耐荷重を考えるとあまり重いモノを乗せることができません。一方、「壁に付けられるすのこ」と「すのこに掛けられる家具」は桐でできているので軽く、理屈上はその分だけ重いモノを乗せても大丈夫というわけです。
取り付けが面倒で、価格もちょっと高い
そういったメリットもあるものの、やはりデメリットもあります。アマゾンの商品ページにある動画をご覧いただければ分かりますが、取り付け方法が非常に面倒です。無印良品の場合は東洋工芸の「かけまくり」を使っているのでワンプッシュで取り付けできます(当時→2023年現在は異なります)。しかし、オスマックの場合は、何本ものステープルを打ち込まないといけません。
これはおそらく、若林製作所の「壁美人」にヒントを得つつ、特許侵害をしないように考案したためでしょう。そもそも壁美人の仕組みはアトズムという会社が特許を有しており、それを若林製作所がライセンス生産しているため、非常に割高なパーツになっています。それを使わずに同様の効果を得ようとしたために、こんな複雑な取付方法になってしまったものと思われます。
しかも、そんな苦労をしたにもかかわらず、スノコをベースとして各種パーツを取り付けるため、トータルではそこそこの金額になってしまうというのが残念なところです。半値とまでは言いませんが、もう少し手を付けやすい値段になればなーというのが率直なところです。
それでも、「壁に付けられるすのこ」と「すのこに掛けられる家具」は割りと良質な桐材を使っているようで、質感は悪くありません。塗装もラッカー塗装ではありますが、安物の桐製の収納用品に見られがちな雑なものではなく丁寧だと感じました。
そこはやはり、桐を使った家庭用品を多く扱うメーカーならではのノウハウやプライドがあるのでしょう。そう考えれば、決して高いものではないのかなーという気もします。
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