前回に続き、今回もハイエンドプラチェスト「フィッツプラス」にまつわるお話です。今回はニトリのオリジナル仕様ではなく、天馬のプロパー新商品をご紹介します。
フィッツプラスは発売から15年以上続くロングセラー商品です。初代フィッツプラス、メッシュ、プレミアム、イージー、キャビネット(廃番)、デコ、とラインナップを増やして来て、今回の新商品は7番目になるんじゃないかなと思います(ニトリの「NT」などオリジナル仕様のぞく)。
「そんなに増やす必要ある!?」って思ってしまうわけですが、それだけ自信がある新商品ということでしょう。以下、詳しく見て参りましょう。
※この記事は2025年1月13日時点の情報に基づいています
天馬・フィッツチェスト フルフラット
このたび天馬から発売されたのは「フィッツチェスト フルフラット」という商品です。やたらと「フ」が多い商品名ですが、品番もその頭文字を取って「FCFF」となっています。
カラーはホワイトとグレーの2色が用意されています。
引出前板がフルフラット
フルフラットと言われても、最初はイマイチよく分かりませんでした。引出前板が丸みを帯びたデザインになっている初代フィッツプラスに比べれば、確かに直線的なデザインに見えます。しかし、そんな違いだけで天馬が新商品として発売するわけがありません。
で、よく見ると、持ち手の部分が凹んでいなくて、引出前板と一体になったようなノイズレスなデザインに仕上がっているのですね。それでも、「あんしんロック機能」は健在。従来品と同様に持ち手部分に手を挿し入れればロックが解除され、引出しを閉めると自動的にロックされる構造です。
ちなみに、側面や背面は従来のフィッツプラスと同じ。ラダー状に段差があり、フルフラットではありません。
再生ポリプロピレン10%以上使用
近年、天馬は環境に配慮した製品づくりを進めています。今回のフルフラットも同様で、再生ポリプロピレンを10%以上使用しているそうです。もちろん、耐荷重などスペック面に変化はありません。
今のところ、再生ポリプロピレンの含有率を高めることは技術的に難しかったり、コストは安くなるどころか上がることのほうが多いと思いますが、これも時代の要請なのでしょうね。
天板はMDF+ハニカムコア
そのほかの材質については初代フィッツプラスと基本的に同じです。天板はハニカムコアにMDF合板を被せたもの。引出前板はスチロール樹脂です。
というわけで、今回のフルフラットは初代フィッツプラスと前板のデザインが異なるのと、再生ポリプロピレンを使っていること以外に目立った違いはないと言えます。
フィッツプラス→フィッツチェストに
実は今回のフルフラットの発売と同時に、これまでの「フィッツプラス」シリーズが「フィッツチェスト」シリーズに名称が改められるようです。これにより、初代フィッツプラスは「フィッツチェスト ベーシック」にリニューアルされるのかもしれません。天馬公式ショップでフィッツプラスの一部サイズが品切れになっているのを不思議に思っていたんですが、リニューアルに伴うものだと考えれば腑に落ちます。
個人的には、初代フィッツプラスとフィッツプラス・イージーを比較する際に、初代のほうを「無印」と呼ぶのもおかしいかなと思っていたので、ベーシックとイージーなどと呼び分けられるようになったことはありがたいです。
一方で、先ほどのフルフラットとベーシックを比較すると、違いがほとんどないんです。カラーはいずれもホワイトとグレーの2色。再生ポリプロピレンを10%以上使用しており、天板や前板の材質も同じ。前板の形状もほぼ同じに見えます。持ち手の部分だけがフルフラットか否かだけという違いです。
サイズラインナップと価格の比較
シリーズ | フルフラット | ベーシック | フィッツプラス | |
---|---|---|---|---|
幅 | 高さ | |||
65cm | 3段 | 未発売 | 未発売 | 12,480円 |
4段 | 16,980円 | 16,280円 | 13,780円 | |
5段 | 19,780円 | 18,480円 | 15,400円 | |
7段 | 未発売 | – | 20,800円 |
では、サイズラインナップおよび価格はどのようになっているのでしょうか。
現時点では天馬から新しいフィッツチェストシリーズに関するプレスリリースはありませんが、フルフラットは商品写真から幅65cmの3~7段、ベーシックは3~5段というサイズが用意されることが予想されます。おそらく、少なくともベーシックは初代フィッツプラスと同様のサイズラインナップになっていくことでしょう。
とは言え、現時点で価格が分かっているのは上表の通り。現時点ですべて扱っているJoshin楽天市場店での価格をまとめてみました。
いずれも同じ値引き率という前提で言えば、フルフラットはベーシックに比べて4段で700円(約4.3%)、5段で1,300円(約7.0%)高いです。持ち手の形状が違うだけなら、果たしてこの価格差で商品を投入する必要があるのか疑問に感じる程度の差しかありません。
一方で、ベーシックと初代フィッツプラスの価格差は小さくないです。4段で2,500円(約18.1%)、5段で3,080円(20.0%)もの違いがあります。今後、新しいフィッツチェストが市場に出回ればもう少し安くなる可能性はあるものの、消費者としては悩ましいところですね。
ちなみに、すぐに引出前板が外れてしまう点が厄介なアイリスオーヤマの「HGウッドトップチェスト」は、幅55cmの4段タイプが税込7,980円、幅73cmの5段タイプが同12,480円です。この点でも消費者としては悩ましいところです。
以上、新商品のフィッツチェスト・フルフラットを紹介するとともに、フィッツプラスからフィッツチェストへのリニューアルについて速報しました。現時点では断片的な情報しかないので続報が期待されるところです。果たして初代フィッツプラスがベーシックに完全に置き換えられるのか、また特にプレミアムやデコが今後どうなるのかも気になります。
ちなみに、「フィッツユニットケース」もリニューアルされるという話を小耳に挟んでおります。社内で何かあったのかと驚くほどの大改革ですねー。全容解明が待ち遠しいです。
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