天馬は引出式衣装ケースの「フィッツケース」や「フィッツユニット」でお馴染みの大手樹脂成型メーカーです。安物と比べてワンランク上のイメージがあるかもしれませんが、ニトリの「セレスFD」を含め、ナフコもコーナンも定番の引出式衣装ケースは全て天馬の製品。もはやシェアを伸ばす余地がないほど天馬の一強状態となっています。
天馬はスタッキングケースの「カバコ」でも高いシェアを持っています。では、次にどんな商品で売上を伸ばせば良いかということで触手を伸ばしたのが棚。2022年に「VAZZO(バッゾ)」という樹脂製キャビネットを発売しました。
これが売れたかどうかはちょっと分からないのですが、私の印象としてはたぶんヒットと言えるほどは売れていません。かと言って、売れていないと言うほど失敗作でもない。
そこで、商品名も新たにリニューアルを図ったようです。
※この記事は2024年11月18日時点の情報に基づいています
天馬・フィッツペグキャビネット
こちらがVAZZOの後継商品と目される「フィッツペグキャビネット」という新商品です。パッと目にはまったく同じ商品にしか見えません。
商品名がフィッツに変わったことと、カラーバリエーションがグリーン、オレンジ、ホワイト(ベージュ系)、ネイビーから、グリーンとオレンジは残してホワイト(純白)とダークグレーに差し替えられたことくらいしか違いが分からないのです。
メッシュ仕様が登場
…と思っていたら、扉がメッシュ仕様のものが登場しました。ヴィンテージ感を残しつつ、中身がちょっと見えて実用的でもあります。こちらも同様に4色展開ですから、天馬の力の入れようが伝わってくるというものです。
ワイド仕様も登場
さらに、横型のワイド仕様も投入されました。開口部の高さは27.5cmですから、B5サイズを収めるとちょうど良いくらいの大きさ。内寸奥行は32.5cmなので、A4サイズの本などは背表紙を上にして立てて並べる感じでしょう。
なお、扉のステーはプラスチックではなく敢えてゴム紐。過剰な力が加わっても破損する心配が少ないと思います。
ちなみに、従来のVAZZO、新しいフィッツペグキャビネットともに、側面がペグボード(有孔ボード)になっており、市販のフックなどを取り付けられるのがメリットですが、ワイド仕様の場合は2段に重ねないとペグボードを使うことは少ないかもしれませんね。
ファイルボックスもフィッツに
VAZZOモバイルボックスも「フィッツキャリーファイルボックス」としてリニューアルされました。こちらも同様の新4色展開で、形状などには特に違いは見受けられません。
テコ入れ策が功を奏すか
フィッツペグキャビネットは従来品同様、オシャレで、樹脂製で軽くて持ち運びやすく(スタンダード:約4.3kg、メッシュ・ワイド:約3.4kg)、ペグボード収納が活用できる、2段重ねも可能、などといったことがメリットです。リニューアルでメッシュ仕様とワイド仕様が加わり、さらに組み合わせを楽しみやすく、収納したいモノに合わせて選びやすくなったと思います。
あとはこの商品の認知度を高めさえすればもっと売れるはず…ということで、「フィッツ」のブランドを冠したのかもしれません。
個人的にはチェスト仕様もあればより使いやすく、またフィッツのブランドとの親和性も高まると思います。しかし、それでは価格が高くなってしまって売れないかもしれません。まずは今のラインナップで好調なセールスを期待したいところでしょう。
「収納棚が欲しいなら3段カラーボックスで十分じゃないか」と思われる方もいるかもしれません。ただ、一般的な3段カラーボックスは9kgほどあり、見た目もチープです。その点、フィッツペグキャビネットは1/3~1/2程度と軽く、見た目はオシャレ。価格が高くても買いたいと思う人は少なくないと思います。
ちなみに、フィッツペグキャビネットは発売から間がないので1万円以上しますが、VAZZOは7千円前後で購入できます。スタンダード扉のグリーンとオレンジはフィッツと同じものと思われるので、そちらを購入するというのも良いんじゃないでしょうか。
コメント