我が家ではこれまで3台に渡ってアイリスオーヤマの加熱式加湿器(SHM-4LU-G)を使ってきました。しかしながら、これまでの2台と同様、2~3年使うと床が水浸しになってご臨終。生産が終了したので、別の加湿器に買い替える必要が生じました。
このアイリスオーヤマの加湿器は妻が「暖かい」と言ってお気に入りだったんですよ。でも、最大11畳用なので今の約20畳のLDKには小さすぎます。さらに、昨今の電気代高騰を考えても、電気代が高くつく加熱式は厳しい。そこで、娘の部屋で使っているダイニチ工業のハイブリッド式加湿器(HD-RX319)の大型モデルを購入することにしました。
※この記事は 2022年12月23日時点の情報に基づいています
ダイニチ工業・HD-RX920
このたび購入したのはダイニチ工業の「HD-RX920-W」です。温風気化と気化のハイブリッド式で、加熱式(スチーム式)に比べると電気代が抑えられると考えました。
また、娘の部屋で8畳用モデルを使っていて割りと暖かく感じられたので、妻もこれならと納得してくれたのも大きかったです。デザインもシンプルでグッド。
ほかのモデルとの比較
※1…HD-RX920の価格はダイニチwebショップ、HD-RX900Aはパソコンパーツのアプライド、HD-RXT922とHD-LX1022はJoshin web 家電とPCの大型専門店(いずれも楽天市場)の場合 ※2…60Hz環境でターボ運転時の場合 ※3…プレハブ洋室の場合
最近はオシャレな加湿器が多いので、もちろん他社製品も検討しました。しかしながら、20畳以上に対応しているものはほとんどなく、デザイン、信頼性、機能性を考慮すると、ダイニチ一択となりました。
ダイニチの中では元々「HD-RXT922」を最有力候補と考えていました。「HD-LX1022」のほうが大型のモーターを搭載しているのか電力効率が良さそうなのですが、4千円の価格差を埋めるほど電気代に違いが生じるとも思えませんでした。また、スマホで操作するつもりはないし、無駄に存在感のあるデザインは勘弁願いたいということで却下。
HD-RXT922が家電量販店モデルなのに対し、「HD-RX900A」はいわゆるカタログモデルです。しかし、価格がほぼ同じなのに機能的にはHD-RXT922に劣るのでこちらも却下となりました。
それでHD-RXT922で決まりだと思っていたのですが、ダイニチ直営店で型落ちの「HD-RX920」が1万円ほど安く販売されているのを発見。タンク容量が1割ほど少ないものの、カンタン取り替えトレイカバーの必要性も感じないので、HD-RX920を購入することにした次第です。
ハイブリッド式なので経済的?
ダイニチ工業の加湿器はハイブリッド式なので経済的というのが最大のセールスポイントです。運転開始時は温風気化式でパワフルに加湿。設定湿度に達すると気化式に切り替わって電気代を抑えます。
ただし、”設定湿度に達した後でも、お部屋の条件により、ヒーターがONになる場合があります”との補足があります。そこで、電力量表示器(電力計)を用いて、電力使用量を確認してみることにしました。
消費電力と積算電気料金の推移
経過時間 | 湿度表示 | 瞬間電力量 | 積算電気料金 |
---|---|---|---|
0:00 | 52% | 222W | |
0:02 | 52% | 499W~503W | |
1:00 | 71% | 488W | 17.78円 |
2:00 | 61% | 216W→480W | 26.17円 |
3:00 | 71% | 18W | 39.96円 |
4:00 | 68% | 220W→397W | 45.46円 |
5:00 | 70% | 17W | 60.55円 |
6:00 | 67% | 498W | 72.75円 |
開始時の室温約12℃、湿度約50%という環境下で、標準モード&湿度70%に設定して測定をしました。積算電気料金は単価36円/kWh(関西電力)として算出しています。環境は日々変わるので複数回の計測はおこなっていません。よって、条件により異なる結果が出る可能性があります。
以上を前置きしたうえで今回の測定結果から分かったことは、設定湿度に達しても必ずしもヒーターOFFになっていないということがまず挙げられます。そのため、6時間の使用で1時間あたりの電気代は約12.13円。平均すると約337Wで稼働していたということになります。標準モードの最大消費電力が470W、同じくecoモードは20Wですから、稼働時間の7割は最大消費電力で稼働していた計算です。
