木製タンスの出荷額が下げ止まりません。今年に関してはまだ8月までしか統計が出ていないものの、前年に引き続き前年比マイナス15~20%程度となる見込みです。
個人的には品質の高いタンスを見るとうれしくなる一方、多くの家庭では必要とされなくなってきていると感じます。木製タンスではなく、プラスチック製のチェストで十分だからです。
防虫や防湿を考えなければならないような立派な洋服なんてほとんどありません。木製タンスは重くて引越しや模様替えが大変ですが、プラスチック製なら簡単です。地震の際に倒れてきてもプラスチック製なら安心です。しかも、プラスチック製なら安価で、必要でなくなっても処分するのに精神的負担がありません。
そんなわけで、木製タンスの出荷額が下がり続ける一方、プラスチック製のチェストや引出式衣装ケースは出荷額が伸びているのではないかと思います。実際、新商品は増える一方です。
※この記事は2017年11月24日時点の情報に基づいています
アイリスオーヤマ・ルームチェスト
このたび、アイリスオーヤマから「ルームチェスト」という新しいプラスチック製チェストが発売されました。
アイリスオーヤマのプラスチック製チェストと言えば、これまでは「HGウッドトップチェスト」が定番でした。それ以外にもいくつか同様の商品があります。
果たして、新商品のルームチェストはHGウッドトップチェストとどこがどう違うのでしょうか?
マット仕上げで高級感がある
新商品のルームチェストの最大のセールスポイントは、光沢を抑えたマット仕上げで高級感があるということです。カラーバリエーションもブラウンとアイボリーの2色となっており、シックな雰囲気です。
対してHGウッドトップチェストはプラスチックらしいツヤツヤテカテカした感じで、基本はホワイト色です。ツヤありだと汚れがついても拭き取りやすいものの、どうしても所帯じみた感じになります。
しかし天板はプラスチック製
しかし、HGウッドトップチェストの天板はMDF合板に木目をラッピングしたもので、それなりに質感があります。対して、ルームチェストは光沢を抑えたマット仕上げで高級感があるものの、天板はプラスチック製です。つまり、天板に関してだけ言えばHGウッドトップチェストのほうが高級仕様と言えます。
見た目の問題だけでなく、耐荷重も気になるところです。HGウッドトップチェストの天板耐荷重は10kgですが、ルームチェストは記載すらありません。ルームチェストは上にモノを乗せると凹む可能性があると言えるでしょう。
それでいて価格はほとんど変わらず
「ルームチェスト5段RC-555」の税込価格は8,380円、「ウッドトップチェスト5段HG-555」は同8,618円です(それぞれ2017/11/24現在、アイリスプラザ会員価格)。天板に若干コストが掛かっているウッドトップチェストのほうが若干高価ではありますが、コストから言うとルームチェストは安いとまでは言えません。
ルームチェストは現在、幅約55cmの4段タイプと5段タイプという売れ筋の2サイズのみで、生産や在庫の効率が良いはずです。しかし、それでも安くはならないというわけです。このあたりは天馬の「フィッツプラス・イージー」とはちょっと考え方が異なるようですね。
ちなみに、現在の「ウッドトップチェスト5段HG-555」は2017年に入ってからリニューアルされたもので、旧仕様となった「ウッドトップチェスト5段HG-555B」(税込7,992円)はそのうち廃番にするつもりではないかと思います。このリニューアルはおそらくは実質的な値上げで、ルームチェストの投入もその兼ね合いと考えられるでしょう。
とは言え、個人的には新商品のルームチェストがHGウッドトップチェストと比べて安くなっているわけではないことは別に問題ではありません。選択肢が増えたことを素直に喜びたいと思います。
ただひとつ欲を言えば、キャスターを取り付けられるようにして欲しかった!以前はHGウッドトップチェストもキャスター付きだったのに、今は付けられないんですよね。これはちょっと「あつものに懲りてなますを吹く」状態ではないかと思ってしまうのです。
せめて天馬の「プロフィックス・ルームケース54幅」のように後ろ側だけでもキャスター付きにしてくれれば良かったと思うのですが…。
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