もはや庶民の暮らしにはなくてはならない存在の100円ショップ。収納用品としてはプラスチック製の箱やフックなどがメインですが、接着剤や両面テープなど、様々な商品がワンストップで手軽な価格で買えるという便利さがあります。
その100円ショップも一昔前は中小入り乱れての戦国時代の様相でしたが、近年はM&Aを含む優勝劣敗が明確になり、寡占化が進みました。また、成長を続けてきた100均市場も原料費や人件費の高騰を受けて踊り場に差し掛かっていると言われています。
では実際のところ、最近の100均市場はどうなっているのでしょうか。100円ショップ各系列の店舗数と売上についてランキング形式でまとめてみました(以下、順位は店舗数に基づいています)。
※2022年7月19日確認時点の情報に更新済み
第1位 ダイソー
店舗数 | 3,620店 |
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売上高 | 5,262億円 |
※2021年2月末現在(店舗数は国内ダイソーのみ、売上はTHREEPPYなど他ブランドや海外含む)
100円ショップの巨人、大創産業(本社:広島県東広島市)が運営するダイソーは、北海道から沖縄県まで国内最大の3,620店を有します。それだけでなく、既に24の国と地域に2,272店を展開しており、「世界のダイソー」と言っても過言ではないでしょう。
全店での1日あたり来店客数は312万人、取扱いアイテム数は7.6万点、新商品は毎月1200アイテム、業界売上シェアは62%を誇るそうです。桁違いの規模ですね!
第2位 セリア
店舗数 | 1,876店 |
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売上高 | 2,080億円 |
※2022年3月期決算に基づく
業界2位の規模を誇るセリア(本社:岐阜県大垣市)は北海道から沖縄県まで1,876店を展開しています。ダイソーに比べると店舗数は半分程度ですが、ダイソーの店舗の1/4近くが代理店(フランチャイズ)なのに対し、セリアは約98%が直営店です。
セリアは規模としては二番手ですが、実用的なアイテム数で圧倒するダイソーに対して、シンプルなカラーやデザインの商品を多数導入した、100均業界のファッションリーダー的存在と言えるでしょう。
第3位 ワッツ(ミーツ、シルク含む)
店舗数 | 1,462店 |
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売上高 | 507億円 |
※2021年8月期決算に基づく
ワッツが店舗数で業界3位というのはちょっと語弊があるかもしれません。会社としてのワッツ(本社:大阪市中央区)は「meets(ミーツ)」、「Watts with(ワッツウィズ)」、「Watts (ワッツ)」、「silk(シルク)」を展開するほか、2021年10月には音通エフ・リテールから「FLET’S(フレッツ)」、「百圓領事館」などを譲受して、全部で1,462店を展開しています。
ちなみに、セリアが1,876店を展開して売上高が2,080億円に達するのに対し、ワッツ全体では1,462店を展開しながら売上高はセリアの1/4にも満たない507億円しかありません。店舗数がワッツよりも少ないキャンドゥと比較しても売上高は7割程度です。これは直営店のワッツよりも販売委託店のワッツウィズが多くを占めるため(=手数料収入)と考えられます。
第4位 キャン★ドゥ
店舗数 | 1,180店 |
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売上高 | 731億円 |
※2021年11月期決算に基づく
キャンドゥ(本社:東京都新宿区)は会社全体としては業界4位の店舗数となってしまいましたが、単一ブランドとしては堂々の3位で、売上も3位です。こちらも北海道から沖縄県まで1,180店を展開しています。ちなみに、関西を中心に展開していた同業の「クリスタルショップ」と「オレンジ」はキャンドゥに吸収されています。
ダイソーやセリアと比較すると、商品が画一化されていないのが魅力的だと感じます。一方で、2022年1月からイオンの子会社になった影響が今後気になるところでしょう。
第5位 ローソンストア100
店舗数 | 669店 |
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売上高 | 非公表 |
※店舗数は2022年2月末日現在、2018年2月末日確認時点の売上高は449億円
