目下、業績好調な無印良品。文房具や日用品に始まり、食品からアパレル、家までも扱っています。
そんな無印良品は自社で商品を開発するだけでは飽き足らず、「IDÉE(イデー)」とコラボした家具を扱ったりもしています。
IDÉEは無印良品を運営する良品計画のグループ会社なので、両社がコラボすることは別段不自然ではありません。しかし、「無印良品の家」よろしく「IDÉEの家」が登場することになるとはちょっと驚きました。
※この記事は2017年6月16日時点の情報に基づいています
HOUSE CANVAS by IDÉE
新築戸建住宅の設計から販売までを手掛けるベツダイが、自社新築規格住宅ブランド「LIFE LABEL(ライフレーベル)」において、IDÉEとコラボした新築規格住宅「HOUSE CANVAS by IDÉE」を開発。2017年7月1日から全国のLIFE LABEL取扱店で発売するということです。
規格住宅とは?
工務店のベツダイがIDÉEがデザインした家を建てて売るというわけですが、「規格住宅」という言葉は一般的に聞き慣れないかと思います。
- 建売住宅
- 規格住宅
- セミオーダー住宅
- 注文住宅
一般的に戸建住宅を購入する場合、上の4つの選択肢の中から選ぶことになります。建売住宅は既に建築済みの家と土地をセットで購入するパターン、注文住宅は基本的に工法だけは決まっていて間取りや仕様は好きなように選べるパターンということで分かりやすいと思います。
一方で分かりにくいのが規格住宅とセミオーダー住宅です。セミオーダー住宅は注文住宅に似ており、間取りは好きなように選べる一方で仕様は選択肢がある程度限られているというのが一般的です。そして、「HOUSE CANVAS by IDÉE」も採用している規格住宅は、複数の間取りパターンから選び、床材や壁紙を好みに応じてチョイスするというかたちとなります。
規格住宅は間取りがパターン化されているので間取りを考える手間がなく、コストも抑えることができます。しかしながら、窓の位置が間取りによって決められているため、建築予定地に最適とは言えない間取りとなることもあるということがデメリットと言えます。
規格住宅にはそのようなメリットとデメリットがあるわけですが、規格住宅でIDÉEがデザインをするということは、消費者にとって買いやすい価格で提供でき、IDÉEが理想とするライフスタイルを実現できる間取りを提案することに意義があると考えているのではないでしょうか。
無印良品の家との比較
同じグループ企業でいわば兄弟関係とも言える「無印良品の家」と「IDÉEの家」ですが、無印良品の家も規格住宅と言えます。また、無印良品の「窓の家」(上写真)は「木の家」よりも壁が多く、IDÉEの家と間取りの設計思想が似ているように感じます。実際、外観もベースカラーが異なるものの、形は似ていますよね。
ただ、コンセプトはそれぞれで若干異なります。無印良品の窓の家はその名の通り、外とのつながりである窓が非常に重要な位置を占めています。また、実際の間取りによっても違うと思いますが、木の家と同様に間仕切りのない大きな空間がウエイトを占めています。
一方のIDÉEの家は”余白のある家”がコンセプトとなっており、壁が重要な位置を占めています。また、間取りのサンプルを見る限り、無印良品ほどは大きな空間を求めていないように思います。
無印良品の家の間取りは開放的で、ライフスタイルの変化に応じて空間を間仕切ることができるメリットがあるとされています。ただ、私はこの考え方には否定的です。大きな空間は空調やプライバシーのコントロールが難しく、家具のレイアウトにも困るので、実際のところ非常に住みにくいと思うからです。
他方、IDÉEの家は割りと常識的な間取りであるため、家具のレイアウトがしやすいと思います。家という夢のある商品にあまり現実的なことを言うのも野暮かもしれませんが、個人的にはIDÉEの家のほうが落としどころとして妥当ではないかと思います。
アウトドアリビングが素敵
プレスリリースではIDÉEの家の間取りの一例が掲載されていますが、私はアウトドアリビングが素敵だと思いました。実は私も自宅の間取りを設計しているところで、同じようなことを考えていたのです。
ただ、私の場合はあくまで広めのバルコニーで、ここまで広いアウトドアリビングは考えていませんでした。確かにこんなに広いアウトドアリビングがあれば素敵なんですけど、やっぱり現実的なことを考えるとここにこんなにスペースを割くのは難しいんですよね。この間取りの場合、アウトドアリビングは室内干しのスペースとして固定化してしまうリスクを感じてしまいます。
人それぞれ家に求めるものは違うと思いますが、私はやっぱり普段の生活が一番大切です。その点で言うと、無印良品の家よりはIDÉEの家のほうが私には合っていると感じますし、それでも私にとっては浮世離れしていると感じるところがあります。
ともあれ、いろんな家を見るのは楽しいですね。私もいつまでも夢ばかり見ずに、早く理想の家を手に入れたいです(苦笑)
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