一昔前に比べると、サイズをイージーオーダーできる家具は身近になりました。しかしながら、引出し(チェスト)のイージーオーダーはまだまだ一般的とは言えません。棚であれば棚板の幅と奥行を調整すれば済むだけですが、引出しは板を少なくとも5枚以上サイズ調整する必要があり、非常に手間が掛かるからです。板のカットだけでなく、ダボ穴を開け、ダボを打ち込み、それを組み立て、スライドレールを取り付けるという工程も、引出しの数だけ必要になります。
そんなわけでサイズオーダー対応のチェストはまだまだ少ないのですが、徐々に増えてきてはいます。このたびベルメゾンからクローゼットやウォークインクローゼットに最適な奥行のサイズオーダークローゼットチェストが販売開始されたので紹介したいと思います。
※この記事は2023年12月21日時点の情報に基づいています
【幅1cm・奥行5cmピッチサイズオーダー】クローゼットチェスト
このたびベルメゾンから発売されたのは、「【幅1cm・奥行5cmピッチサイズオーダー】クローゼットチェスト」という商品です。その名の通り、幅は30~89cmまで1cm単位、奥行は34cmから59cmまで5cm単位で、サイズをオーダーすることができます。これまでも奥行45cmくらいのチェストなら珍しくなかったのですが、それ以上というのは少ないと思います。
なお、高さは60cmから90cmまで10cm単位でサイズオーダー可能。このように、クローゼット内に収める前提のサイズ展開は皆無と言って良いでしょう。
カラーは上写真のグレーのほか、ソリッドホワイト、ライトナチュラル、ブラウンの計4色から選ぶことができます。
フルスライドレール使用
引出しの最上段はローラー式であるものの、2段目から下はすべてフルスライドレールになっています。奥まで引き出しやすいだけでなく、意図せず勢い良く引出しが飛び出さないのがメリットです。
なお、天板は強化プリント紙化粧繊維板、引出前板や側板はプリント紙化粧繊維板となっています。引出内部材は色合いからして樹脂フィルム貼りのパーティクルボードでしょうか。ホコリを吸い寄せやすいのがネックですが、丈夫な四方囲い(箱組)構造になっているように見えます。
隠しキャスター付き
底面には隠しキャスターが付いており、掃除などの際に移動できるので便利です。造り付けのようにサイズがピッタリでありながら、据え置き家具のように移動ができるというのはメリットが多いと感じます。
これだけ仕様にもこだわって、価格は最小サイズの税込27,900円から最大で同69,900円となっていす。同程度の仕様のミドルチェストが3~4万円と考えると決して安いとは言えないものの、チェストのサイズオーダーでこの価格が実現できるというのは個人的には驚きです。
フジイ・ワードローブすきまくん
サイズオーダー収納家具の定番、フジイの「すきまくん」はどうでしょうか。「ワードローブすきまくん」にも奥行57cmタイプというのがあります。
ワードローブすきまくんのチェストは幅30~80cmまで1cm単位、奥行は42cmと57cmの2サイズ、高さは3段(84.2cm)、4段(105.1cm)、5段(126cm)の3サイズ、14カラーです。価格は税込30,800円から69,300円となっています。
スペック的にはベルメゾンとほぼ同じと言えます。ただし、こちらは最上段も含めて全段フルスライドレール、キャスターは付きません。価格帯はほぼ同じです。
こちらは高さが低いサイズがないのでクローゼットやウォークインクローゼットに最適化されたサイズバリエーションとは言えない感じです。その代わりにお揃いのワードローブが充実しています。
リエル・チョイスト
奥行43.5cmまででOKなら他にも選択肢があります。リエルの「チョイスト」は幅30~120cmまで1cm単位、奥行30cm、35cm、43.5cmの3サイズ、高さは2段(45.9cm)から6段(129.5cm)まで5サイズ、6カラーから選ぶことができるチェストです。製造元はリエルマルシゲの親会社である丸繁木工(名古屋市南区)と思われます。
価格は税込32,890円から同125,950円までとなっています。サイズ展開が異なるので一概に高いとは言えません。引出内部材は桐で全段フルスライドレール、背面化粧仕上げとなっており、ベルメゾンのものよりハイスペックです。ただし、キャスターは付きません。
なお、チョイストには扉タイプやオープンタイプなどもラインナップされています。
フジイのワードローブすきまくんやリエルのチョイストと比較しても分かる通り、ベルメゾンのサイズオーダークローゼットチェストは決して割高とは言えません。適正価格だと思いますし、何よりクローゼットの洋服を掛けた下に置くのにちょうど良い高さで、キャスターが付いているという点も魅力です。
個人的には、よくもまあこんなに手のかかるものをこんな低価格で作れるものだと感心します。頑張って売れ筋商品に育てて欲しいものですね。
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