ローソンストア100(本社:神奈川県川崎市)はSHOP99を運営していた九九プラスがルーツで、コンビニ大手のローソン傘下となって現在に至ります。意外と店舗数は669店もあるのですねー。ただし、漸減中。
取扱商品は主に食品。100均ではない商品もあり、100円ショップというよりは基本的に生鮮コンビニというニュアンスが強いでしょうか。
第6位 ファインズ、キャンディなど
店舗数 | 82店 |
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売上高 | 不明 |
※店舗数は2022年7月現在
集計するにあたってワッツ以上に悩ましかったのがワールド企画(本社:岩手県北上市)が運営する100円ショップです。直営100円ショップの「Fine’s(ファインズ)」4店、同じく「Candy(キャンディ)」2店に加え、300円均一商品も扱う「Vita(ウィータ)」6店、たぶんウィータのフランチャイズの「Vita(ウィータ)コレクション」1店。さらに、スーパーの片隅で展開する売場維持管理システム「LSC100SHOP」42店、売場リユースシステム「Can-can100SHOP」8店、その他19店と、様々な形態で100円ショップを展開しています。
いずれも東北が中心で、関東にも進出しています。
第7位 100えんハウスレモン
店舗数 | 71店 |
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売上高 | 不明 |
※2022年7月現在
ワタナベ(本社:静岡市葵区)が運営する「100えんハウスレモン」は、静岡県を中心に、北は山形県、南は愛知県まで全71店。店舗により第2・第4木曜日に税込100円セールや5%引きセールを実施しているそうです。
第8位 ダイコク税込100円均一SHOP
店舗数 | 45店 |
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売上高 | 726億円 |
※店舗数は2022年7月現在、売上高はグループ全体(2020年8月期決算に基づく)
ダイコク(本社:大阪市中央区)の「税込100円均一ショップ」はダイコクドラッグ内の100円均一コーナーと言ったほうが正しいのかなと思いますが、線引きが難しいうえにそれなりの店舗数があるので一応ランキング対象としました。
てっきり大阪だけだと思ってたんですけど、北は札幌、南は沖縄まで、45店もあるんですね!
第9位 100円ショップTOKUTOKUYA
店舗数 | 19店 |
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売上高 | 不明 |
※店舗数は2022年7月現在
「TOKUTOKUYA(得得屋)」はイーシーアイ(本社:島根県出雲市)が運営する100円ショップ。中国地方中心ですが、北は東京、南は長崎まであり、全部で19店。それとは別に海外にも展開しています。
第10位 The 100 stores
店舗数 | 9店 |
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売上高 | 不明 |
※店舗数は2022年7月現在
「The 100 stores」はイニシャル・ワンハンドレッド(本社:東京都北区)が運営する100円ショップ。東京都内限定で9店を展開しています。
まとめ
ショップのブランド別ではなく運営会社別のランキングとなってしまいましたが、最後に各系列の店舗数を視覚的に捉えるためにグラフ化してみました。
こうやってみると、ダイソーが圧倒的ですねー。さすが売上シェアの6割以上を誇るだけのことはあります。それに続くのはセリア、ワッツ、キャンドゥ。この3社は話題にも事欠きません。イオン傘下となったキャンドゥが今後どのような展開を見せるかも注目でしょう。
ともあれ今回、100円ショップのランキングを作成するにあたってはかなりあちこち調べまくりました。それでも、限られた地域で展開する100円ショップを取りこぼしてしまっているかもしれません。もしお気付きのことがあればご一報いただければ幸いです。
ちなみに、調査の過程で楽天市場に出店している「100円ショップ ひゃくえもん」の運営会社(河内物産)が私のオフィスの裏手にあることを初めて知りました(笑)世間って、案外狭いもんですねー。
関連会社




コメント
上位三社の店舗数と売り上げのソースを教えてほしいです。
主にIR資料などです。