いやいやいや、これは驚きましたねー。前回、ニトリのスチールラックをいくつかご紹介しましたが、その際にドウシシャのルミナスラック互換品「エコノミーラック」と比較してみたら、エコノミーラックがこの夏(2017年)からクリアコーティングが施されるようになったことに気づきました。
ドウシシャのエコノミーラックはルミナス互換ラックとも呼ばれる通り、ルミナスラックの豊富なオプションパーツが使える一方で、耐荷重が小さく(ただし家庭用としては十分)、防錆加工(クリアコーティング)が施されていない「廉価版」でした。しかし、クリアコーティングを施しちゃったらデメリットは耐荷重が小さいだけってことになるんですよねー。
これはますますホームセンターで売られている他社類似品を買う理由がなくなりますし、自社ルミナスラックのレギュラーシリーズの存在すらも脅かしかねない挑戦です。
※この記事は2017年10月13日時点の情報に基づいています(2023年6月7日一部更新)
クリアコーティングとは?
そもそもクリアコーティングとは何ぞやという話ですが、まず一般的にメタルラックと呼ばれるものの表面はクロームメッキ(上図左下参照)です。スチールにメッキしているのでそれだけでもサビにくいはずですけど、それでもやっぱりサビてくるのです。
クロームメッキでも湿気の影響がない場所で使っていれば問題なさそうに思われがちですが、ホームセンターなどで売られている安い非ブランド品の場合は数年で表面が塩を噴いたように荒れてきます。
また、ブランド品のアイリスオーヤマのメタルラックやルミナスラックのスリムシリーズを湿気の影響を受けない場所で使っていても少しサビが生じることがあったのです(ルミナス・スリムシリーズも現在はクリアコーティングが施されています)。私が20年くらい前に買ったホームエレクターもシェルフはクロームメッキだったのでサビました(こちらも現在はクリアコーティングが施されています)。
ステンレスエレクターに比べればクリアコーティングでもサビる可能性はあると言えるものの、ステンレスはやはり高価なのでコスパを考えるとクリアコーティングが家庭用スチールワイヤーシェルフのスタンダードになってきたと言えるのではないでしょうか。
ドウシシャ「エコノミーラック」のラインナップ
ここで、ドウシシャのエコノミーラックのラインナップについて見てみましょう。
エコノミーラックはあくまでもルミナスラックのシェアを他社の安い商品に奪われることを避けるために用意されていると思われ、ルミナス公式ショップでは目立たないように販売されています。そのため、上表のようなラインナップ一覧はほとんど見ることがありません。
基本的にポール径25mmタイプは大型、ポール径19mmタイプは小型という住み分けとなっており、いずれもルミナスラックで売れ筋のサイズと思われます。単純に仕様を落とすことでコストを下げるのではなく、量産することでコストを下げているんですね。
ポール径25mmタイプは「EL25-」から始まる品番、19mmタイプは「EL19-」から始まる品番となっています。ちなみに、主に「W」から始まる品番のポール径12.7mmのより小型のワイヤーシェルフもありますが、こちらは今のところクリアコーティングが実装されたというアナウンスはありません。
防錆強化されたエコノミーラックは「買い」か?
非常に冷めた目で見れば、クリアコーティングと言っても塗膜は薄いですから、木材にニスを塗った程度のものです。しかし、クリア塗装分のコストが上がるだけでなく、塗装工程が1つ増え、乾燥にも時間が掛かります。メーカーとしてはそんな面倒で金の掛かることは避けたいはずですが、それを敢えて実行に移したということは、やはりそれが必要だと感じるところが大きいからでしょう。
そのように考えると、クリアコーティングが施されていないスチールワイヤーシェルフとクリアコーティングが施されているものを比較すると、やはりクリアコーティングを施しているほうがオススメと言えます。値段が変わらないなら間違いなくそうでしょう。
一方で、クリアコーティングが施されているもの同士、たとえばルミナスラックのレギュラーシリーズとエコノミーラックを比べると、物置に使うならエコノミーラックで十分ですが、リビングに置くならレギュラーシリーズを選びたいと個人的には思います。エコノミーラックは少し乱暴に扱うと棚板が変形することがあり、そうすると見た目が悪いからです。
ともあれ、クリアコーティングが施されて低価格のエコノミーラックがサビに強くなったことは、消費者にとってありがたい限りですね。
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