LDKの広さが約20畳(34平米)もあり、ハイドアの開閉などでちょっと風が動くだけで湿度表示が変化して電力量が一気に上がったりするのですから、仕方のない部分はあると思います。しかしながら、家に私一人の状態でこの結果ですから、家族全員が在宅の場合は常にフルスロットルの状態になることでしょう。つまり、留守中や就寝中を除くと、ハイブリット式の恩恵は限定的と考えられるのではないでしょうか。
ちなみに、我が家のLDKでは加湿機能付きの空気清浄機(パナソニック製)も稼働しています。よって、ダイニチの加湿器にかかる負荷はそれほど大きくはないはずです。これまで使っていたアイリスオーヤマの加熱式加湿器だと1時間あたりの電気代は約11.9円でしたから、これじゃほぼ変わらないですねー(苦笑)
石油ファンヒーターとお揃い
ともあれ、シンプルなデザインには満足しています。
横にあるのは同じくダイニチ工業の石油ファンヒーター「FW-72DX4-W」。こちらも白×黒なので、加湿器も白×黒のHD-LX1022でも良かったかもしれません。
HD-RX319と比較
型名 | HD-RX920 | HD-RX319 |
---|---|---|
年式 | 2020年 | 2019年 |
最大消費電力※2 | 500W | 168W |
最大加湿量※2 | 960mL/h | 350mL/h |
タンク容量 | 6.3L | 3.2L |
最大適用床面積※3 | 24畳(40平米) | 8畳(14平米) |
本体外形寸法 | 375×375×210mm | 325×325×150mm |
質量 | 約5.1kg | 約3.3kg |
※2…60Hz環境でターボ運転時の場合 ※3…プレハブ洋室の場合
娘の部屋で使用しているHD-RX319と比較してみました。感覚的に言うと、ふた回りくらいHD-RX920のほうが大きいです。水を満タンにすると重さは2倍くらいになります。
一方で、消費電力、加湿量、適用床面積はいずれも約3倍。機能的にはまったく同じです。
しかしながら、娘の部屋は6畳なので、加湿器だけでもそれなりに暖かいと感じます。20畳もあるLDKでは残念ながら体感できるほどの暖かさは感じられません。加熱式のアイリスオーヤマのほうが少なからず暖かかったです。
3年目突入のHD-RX319のトレイの状態
カンタン取替えトレイカバーを搭載しているHD-RXT922を検討するにあたっては、使用開始3年目に突入したHD-RX319のトレイの状態を確認しました。
ご覧の通り黄ばみは生じているものの、アイリスオーヤマの加熱式加湿器のように酷い汚れに悩まされているわけではありません。1枚あたり税込550円もするトレイカバーを買い続けるのはちょっと負担に感じたので、カンタン取替えトレイカバー非搭載のHD-RX920で十分と考えた次第です。
HD-RX920を選ぶメリット&デメリット
- 耐久性が期待できる(3年保証)
- 蒸気で火傷をする心配がない
- 加熱式より多少は経済的
- 期待したほど電気代は安くならない
- 音が気になることもある
期待したほど電気代は安くならなかったHD-RX920ですが、総合的に言うと満足です。まず、アイリスオーヤマの加熱式加湿器は早ければ2年目の最初で壊れてしまいましたが、娘が使っているHD-RX319は少なくとも3年目も問題なく使えていますし、3年保証ですから安心です。また、蒸気で火傷をする心配がないとうのも、特に小さなお子さんがいる家庭では安心だと思います。
一方で、音は家族がリビングダイニングで過ごしているときはまったく気にならないのですが、一人でいるときは石油ファンヒーターと変わらないレベルだと感じます。実際、石油ファンヒーターやセラミックファンヒーターと同じような音です。
加湿機能付きの石油ファンヒーターがあればと思ったら…
音の件もあり、「加湿機能付きの石油ファンヒーターがあったら良いのに…」と思って調べてみたところ、実は石油ファンヒーターは普通に使っているだけで加湿効果があったんですね!
”灯油1Lの燃焼で1L(1000mL)の加湿効果”があるなら、しかも我が家で使っているダイニチの石油ファンヒーターの消費電力が100~200W程度なら、少なくとも石油ファンヒーターを使っているときは加湿器を使う必要はないですね。
いくら文系とは言え、自分のアホさ加減に呆れます(苦笑)
というわけで、ダイニチ工業のHD-RX920には概ね満足しているのですが、ハイブリッド式は理屈では経済的と言っても実際の使用環境によってはそれほどでもないということが分かりました。部屋中万遍なく潤っているという実感もないので、次は10畳用くらいの安い加熱式加湿器を買って使い捨てにしても良いかしらと思ったりもします。石油ファンヒーターを消して加湿器で暖を取りたいならなおさらです。
いやはや、今回は私にとって良い勉強になりました。
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