ここのところ、私の中でスマッシュヒットを連発している「スルガ株式会社」というメーカー。セリアだけでなく、ダイソー、キャンドゥ、ワッツなど、100円ショップで商品をよく見るようになりました。正確に言うと、おそらく以前から存在したはずなのですが、私の心がときめく商品が発売されるようになったのがここ数年というところだと思います。
「いったい、どんな会社なんだろう?」
そう思ってネットで調べてみるも、ホームページすら見当たりません。それで、意地になって調べ続けたら、「あ゛ーーーっ!」と叫ぶ事実に直面したのです。
※この記事は2022年10月14日時点の情報に基づいています(2023年7月15日一部更新)
スルガは静岡県にある会社
セリア等で販売されているスルガの商品のパッケージには、電話番号やホームページURLの記載はなく、「静岡県榛原郡吉田町川尻3308」という住所だけが記載されています。その住所をGoogle Mapで見ると、現在は更地にして駐車場として利用されているのですが、もともと家庭用品メーカーのレック株式会社の建物があったことが分かりました。
スルガはレックを買収→吸収合併した会社
1979年 | 駿河工業 創業 |
1983年 | 駿河工業株式会社 設立 |
1992年 | スルガ株式会社に社名変更 旧レックが会社更生法を申請 |
2003年 | スルガが旧レックの全株式を取得 |
2009年 | 旧レックと合併して現社名(レック)に変更 |
引用:Wikipedia
「なんでスルガの本社にレックの建物が…?」と思いましたが、すぐに私が大ボケをかましていることに気付きました。経営が傾いた旧レックを2003年にスルガが買収し、その後2009年にスルガがレックと合併して新生レックとなっていたのです。
旧スルガの事業内容は”100円ショップ向けの販売を主とする家庭用品の企画開発・製造・販売”で、主要取引先は”大創産業、DCM、シャディ”などとなっています(合併時のプレスリリースより)。
現在のレックの関連会社にはスルガの社名は見られないものの、100円ショップ向けの窓口としてスルガという会社が使われているものと考えられます(メーカーが得意先に応じて別会社を当てるというのは流通業界ではよくあることです)。
100均とホームセンターで使い分け
レックはホームセンター等で粘着式フックのほか、「激落ちくん」などでも有名なメーカーですが、2018年にはライオンの子会社から「バルサン」の殺虫剤事業を譲り受けています。対して、スルガは100円ショップで「バルくん」というブランドの商品をいくつも販売しており、私はてっきりバルサンのパクリだと思っていました。
しかし、前述の通りスルガはレックの関連会社と考えられますから、ホームセンター等で販売しているバルサンを、100円ショップでは別ブランドのバルくんとして販売しているということでしょう。「ユニクロ」に対する「GU(ジーユー)」みたいな感じですね。
ちなみに、激落ちくんに代えてダイソーでは「落ち落ちVキング」、セリア、キャンドゥ、ワッツなどでは「凄腕くん」というブランドで商品が販売されています。イラストも似ていて、これも他社がやったら訴訟沙汰になることでしょう。
スルガがレックを買収して社名をレックに改めたことは知っていたのに、セリア等で販売しているスルガがそのスルガだとはまったく気付きませんでした(苦笑)どうりでスルガの「壁にピン跡が残りにくいピンフック」がレックの「穴の目立たないピンフック」によく似ていたわけです。
また、先日ダイソーで「バルサン コバエ直撃ワンプッシュ」を税込220円で購入したんですけど(通常800円前後で販売)、こういう経緯が分かると妙に納得してしまいます。レックの余剰在庫をスルガがダイソーに卸していたんですね。
スルガの商品のクオリティーが高いのも、年商500億円を超える大手メーカーだからこそ。これからますますスルガの商品には期待してしまいます。
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